新生「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」を率いるクリエイティブ・ディレクターのジュリアン・クロスナー(Julian Klausner)が、初来日した。今年リニューアルオープンした青山店で、プレスやセレブリティなど業界関係者を迎えた。
ベルギー生まれのクロスナーは、ブリュッセルのラ・カンブル国立美術学校(La Cambre – Ecole Nationale Supérieure des Arts Visuels)でメンズ・ウィメンズウェアを学び、2016年の卒業時にファッションデザインの学士号と博士号を取得。ドリス ヴァン ノッテンには2018年8月に入社し、ドリスとともにウィメンズコレクションのデザインに携わってきた。クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)がデザインチームに加わった際にも、インハウスのチームとしてクリエイションの重要な役割を果たしたという。以降も、ドリスの右腕としてキャスティング、イメージディレクション、メゾンの運営に至るまでチームビルディングを支えた。
2024年3月、創業者で40年近くブランドを発展させてきたドリス自身がクリエイティブ・ディレクターを退任すると発表。後任への期待と憶測が飛び交う中、同年末にクロスナーの就任が明かされた。新任についてドリスからは、「ジュリアンのクリエイティビティとヴィジョンに、完全な信頼を寄せています。彼は才能豊かなデザイナーであるだけでなく、私が去った後の後任としてふさわしい人物です。ブランドとその価値観に対する彼の深い理解が、シームレスな移行と輝かしい未来を確実なものにしてくれるでしょう」とコメントが寄せられた。
クロスナーは就任後、まず2025年1月にメンズの2025年秋冬コレクションのルックブックをディレクション。3月にはデビューとなる2025年秋冬ウィメンズコレクションのランウェイを披露し、続く2026年春夏メンズコレクションは複数メディアでベストショーに挙げられた。先月パリファッションウィークで披露した2026年春夏ウィメンズコレクションでも、さまざまなブランドのデザイナー交代劇に話題が過集中する状況をもろともせず、安定的な評価を得ており、着実にクリエイションを研ぎ澄ませている。
初来日となったクロスナーは、ドリスと長年の親交があり、世界中の多くの店舗を手掛けたGert Voorjansによる青山店について、「(店舗を)写真で見ていて、ずっと来たいと思っていた場所」だという。「もちろんドリス自身も訪問したことがあるので、話で聞いていた。ようやく訪れることができてとても嬉しいし、ドリスも私が実物を見れたことを喜んでくれると思う」と語った。続けて、「私がこのハウスで働いた7年の間、日本で多くの方がドリスのコレクションを楽しみ、購入し続けてくれて、とても感謝している」と日本のファンについて言及。最後に、「日本で会う人々は親切で心が温まった。京都や沖縄など訪れたい場所がたくさんあるが、残念ながら今回の滞在は短いので、次回のお楽しみにしようと思う」と次の来日に思いを馳せた。
青山店では現在、デビューシーズンの2025年秋冬コレクションを展開中。ドリスらしい花々の彩りをグラフィカルに表現したテキスタイルや、ビーズの装飾、柔らかで繊細なフリンジといった細部への美学を継承しながら、クラシカルかつタイムレスなスタイルが際立つ。ファーストルックを飾ったコートで特徴的だったステッチディテールをあしらったジャケットやシューズ、スパンコールとビーズを一つずつ縫い付けたブラウス、無数のビーズをブローチのように立体的にあしらったジャケットなど、豊富なラインナップを展開している。
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ジュリアン・クロスナー(2026年春夏メンズコレクションのフィナーレより)
Image by: ©Launchmetrics Spotlight
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