部屋の天地を逆さまにしたセット「異次元の世界」は、棚や電灯、壁の絵画などがすべて逆に取り付けられており、まさに異次元に迷い込んだかのような空間が広がっている。天井と化した床に張り付いているのは、一見少女のような“なにか”。日常の風景を非日常にする、大胆で精緻な技術を目の当たりにできる。
見た目より“軽い”美術セットも、実際に触れて体感
また、造形物に直接触れたり、持ち上げたり、作品を実際に触ることができるのも「ホラーにふれる展 -映画美術の世界-」の魅力。一見苔むした墓石や岩に見える展示は、撮影現場で運びやすいよう実は発砲スチロールで作られている。重厚な錆びた鉄でできたようなマンホールの蓋も、触れると驚くほどに軽い。
さらに、簡単にジャラジャラとした大きな音を鳴らせる鉄扉や、真っ二つに切り分けられた“ベニヤ板”の墓石など、スクリーン越しでは知ることのできない、映画美術の秘密も大公開。思う存分触って体験できる貴重な機会となる。
小さな仕掛けや演出も
大きなセットや仕掛けの他にも、会場内には不穏な張り紙や、ある場所を覗き込まなければ見つけられない幽霊など、小さな演出が盛りだくさん。セットの裏側に回ったり、人とは違う視点で見てみたり、こだわりの演出を探してみてほしい。
ホラー映画の裏側を記した「美術ノート」を公開
終盤には、同展の美術監督が手掛けた過去作品の裏側を解説した「美術ノート」も展示。見たり体験したりするだけでなく、映画の演出について詳しく学ぶことができる。恐怖演出に施された様々な工夫を知ることで、ホラー映画を観るときの楽しみが倍増しそうだ。
開催概要
「ホラーにふれる展 -映画美術の世界-」
開催期間:2025年10月11日(土)~11月9日(日)
営業時間:11:00~21:00
場所:東京ソラマチ 5階 スペース 634
住所:東京都墨田区押上1-1-2
■チケット詳細
入場料:大人 2,400円(前売 2,200円)、高校生以下 1,900円(前売 1,700円)
※3歳以下入場無料
※前売券は10月10日(金) 23:59までの販売
チケット販売:2025年9月12日(金) 12:00~
※ローソンチケット、セブンチケット、チケットぴあ、アソビュー
※開催期間中は会場でも購入可能(電子決済のみ対応)
©ホラーにふれる展実行委員会