1000件以上にもおよぶ超常現象と対峙してきた実在の心霊研究家エド&ロレイン・ウォーレン夫妻の体験をもとにした「死霊館」ユニバース。その最新作にして最終章となる『死霊館 最後の儀式』が、いよいよ10月17日(金)に日本上陸を果たす。
それに先駆けてMOVIE WALKER PRESSでは、これまでのシリーズ作をまったく観ていないという“死霊館ビギナー”を中心にした試写会を開催し、上映後にアンケートを実施。ひと足先に公開を迎えた北米では、第1作の公開以来12年間シリーズを追いかけてきたファンを熱狂させ、シリーズ最大のヒットを記録している本作だが、予備知識ゼロで観て楽しめる作品なのだろうか?本稿では、アンケートに寄せられたコメントをピックアップしながら、いきなり最終章に挑んだ“死霊館ビギナー”たちの生の声をお届けしていこう!
■“死霊館ビギナー”の先入観を吹き飛ばし、会場は阿鼻叫喚!「死霊館」ユニバースの最新作にして最終章となる『死霊館 最後の儀式』 / [c]2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
「アミティヴィル事件」や「アナベル事件」「エンフィールドのポルターガイスト事件」など、オカルトファンなら一度は耳にしたことがある有名な事件を、実際に調査してきたウォーレン夫妻。彼らが経験した数々の逸話を、エンタメ性の高いホラーやスリラー映画を得意とするジェームズ・ワン(第1作、第2作のみ監督、以後プロデュース)のもとで映画化したのが「死霊館」シリーズだ。
このウォーレン夫妻を中心にしたメインシリーズに加え、第1作の冒頭シーンから登場しシリーズのアイコン的存在とも言える“アナベル人形”の恐怖に迫る「アナベル」シリーズ、第2作に登場した悪魔のシスター“ヴァラク”の起源をたどる「死霊館のシスター」シリーズという2つのスピンオフシリーズも製作され、“「死霊館」ユニバース”を形成。累計全世界興収3,000億円を突破する、ホラー映画史上類を見ないヒットシリーズとして支持を集めてきた。そして最終章となる本作は、全世界で公開され『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(17)を超える、ホラー映画史上No.1の特大ヒットとなった。
ホラーファン以外からのピュアな反応も集まった / [c]2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
そんな世界的ホラーシリーズだが、今回集まってくれた観客たちはシリーズ未見の“死霊館ビギナー”ばかり。ホラー映画を「よく観る」という人もいるが、なかには「小さいころに観ていまだにトラウマだから」(30代・女性)という理由で「まったく観ない」という人も。
それでも大多数が「死霊館」シリーズを気になってはいたようで、「すべての作品を観ていないと楽しめないのかという不安があった」(20代・男性)とシリーズもの特有の理由で手を伸ばせずにいた人もいれば、「『エクソシスト』みたいな感じ」(20代・女性)、「あまり怖くないのかなと思っていた」(40代・女性)といった先入観を持つ人も見受けられた。
しかし、上映後のアンケートで率直な感想を訊ねてみると、「思っていた以上におもしろく、夢中になった」(30代・女性)や「ゾクゾクが止まらない」(20代・男性)、「これが本当の実話なのが、クオリティがすごい」(20代・女性)と、大満足の声が多数寄せられる結果に。
今回の「死霊館」はマジで怖い…? / [c]2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
「目をつぶってしまうくらいこわい。半分くらいつぶってたかもしれない…」(40代・女性)
「何度か悲鳴をあげてしまった」(40代・女性)
「どれも超がつくくらい怖かった」(20代・男性)
「地下室や屋根裏に行けない」(20代・女性)
「怖すぎて逆にニヤけてしまうくらい怖かった」(20代・女性)
「ホラーシーン怖すぎて心臓イタイ!」(30代・女性)
本作の“怖さ”を100点満点で採点してもらったところ、満点をつける人が続出!そして特筆すべきは、男女別に分けてみると女性よりも男性のほうがより恐怖度が高く寄せられていたということ。いったい観客を恐れ慄かせたのはどんなシーンだったのか?ネタバレにならない程度にその具体を紹介してこう。
■鏡に囲まれた試着室、次々現れる死霊…「怖すぎてムリ」若かりしころのウォーレン夫妻の物語も展開 / [c]2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
1980年代後半に起きた「スマール家事件」を題材にした本作。物語のはじまりは、ウォーレン夫妻が心霊研究家として活動を始めて間もない1964年。奇怪な現象の調査のため、ある骨董品店を訪れたエド(パトリック・ウィルソン)と妊娠中のロレイン(ヴェラ・ファーミガ)は、不気味な“呪いの鏡”と遭遇する。それから22年の月日が流れ、夫妻の娘ジュディ(ミア・トムリンソン)は元警官のトニー(ベン・ハーディ)と婚約。ウォーレン夫妻はエドの持病の悪化から、引退を考えていた。
同じころ、ペンシルヴァニア州で暮らす信心深いスマール家の家族を不可解な現象が襲う。マスコミなどでも取り上げられ、世間を騒然とさせるなか、ウォーレン夫妻のもとにその調査依頼が舞い込んでくる。はじめは依頼を断る夫妻だったが、ある事件をきっかけにスマール家へと向かう。そこで夫妻を待ち受けていたのは、めぐりめぐってこの家にやってきた“呪いの鏡”だった。そして邪悪な悪魔の矛先は、ジュディへと向けられていく。
【写真を見る】閲覧注意な場面写真に戦慄…人形を抱えて満面の笑みを浮かべる白髪の老婆の姿が / [c]2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
「どれも怖かった…とにかく怖かった」(40代・女性)という声もあがるなか、特に多くの観客が「最も怖かったシーン」に選んでいたのは、映画の中盤、トニーとの結婚に向けてウェディングドレスの試着に訪れたジュディに悪魔が迫るシーン。予告映像にも登場する不気味な合わせ鏡と、そこに映る無数のジュディの姿。本作のキーアイテムである“鏡”が巧みに活かされた、「死霊館」らしい秀逸な恐怖シーンとなっている。
「ホラー展開が終わったと思ったら、もう一段階仕掛けが施されていた」(20代・男性)
「鏡が出るとなにかが起こるのでハラハラした」(30代・男性)
「鏡に取り囲まれるのはとても怖い」(40代・女性)
また、スマール家を襲う怪奇現象の数々についても「出てきた霊たちが怖すぎる」(20代・男性)や「想像や予想を超える登場だった」(40代・女性)、「悪魔がいつ現れるかわからない」(20代・女性)、「即物的な怖さより、家族が巻き込まれるのが恐ろしい」(30代・男性)といった声が続出。「今夜寝られなくなりそう」(30代・男性)と感じてしまうほどの恐怖描写の連続は、実際にその目で確かめてほしい。
身構えていても予測できない恐怖の連続! / [c]2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
さらに「ジャンプスケアがところどころにあり、緩急によって恐怖度が上がった」(20代・男性)という声や、「音もリアル」(20代・女性)、「予測できない超常現象と、悪魔の動きや音が怖かった」(無回答・女性)など、視覚的な面と“音”の両方でじわじわと恐怖を植え付ける演出を評価する声も。通常のフォーマットとあわせて上映が決定しているIMAXや4D、SCREENX、Dolby Cinemaといった没入感の高いラージフォーマットで鑑賞すれば、さらに恐怖が倍増すること間違いなしだ。
こうした情け容赦のない恐怖の連続に、“死霊館ビギナー”たちもすっかり大満足。「とてもおもしろかったので、いままで観ていなかったのがもったいない思った」(40代・女性)というコメントをはじめ、本作のクオリティの高さに魅了された観客からは、過去のシリーズ作を遡って観たいという声も。
「怖すぎなのですが、最初のシリーズから観てみたくなりました」(40代・女性)
「ウォーレン夫妻がほかにどんな事件に関わったのか知りたい」(20代・男性)
「家にある呪物のことを詳しく知りたくなった」(20代・男性)
「いままでのストーリーやアナベルについて詳しく知りたいと思った」(20代・男性)
「ウォーレン夫妻がほかにどんな悪魔を倒してきたか気になる」(20代・男性)
この部屋からなにかの気配を感じるが… / [c]2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
その一方で、「怖いもの見たさで全シリーズ気になりますが、観られる自信はないです…」(20代・男性)や、「怖すぎてムリ…」(40代・女性)、「こういう系は観た後に家で同じようなことが起こるのではないかと思い怖くなる…」(40代・女性)といった弱気な声もちらほら。
■恋人トニーに観客がほっこり!?思わず感動してしまうドラマパート
恐怖描写もさることながら、ウォーレン夫妻の伝記映画としての側面もある「死霊館」シリーズは、そのドラマ性の高さも魅力のひとつ。ウォーレン夫妻の夫婦愛の物語や、心霊現象に襲われる家族たちの絆。日本人にはあまり馴染み深いものではないキリスト教的な価値観も、普遍的なドラマに落とし込まれることで、より身近なものに感じることだろう。
“実話”がもとになっている「死霊館」シリーズ / [c]2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
特に本作では、一人娘であるジュディの誕生から結婚というビッグイベントまで、その成長の物語が重要なカギとなっており、これまで以上に“家族愛”がフィーチャーされた作りになっている。「ただ怖いだけでなく、家族愛が多いのがとてもステキ」(30代・女性)という感想をはじめ、ホラーとヒューマンドラマの両立に心打たれた観客からのあたたかい言葉が目立つ結果に。
「家族愛がホラーと共存していて良かった」(20代・男性)
「怖いなかでも家族の力など意味する場面があり、ホラーでもストーリーに意味があるなだなと思いました」(20代・男性)
「ホラーであるものの、人物の描き方が良く、共感できた」(40代・男性)
「主人公夫妻がどちらもステキ。とくに奥様」(40代・女性)
ジュディのためなら、悪霊相手にも奮闘!恋人のトニーに共感の声が / [c]2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
なかでも観客の多くをほっこりさせたのは、本作でウォーレン家の一員になろうと奮闘するジュディの恋人トニー。彼がジュディへのプロポーズを決心し、ウォーレン夫妻に承諾してもらおうと話をするガレージでの一幕は、これがホラー映画であることを忘れさせるほど穏やかな空気が流れる名シーンだ。
「全体で一番幸せオーラが出ていた」(20代・男性)
「失敗してても成功してるってところがおもしろくて感動した」(20代・男性)
「最近見た映画の中で一番いいなと感じた」(20代・男性)
「娘の彼の人柄がとてもステキでした」(20代・女性)
「夫婦愛、親子愛、人を愛する気持ちの強さを感じられて良かった」(40代・女性)
■“死霊館ビギナー”もファンも見逃せない壮大なフィナーレ!
クライマックスには、トニーを含めたウォーレン家の絆が試される、悪魔との最後の戦いが待ち受けている。それには「家族の絆が強く感じられた」(30代・女性)や「物語を通して家族としての絆が結ばれたと思った」(20代・男性)、「逃げずに協力して、信頼して乗り越えるシーンが良かった」(40代・男性)という声が寄せられていた。
本作を観たせいで屋根裏にいけなくなったとの声も… / [c]2025 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
さらに「うるっとした。未確定ではあるが明るい未来を見ることができた」(20代・男性)というコメントにもあるように、本作で初めて「死霊館」に触れた観客たちも魅了する終盤の展開。過去作に登場したキャストの再登場もあるので、シリーズ作を全部観てからもう一度本作を観ると、さらに感動が深まり、ホラー映画ではなかなか味わえない多幸感に包まれることだろう。もちろん、これまで「死霊館」ユニバースを追い続けてきたファンにとっても格別なひと時となることも断言できる。
そして、「シリーズだけれども、独立しておもしろく、またとても怖い」(20代・女性)
「初見でも上質なホラーを味わえる」(30代・女性)
「シリーズ未鑑賞、ホラー苦手でも楽しめる!」(20代・男性)
といったコメントと共に寄せられていたのは、「これが最後は悲しい!でもめっちゃおもしろ怖かったです」(20代・男性)、「本当に最後なんですか?」(20代・女性)という名残惜しむ声の数々。
冒頭でも述べたように、本作は「死霊館」ユニバースの完結編。しかし先日、本作の北米での大ヒットを受けてさらなる前日譚の構想が練られているというウワサも…。まだ実現の可能性は定かではないが、ふたたびウォーレン夫妻&ジュディ、トニー、そしてアナベル人形と再会できることに期待しながら、まずはこの壮大なフィナーレを大スクリーンで見届けよう!
文/久保田 和馬