次々と誕生する新たなアイコンが時代のムードを作るファッション界で、今で知っておきたい15人をELLEがピックアップしてご紹介。映画やドラマで話題をさらう俳優から、音楽界で才能を発揮するアーティスト、ストリートで個性を放つインフルエンサーまで――彼女たちのスタイルがなぜ今響くのか、その魅力を徹底解剖!

グレタ・リー(Greta Lee)30th annual screen actors guild awards arrivals

Gilbert Flores//Getty Images

韓国系アメリカ人として生まれたグレタは、ブロードウェイでキャリアをスタートさせたのち、ドラマ『Girls/ガールズ』や『ロシアン・ドール: 謎のタイムループ』への出演で注目を集める存在に。2023年に公開された映画『パスト ライブス/再会』での演技は世界的に絶賛され、インディペンデント・スピリット賞やゴールデングローブ賞のノミネートに輝いた。無二の感性と堂々とした存在感を兼ね備えた彼女は、いまやハリウッドを代表する実力派俳優のひとり。

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グレタのファッションを語る上で欠かせないのが、デザイナーのジョナサン・アンダーソンとの関係。長らくジョナサンが手掛ける「ロエベ」を愛用してきたが、彼の「ディオール」への移籍に合わせてグレタも「ディオール」のアイコン的存在に。グレタはセンシュアルでありながらも知的なムードを漂わせるスタイリングを得意とし、洗練されたミニマルなラインに遊び心のあるディテールを効かせるのが持ち味。

ヴェネツィア国際映画祭では、ジョナサンが手がけた「ディオール」の深いグリーンのドレスで登場し、その大胆なカッティングとボリュームリボンが大きな話題となった。他にも、白シャツとハイウエストパンツというシンプルな組み合わせや、メットガラで見せた幻想的で繊細なフラワーレースのドレスなど、どんな装いでも力の抜けたエレガントなたたずまいは今のモードを体現する存在。

ハンター・シェイファー(Hunter Schafer)a person elegantly posed against a decorative background wearing a stylish strapless dress

IG @hunterschafer

HBOドラマ『ユーフォリア/Euphoria』でジュールズ役を演じ、世界的に注目される俳優となったハンター。トランスジェンダー女性としてのアイデンティティを公にして活動する、LGBTQ+コミュニティーのロールモデルとして、多様性を体現している点も彼女の大きな魅力のひとつ。また、「プラダ」や「ジバンシィ」といったハイブランドのキャンペーンモデルを務め、ランウェイにも登場するなど、ファッション界からの信頼も厚い。

hunterschafer

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アーティスティックで前衛的なスタイルを得意とするハンター。なかでも話題をさらったのが、アカデミー賞のアフターパーティーで披露した「アン ドゥムルメステール」のルック。ブラ部分を羽でかたどったトップは、ミニマルで幻想的だとSNSで大バズり。今でも彼女の最もアイコニックなルックとして引用されている。

「メゾン マルジェラ」のオフショルニットにフリンジが揺れるスカートを合わせたり、カンヌ国際映画祭では「プラダ」のホワイトドレスにヘッドスカーフを添えてレトロシックなムードをまとったり、その新鮮な着こなしはファンを飽きさせない。

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ドーチ(Doechii)person dressed in a sporty outfit holding scissors

IG @doechii

独特のフロウとパフォーマンス力で注目を集め、2020年にリリースした楽曲「Yucky Blucky Fruitcake」で一躍スターダムへ。その後も型破りなスタイルと存在感でシーンを席巻し、いまやヒップホップ界を代表する新星のひとりで、2025年グラミー賞では4部門にノミネートされた。

ドーチ

IG @sam__woolf

“Swamp Princess”の異名を持つドゥーチは、最近スタイリストをサム・ウルフに変えてから、一層洗練度がアップ。お気に入りブランドは「ミュウミュウ」と「トム ブラウン」で、プレッピーな要素を大胆に取り入れつつ、ステージでは「クリストファー・ジョン・ロジャース」や「ルアー」などのNYブランドも自在に着こなしている。

「ミュウミュウ」のセットアップにバングルを大げさに重ねたり、「トム ブラウン」のプレッピーなクロップトシャツにミニスカートを合わせたり、定番を自分流にツイストするのがドーチ流。アーティストだけでなく、ファッションアイコンとしても急成長中の目が離せない存在!

エラ・エムホフ(Ella Emhoff)ellaemhoff

IG @ellaemhoff

前アメリカ副大統領カマラ・ハリスの継娘として知られるエラ。2021年の大統領就任式で「ミュウミュウ」のコートをまとい、一夜にして“次世代イットガール”として注目を浴びた。現在はモデルやアーティストとしての活動と並行して、自身のニットブランドも展開。独特の感性とインディペンデントなムードで、ファッション界でも一目置かれる存在。

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自由なスタイルを得意とするエラは、クラフト感あふれるニットや遊び心あるディテールを多用。その一方で、クラシカルなドレスやテーラードアイテムも、彼女が着こなすと途端にモードに一変。

CFDAアワードでは立体感あるニットトップスとチェックのスカートを合わせ、アーティスティックな個性を際立たせた。ファッションウィークでは、「トム ブラウン」のチェック柄セットアップをジェンダーレスに着こなし、ブランドの持つシニカルな世界観を体現。オフの日にはバンダナやビッグシルエットのデニムを取り入れた、気取らないスタイルを披露している。

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ライアン・デスティニー(Ryan Destiny)fashionable outfit showcasing a stylish blazer and tie

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10代の頃からガールズグループ、ラブ・ドールハウスのメンバーとして活動し、音楽シーンで注目を集めたライアン。俳優としてはドラマ『STAR 夢の代償』でブレイクを果たし、その後は「グロウニッシュ」や映画『The Fire Inside(原題)』などに出演。歌手としての才能と演技力を兼ね備え、マルチな活躍を見せている。

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これまではシンプルなドレススタイルが多かったライアン。スタイリストをゼンデイヤをファッションアイコンに育てたロー・ローチに変えてからは、一気にモード感がアップ! 彫刻的なフォルムのドレスや、大胆なカットアウトを取り入れたルックなど、新たなスタイルにも次々と挑戦し、ますます存在感を強めている。

スタイリストの手腕でライアンのポジションは確実にステップアップ。かれんなミニドレスから構築的なオートクチュールまで、進化を続けるライアン。ローとタッグを組んだ今、レッドカーペットで最も次の一手が楽しみな存在!

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エマ・コリン(Emma Corrin)miu miu women's tales photocall the 81st venice international film festival

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『ザ・クラウン』で若き日のダイアナ妃を演じ、一躍その名を世界に広めたエマ。繊細さと強さを併せ持つ演技が高く評価され、その後もNetflixの『ブラック・ミラー』やマーベル作品『デッドプール&ウルヴァリン』など、ジャンルを問わず活躍の場を広げている。ノンバイナリーであることを公言。

emma corin

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ステレオタイプに縛られない自由なファッションとヘアスタイルでも多くの支持を集めているエマ。ファッション界からの信頼も厚く、「ミュウミュウ」のキャンペーンモデルを務めるだけでなく、ランウェイに登場したことも。2023年のヴェネチア国際映画祭では、バズカットに大胆なノーパンツルックで現れ、周囲の注目をひとりじめ。

彼女のスタイルは、繊細なレースやフリルをあしらったガーリーなルックから、シャープなパンツスーツやジェンダーレスなセットアップまで幅広い。「ミュウミュウ」のミニスカート×シャツルックではプレッピーを大胆にアレンジしたり、ドラマ『ブラック・ミラー』のイベントでは、モノトーンに大ぶりのリボンを効かせたり、端正さと遊び心を絶妙にミックス。

マイキー・マディソン(Mikey Madison)97th annual oscars arrivals

Arturo Holmes//Getty Images

クエンティン・タランティーノ監督作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の印象的な役柄で注目を浴び、その後『スクリーム』リブート版やドラマ『ベター・シングス』に出演。2025年には『ANORA アノーラ』で主演を務め、BAFTAとアカデミー賞で主演女優賞を受賞するなど、急速に勢いを増している若手俳優のひとり。

series of fashion moments featuring mikey madison

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ファッションでも頭角を現すマイキー。レッドカーペットではクラシックなドレスルックを得意とし、SAGアワードでは「ルイ・ヴィトン」のシルバーグレーの光沢ドレスをまとい、エレガントなたたずまいで会場を魅了した。一方で、オフの場面ではまったく異なる表情を見せる。シティルックではオーバーサイズジャケットにワイドパンツを合わせ、シックでモードな雰囲気を披露。さらに話題を呼んだのは、全身「ロエベ」で犬の散歩に出掛けたオフスタイル! 「こんなにおしゃれなドッグウォークは見たことない」とSNSをにぎわせた。

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イスルト(Yseult)yseult at the 2024 cfda fashion awards held at the american museum of natural history on october 28, 2024 in new york, new york. (photo by lexie moreland/wwd via getty images)

Lexie Moreland//Getty Images

フランスのシンガー、イスルトは、圧倒的な歌唱力と唯一無二の存在感でフレンチ・ポップの枠を超えて注目を集める存在。ボディポジティブを体現するアイコンとしても知られ、音楽だけでなくファッションにおいても強いメッセージを発信している。

イースルト

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ファッションアイコンとしても注目されるイスルト。カンヌ国際映画祭のレッドカーペットでは、「ディオール」のバージャケットに大きく傾けたハットを合わせ、まるで往年のハリウッドスターを思わせるいでたちで会場の視線をくぎづけに。さらにパリ五輪閉会式でも「ディオール」をまとって歌唱を披露し、フランスを代表するアーティストとしての地位を確立した。

日常やショー会場では「バレンシアガ」をはじめとするモードブランドを愛用し、迫力あるオールブラックルックも披露。自らの体を知り尽くしたかのようにシルエットを操り、どんな装いも力強く自分のものにしてしまう。

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ガブリエット(Gabbriette)person wearing a black sleeveless top holding a small clutch bag

IG @gabbriette

チャーリー・XCXのアルバム『BRAT』にインスパイアされたミュージックビデオ「360」に出演し、歌詞にもその名前が登場するなど、今のカルチャーを象徴する存在として一躍注目を浴びたガブリエット。本名はガブリエラ・リー・ベクテル。モデルとしてIMGに所属し、『ハーパースバザー』などの表紙を飾るほか、「ボッテガ・ヴェネタ」や「ディーゼル」、「ディースクエアード」などのランウェイも歩いた。プライベートでは、2023年からイギリスのロックバンド、The 1975のマティ・ヒーリーと婚約中♡

gabbriette

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ファッションでは、レザーやコルセットを駆使したゴシックかつセンシュアルなスタイルが彼女の定番。極細のマイクロブロウやダークなアイメイク、ボディラインを強調するルックで“クールでセクシーなゴス・ガール”として人気を確立。カジュアルなローライズパンツ姿から、レッドカーペットでのレザードレスまで、すべてを自分の美学に落とし込み、唯一無二のスタイルを築き上げている。

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デイジー・エドガー=ジョーンズ(Daisy Edgar-Jones)woman wearing a white lace outfit with pearl accessories

IG @daisyedgarjones

“次世代のアン・ハサウェイ”とも称されるデイジー。ドラマ『ふつうの人々』で一躍ブレイクし、映画『ザリガニの鳴くところ』では主演として繊細で芯のある演技が高評価を獲得。2024年は『ツイスターズ』への出演で知名度をさらに拡大し、スクリーンのみならずファッション面でも注目を集めている。

daisy edgar jones

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デイジーがファッション界で一目置かれる存在になったきっかけは、2024年8月、『ツイスターズ』のプロモツアーを機に、人気スタイリストのダニ・ミシェルとタッグを組んだこと。この時に披露したボーホーシックなルックは大きな話題を呼び、イットガールに仲間入り。

デイジーの特にお気に入りブランドとして知られるのが「クロエ」。軽やかなシアードレスやフェミニンなミニドレスなど、「クロエ」らしいロマンティックで自然体なスタイルを自身のヘルシーな雰囲気と掛け合わせ、洗練されたムードへと昇華している。

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アイオウ・エディバリー(Ayo Edebiri)a person wearing a stylish black dress posing in an elevator

IG @daniellegoldberg

コメディアンとしてキャリアをスタートし、脚本家としても活動。2022年に始まったドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』で野心的な若手シェフ、シドニー・アダムを演じ一躍ブレイク。2024年のエミー賞では作品が最多10冠を獲得し、名実ともにハリウッドの新星となった。主演映画『ボトムス〜最底で最強?な私たち〜』でも批評家から高い評価を得ている。

fashion collage featuring stylish outfits

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グレタ・リー、ゾーイ・クラヴィッツ、シアーシャ・ローナンといった旬の俳優を多く担当する売れっ子スタイリスト、ダニエル・ゴールドバーグとタッグを組み、「ロエベ」や「ボッテガ・ヴェネタ」といったアーティスティックなブランドを着用。自身のキャラクターを反映したスタイルを披露している。

2025年のヴェネチア国際映画祭でまとった「シャネル」の白のカスタムスーツや、「ロエベ」のグレーのスーツ、フラワープリントのドレスなど、マスキュリンとフェミニンを自在に行き来し遊び心を表現。2025年10月、マチュー・ブレイジーによる初の「シャネル」のコレクションが発表された直後に、ブランドの新アンバサダーに就任したことが発表されたアイオウ。メゾンの顔としてどんな活躍を見せてくれるかにも期待!

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マイハラ(Myha’la)woman posing in a boat wearing a black dress and holding a clutch

IG @mmyhala

ドラマ『インダストリー』で一躍注目を集めた新世代の俳優。舞台からキャリアをスタートし、テレビや映画へと活動の幅を広げている。まだ日本での知名度は高くないものの、欧米では『インダストリー』をきっかけに認知度を大きく伸ばし、次世代を担う存在として期待される新星。

myha’la

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“ミュウミュウ・ガール”としてファッション界からも熱い視線を浴びるマイハラ。ここ一年のパブリックな場ではほぼ「ミュウミュウ」を着用し、キャンペーンにも繰り返し登場している。ヴェネツィア国際映画祭のレッドカーペットでは、繊細なフラワー刺しゅうがちりばめられたヌードカラーのカスタムドレスをチョイス。フォトコールでは一転、グレーのチューブトップにベージュスカート、スクエアフレームのめがねを合わせた“ライブラリアン・スタイル”を披露。

メットガラでは「ルアール」と「ティンバーランド」によるカスタムルックでカーペットに登場。構築的なシルエットとアーマーを思わせるルックで視線を一身に集め、大きな反響を呼んだ。

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ナラ・キム(Nara Kim)individual wearing casual attire and holding a black handbag

IG @naras._

ソウルを拠点に、インフルエンサー、スタイリスト、ヴィジュアルアーティスト、タトゥーアーティストと幅広く活動する注目クリエイター。クィアであることを公言しており、ジェンダーレスで自由な発想を軸にした、スポーツとモードを自在に行き来するスタイリングが得意。2025年には「ブリティッシュ・ファッション・アワード」で、“世界を刺激する革新的な若手クリエイター50人”にノミネートされ、次世代を担う存在としてますます注目を浴びている。

naras._

IG @naras._

ナラのスタイルは、一言でいえば実験的で遊び心あふれるストリート。ヴィンテージのようなテクスチャーや大胆なアクセサリー使い、そして意外性のあるレイヤードが持ち味。ときにはボリュームたっぷりのワイドパンツにミニマルなトップを合わせ、またある時はスポーティーなバイカーパンツやビッグバッグを主役に。チェーンやシルバーアクセサリー、サングラスなど小物使いもまねしたくなるスタイリングTIPSが満載。彼女のインスタグラムをのぞけば、ファッションはもっと自由でいいと気づかされるはず!

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イリーナ・クロ・アイケ(Irina Kro Eicke)street style september 2025 new york fashion week

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ここ数シーズンのストリートスナップで頭角を現しているのがドイツ出身のインフルエンサー、ソーシャライトのイリーナ。現在はニューヨークやハンプトンズ、バリを拠点にグローバルに活動。インテリアデザイナーである夫、マキシミリアン・アイケのブランドのクリエイティブチームにも携わり、アートとファッションを融合させた独自の立ち位置を築いている。

irina kro eicke

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ジェットセッターライフを反映した洗練されたスタイルは、色彩使いが印象的。大胆なカラーブロッキングから繊細なトーン・オン・トーンまで、配色の妙を生かしたコーディネートでストリートスナップの常連に。ネオングリーンのベストを軸にした都会的なルックや、ストライプのスカートとボーダーセーターを組み合わせた遊び心のあるスタイリングなど、シックとポップのバランスを自在に操る。短めのウェーブヘアとオーバーサイズのサングラスがトレードマーク。

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サブリナ・バフスーン(Sabrina Bahsoon)a fashionable figure dressed in elegant attire poses against a mirrored backdrop

IG @sabrinabahsoon

通称“Tube Girl”として人気を誇るマレーシア出身のサブリナは、ロンドンの地下鉄で自撮りをする姿がTikTokでバズり、瞬く間に世界中で注目を集めるように。人目を気にせず堂々と自己表現するスタイルはZ世代の支持を集め、時代を象徴するカルチャーアイコンに。その人気はSNSを飛び出し、シアラやカミラ・カベロとコラボもするほど。ファッションショーやブランドキャンペーンにも登場し、SNS発のインフルエンサーから次世代のファッションミューズへと確実にステップアップを遂げている。

sabrinabahsoon

IG @sabrinabahsoon

サブリナのスタイルは、Y2Kのポップさとロンドンらしいストリート感が絶妙にミックスされたもの。ローライズデニムにビスチェトップを合わせたヘルシーな肌見せや、マイクロスカートをブーツと合わせたバランス感覚は彼女ならでは。フレッシュな配色や大胆なアクセサリーをふんだんに取り入れ、シンプルなアイテムでも若々しいエネルギーたっぷり!

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