10月16日からNetflixで配信がスタートする「匿名の恋人たち」。本作で主演を務めるのは、ラブストーリーへの出演が13年ぶりとなる小栗旬さんと、韓国のトップ女優でありネイティブレベルの日本語を話すハン・ヒョジュさん。小栗さん演じる、潔癖症のため人と触れ合えない藤原壮亮。ハン・ヒョジュさん演じる、視線恐怖症のため人の目を見られないイ・ハナ。それぞれに事情を抱えた2人が運命的に出会い、不器用な大人の恋が始まった――。
本作への出演を決めた理由と撮影の舞台裏について語ってもらった前編『小栗旬が明かす、ドラマ「匿名の恋人たち」のヒロインがハン・ヒョジュさんに決まった瞬間』に続き、インタビュー後編では、今回の役作りについて、そして2人にもあるというコンプレックスについて聞いた。
 『匿名の恋人たち』で初共演した小栗旬さん(後ろ)と韓国トップ女優のハン・ヒョジュさん。撮影/大坪尚人
『匿名の恋人たち』で初共演した小栗旬さん(後ろ)と韓国トップ女優のハン・ヒョジュさん。撮影/大坪尚人「壮亮の潔癖症」の表現の難しさ
――子どもの頃のある出来事が原因で潔癖症を発症し、人と触れ合うことができない壮亮。視線恐怖症で人の目を見られず、自分の殻に閉じこもりがちなハナ。日常生活に影響が出るレベルのコンプレックスやトラウマを抱える役柄は、繊細で難しい点も多かったと思います。小栗さんとヒョジュさんはどのように向き合ったのでしょうか?
小栗旬さん(以下、小栗):壮亮の潔癖症は、何がOKで何がNGか彼の中に独自のルールがあります。そうじゃないと何も触れられなくなって、話が前に進まなくなってしまう。そのへんを無理なく成立させるのが難しかったです。現場で「そうか、これをOKにしないと先に進まないんだな」と考えながら動かなくちゃいけない場面が結構ありました。温泉に入るシーンがあったんですが、そもそも「壮亮は入れるんだろうか?」とか(笑)。
――確かに不特定多数の人が入る温泉は、壮亮にとってハードルが高そうですね。
小栗:そうですね。でも、かといってあまりに突き詰めすぎると「このシーンもあのシーンも撮れない」となり、物語としても絵としても難しいことになってしまいます。でも、壮亮の生きにくさは表現したい。そんななかで僕がやり続けたのは、常に除菌スプレーで手を除菌すること。そうしないと「物に触れられない」、それだけは続けました。出来上がったものを見たときは、しつこくやって良かったなと思いましたね。
ハン・ヒョジュさん(以下、ヒョジュ):私は壮亮の「僕は人を汚いとは思っていない。自分が汚いんだ」というセリフで、壮亮に関するさまざまなことが納得できました。壮亮は潔癖症なんだけど、相手のことを汚いと思っているわけじゃなく、自分自身を汚いと思っているんですよね。セリフにもあったけど、それを旬オッパ(韓国語で「お兄さん」の意味で、小栗さんのこと)が上手に行動で表現していたから見ていてすごく伝わったし、自然に心に入ってきて、「さすがプロだ!」と思いました。
小栗:そうだね。壮亮は自分を汚いと思っているから、常に自分自身を消毒してキレイにしておきたい。そこが一般的な潔癖症とは違うところだよね。
 潔癖症で人に触れることができないのに、ハナだけにはなぜか触れることができる壮亮。画像提供/Netflixシリーズ「匿名の恋人たち」
潔癖症で人に触れることができないのに、ハナだけにはなぜか触れることができる壮亮。画像提供/Netflixシリーズ「匿名の恋人たち」
 
									 
					