掲載日
2025年10月12日
パリは今なお、ファッションの女王であり続けている。2026年春夏シーズンの4大ファッションウィーク(ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリ)を対象にOnclusiveが最近実施した分析によれば、パリとそのオートクチュール・メゾンはメディアとデジタルの両面で圧倒的な存在感を示し、他の都市は太刀打ちできていない。
トレンドではパリが他のファッション・ウィークを圧倒 – Onclusive
パリ・ファッションウィーク(PFW)は、SNS上(Xの投稿、コメント、ハッシュタグなど)で2,550万件の言及を記録し、ミラノ(500万件)、ニューヨーク(380万件)、ロンドン(270万件)を大きく引き離している。この傾向は、主要メディア(テレビ、ラジオ、紙媒体、デジタル)でも同様で、パリは4億630万件の言及を生み出し、ニューヨーク(3,881.5万件)、ミラノ(2,582.4万件)、ロンドン(1,979.2万件)を上回っている。
アジアの著名人とのパートナーシップが後押しするパリ
最も言及されたブランドのランキングも、パリの圧勝だ。クリスチャン・ディオールが35.04%で圧倒的首位、シャネルが11.40%で続く。全体では、トップ20のうちパリ拠点のブランドが10ブランドを占め、言及の73.17%に達している。ルイ・ヴィトン(8.73%)、ロエベ(6.96%)、ヴァレンティノ(4.68%)がトップ5を形成する。こうした優位は、オートクチュールの伝統的資産、アジアのセレブリティとの戦略的パートナーシップ、そしてパリの歴史的威信に裏打ちされている。
不十分なミラノ、存在感のないロンドン、ノスタルジックなニューヨーク – Onclusive
ロンドンに対する評価は厳しい。ソーシャルでの言及数トップ20に、ロンドン発のブランドはひとつも入っていない。英国を代表するバーバリーでさえ27位どまりだ。Onclusiveの調査は、K-POP系アンバサダーの決定的な不足と、伝統とモダンのあいだで揺れ、腰が定まらないと受け止められるポジショニングを指摘している。
「アメリカ支配の象徴的な終焉」
トップ20には6つの一流ブランド(グッチ8位、ボッテガ・ヴェネタ10位、マックスマーラ11位、BOSS15位、プラダ19位、フェラーリ20位)が名を連ねるものの、合算しても11.14%と、ディオール単独の数字の3分の1にとどまる。Onclusiveは、グッチの“ポスト・アレッサンドロ・ミケーレ期”、セレブリティ戦略の積極性低下、そしてプラダのエンゲージメント低下(0.84%。COSの0.86%を下回る)などを要因に挙げている。
最後に、ニューヨークのパフォーマンスは「グローバル・デジタル・ファッションにおけるアメリカ支配の象徴的な終焉」を示している。カルバン・クライン・コレクション(8位、2.76%)だけがトップ10入り。調査では、K-POP/アジア戦略の不在、オートクチュールに比べて熱狂を生みにくいスポーツウェア志向の歴史、そして影響力のある米国人デザイナーの欧州メゾンへの流出という3つの主要な弱点が指摘されている。