ビューティ賢者が最新の業界ニュースを斬る

ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、ヒットを生み出すプロモーションの話。(この記事は「WWDJAPAN」2025年10月13日号からの抜粋です)

PROFILE: 弓気田みずほ/ユジェット代表・美容コーディネーター弓気田みずほ/ユジェット代表・美容コーディネーター

PROFILE: (ゆげた・みずほ)伊勢丹新宿本店化粧品バイヤーを経て独立。化粧品ブランドのショップ運営やプロモーション、顧客育成などのコンサルティング、企業セミナーや講演を行う。メディアでは化粧品選びの指南役として幅広く活動中

【賢者が選んだ注目ニュース】

「WWDBEAUTYベストコスメ」は、全国の百貨店・セミセルフ、ドラッグ&バラエティーストア、ECにアンケート調査を実施して“本当に売れた”アイテムを14カテゴリーで選出している。25年上半期は36店舗の協力の下、1〜6月に発売したニュープロダクト(新商品)とこれまで発売された全商品を含むヒーロープロダクト(総合)に分け、ベスト3を表彰。本記事では、百貨店で1位を獲得した新商品について「コスメデコルテ」「アルビオン」「シセイドウ」など6つのブランドを取材し、奏功したプロモーションを明らかにした

ドラッグ&バラエティーストアで1位を獲得した新商品について、「オルビス」「アヌア」「フィー」など5つのブランドを取材し、奏功したプロモーションを明らかにした。同チャネルのベストセラーには、SNS発信によって話題を集めたケースが多い。各ブランドはデジタルで生活者の関心を高め、店頭での体験につなげた。店頭では什器やビジュアル演出などを工夫し、製品特徴を分かりやすく伝えることを重要視。世界観を体験できるイベントも有効だった。さらにブランドへの信頼感も、購買を後押しする要因として寄与した

「WWDBEAUTY」が発表した2025年上半期ベストコスメに選出された各チャネルの製品は、SNSやメディアでの話題性に加え、その情報を生活者に的確に届け、購買へと結びつける仕組みが効果的に機能したことがベストセラー化の要因といえる。

「知る→試す→納得して買う」の購買行動をスムーズに進めるために、来店動機や価格感度に応じて体験設計やコンテンツ発信を最適化できたブランドほど、成果を上げたと分析できる。

百貨店コスメはサンプル起点で関心を広げ
店頭体験で理解を深める

この続きを読むには…

残り1611⽂字, 画像0枚

この記事は、有料会員限定記事です。

紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

投稿ナビゲーション

Leave A Reply