ケリング「ウーマン・イン・モーション」は、映画業界の前線と舞台裏で活躍する女性たちを称えることを目的に、2015年のカンヌ国際映画祭でスタート。現在では写真や芸術など他分野にも活動の幅を広げている。この取り組みは今年創設10周年を迎え、日本では2017年より継続的に開催されており、これまでに寺島しのぶ、蜷川実花、是枝裕和、菊地凛子、磯村勇斗ら多彩な登壇者が参加してきた。
今年は第98回アカデミー賞®に新設される「キャスティング賞」にあわせ、キャスティングという職能に焦点を当てたトークが予定されている。トークに先立ち、伝説的なキャスティング・ディレクターであるマリオン・ドハティの功績をたどるドキュメンタリー『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』(2012年)が特別上映される。
その後のトークセッションには、ハリウッドを代表するキャスティング・ディレクターの1人であるデブラ・ゼインをはじめ、映画・舞台・テレビと多彩に活躍する高畑、国際ドラマ「Concordia」などを通じて海外でも活動の場を広げる中島、『ベイビー・ブローカー』や『遠い山なみの光』など国際共同制作にも精通する福間の4名が登壇。ゼインは、『アメリカン・ビューティー』『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』『ドリームガールズ』、『オーシャンズ』や『ハンガー・ゲーム』など、数多くの話題作を手がけてきた。CSA(キャスティング協会)主催のArtios賞において21回ノミネート、4回の受賞歴を誇る実力者である。
4人はそれぞれの視点から映画における女性の描かれ方や業界における構造的課題、そして今後の変革について語る。なお、本トークの模様は後日ケリングのYouTubeにて視聴が可能だ。映画が映し出すものと、その背後にある声や手の存在に目を向けるこの取り組みが、映画業界の未来を見つめ直すきっかけとなってほしい。