グローバルボーイズグループINI。中国出身で、唯一の外国籍メンバーである許豊凡さんは、中国語、日本語、英語、韓国語を操るマルチリンガル。慶應義塾大学への進学を機に、日本で暮らすようになりました。とにかく受験ばかりだったという10代や、語学学習について話を聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids2025年夏号」(朝日新聞出版)からお届けします。
【写真】シュウ・フェンファンさんのアザーカットはこちら(全8枚)
オンとオフをはっきりさせ勉強に励んだ10代
幼いころの僕は、好きなことや得意なことがあまりない子どもでした。教育熱心な両親のもとに育ち、中学受験、高校受験、大学受験と、10代はずっと受験のために勉強をしていた記憶があります。
小学1年生のころから、土日は塾に通っていました。小6になってからは中学受験のための塾にも通い、勉強に励んでいました。
ただ、両親は遊ぶときはしっかりと遊ばせてくれた思い出があります。金曜日の夜はオンラインゲームを好きなだけできたし、「受験が近いから、旅行に行かない」という考えはなく、毎年旅行にも連れていってくれました。夏休みも最初の2週間は好きなことをしていいなど、メリハリのある生活を送っていましたね。
勉強は楽しいばかりではありませんでしたが、受験して進んだ先には新しい可能性があることは子どもなりにわかっていました。僕は都会で育ったわけではないので、「地元を出て可能性を広げる」という意味でも、中学受験は人生の一大イベントだったと思います。
いまの僕にどれだけ直接的な影響があるかはわかりませんが、コメンテーターの仕事を頂くようになり、考え方だったり、物ごとの捉え方だったりは、幼いころにまいた種が少しずつ芽を出しているような気もしています。
英語を磨き続け慶應義塾大学を受験
中国の公立小学校では、小3から英語が必修科目です。僕は小5から学校とは別に英語教室にも通い、プラスαで学んでいました。そのため、英語の成績は他の子よりは良かったので、やりがいを感じていました。受験して進んだ中学は海外留学も視野に入れられる国際系の学校。毎日英語の朗読課題があり、英語のオリジナルテキストも複数用意され、外国籍の教師もたくさんいました。
次のページへ大学進学と同時に日本へ
著者 開く閉じる