誰もが経験したことのある恋のときめきと、人生の迷いさえもキラキラと輝くような青春のひとときを、美しい夏の日々とともに清々しく描いた韓国映画『君の声を聴かせて』(公開中)。本作より、本編映像が解禁された。
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2009年に制作され、その年の国内興行収入第1位を記録した台湾映画『聴説』。同作を14年の時を経て韓国でリメイクした『君の声を聴かせて』は昨年、釜山国際映画祭の「Korean Cinema Today」部門招待作品としてスペシャルプレミア上映され、一般公開を迎えた後も、観客動員数初登場第1位、公開月の興行成績1位を獲得するなど観客の熱い支持を集めた。
主人公ヨンジュンを演じるのは、「弱いヒーロー Class1」、「D.P.―脱走兵追跡官―」、「悪鬼」など、相次ぐ人気ドラマや映画などで唯一無二の存在感を見せてきた個性派俳優、ホン・ギョン。ヨンジュンが恋に落ちるもう1人の主人公ヨルム役には、「イルタ・スキャンダル ~恋は特訓コースで~」「私たちのブルース」などに出演し、抜群の透明感と高い演技力で注目を集めたノ・ユンソ。第61回百想芸術大賞で将来有望な候補がひしめき合うなか、本作で見事、映画部門新人演技賞を受賞した。ヨルムの妹ガウルには、日本でも人気を集めたガールズグループIZ*ONE出身キム・ミンジュが扮し、商業映画デビューを果たした。そんな現在の韓国で最も注目を集める3人の若手俳優たちが、淡くまぶしい恋物語を紡いでいく。
ノ・ユンソ演じるヨルムの顔からは期待がにじむ[c] 2024 KC Ventures Co.,Ltd & PLUS M ENTERTAINMENT & MOVIEROCK Inc., All Rights Reserved
映画が話題となったもう一つの大きな鍵は、通常のラブストーリーとは異なる方法で描かれるコミュニケーション。聴覚障がい者が登場する本作において、会話の大部分は手話によって繰り広げられ、口でしゃべるセリフは極端に減らしている。通じているのは「言葉」でなく「心」だと素直に感じ取れる繊細な物語が、単なるラブストーリーの枠には収まらない大きな感動と癒やしを与えてくれる。
今回解禁されたのは、3人で出かけることになったヨンジュン、ヨルム、ガウルの混雑するバスの車内での一コマ。ヨルムとガウルを別々の席に座らせ、それぞれに気を配るヨンジュン。ヨルムから「ガウルに“疲れてない?”って聞いて」と頼まれたヨンジュンは伝言係のように、それをガウルに伝える。ガウルの返事をヨルムに伝えると、今度はガウルから「“バイトに行かなくて大丈夫?”って聞いて」とヨルムへの伝言を頼まれる。それも熱心にヨルムに伝え、ヨルムと笑顔で顔を見合わせるヨンジュン。混雑するバスの車内でも意思疎通ができる手話ならではのワンシーンとなっており、お出かけという非日常にワクワクした気持ちがあふれる3人の表情にも注目だ。
フレッシュな3人が届ける爽やかな物語を、ぜひ大きなスクリーンで味わってほしい。
文/サンクレイオ翼