劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の公開をきっかけとして、声優・上田麗奈に大きな注目が集まっている。同作において上田は可憐でミステリアス、そして小悪魔的なレゼの声を見事に演じ切ってみせた。

 今回はその演技をもっと味わいたいと思った人のために、上田の魅力が発揮されたアニメ3作品を紹介していきたい。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』ギギ・アンダルシア

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リアルサウンド 映画部

 上田が演じる“魔性の女”をさらに深く味わいたいなら、劇場アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』のギギ・アンダルシアは外せないだろう。

 同作は地球連邦軍の英雄として知られるブライト・ノアの息子、ハサウェイを主人公とした物語。ハサウェイはとある事件のトラウマを抱えながらも反地球連邦政府運動「マフティー」のリーダーとしてテロリズムを画策するが、ギギという謎の美少女との出会いによって、波乱の運命に導かれていく。

 上田が演じるギギの声色には、異性を虜にする妖艶さ、品性のある教養、他人を挑発するような気の強さなどが入り混じっている。有無を言わさない誘惑によって人生のレールを外してくるというファム・ファタール的な危険性は、レゼにも通じるところがあるように感じられる。

 さらに今冬には、続編となる『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』の公開も控えているため、今のうちにチェックしておくことをオススメしたい。

『ハーモニー』御冷ミァハ

「ハーモニー」御冷ミァハ編

 上田が演じる“魔性の女”キャラの原点を辿るうえで欠かせないのが、2015年公開の劇場アニメ『ハーモニー』の御冷ミァハだ。同作は伊藤計劃のSF小説を原作としたストーリーで、ミァハは作中の最重要人物だった。

 高度な医療と管理システムが発達したユートピアのような近未来。ミァハは「生府」が強要する健康至上主義に抵抗するため、自らを信奉する2人の少女とともに命を落とす。その事件を生き残った霧慧トァンは13年後、死んだはずのミァハに接近していくことになる。

 ミァハは透き通るように純粋な声でありながら、その言葉には社会への憎悪や破壊願望が宿っているという難しい役どころ。しかし上田は公開当時21歳で、デビューから数年しか経っていない時期だったにもかかわらず、その大役を見事に演じてみせた。キャリア初期の名作として、必見の作品と言えるだろう。

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