ファッションディレクター・コンサルタントの笠原安代さんに、これまでのキャリアとファッションを振り返っていただく企画。第3回は、断捨離後も手元に残したブランド、新たにワードローブに加わったブランドを、笠原さんの最新コーディネートとともにご紹介します。
笠原さんのワードローブに残り続ける3つのブランドは?
2021~2022年にかけて2度目の大きな断捨離を行った笠原さん。そこで手元に残したのは、時代に翻弄されない確固とした美意識と、スタイルのある女性デザイナーが作る“日常着”だったそう。
「私にとって洋服は社会との接点であり、その時々の“役割”に寄り添うもの。TPOや時代、人との関わりの中で、身にまとうものは名刺代わりになると感じています。特に作り手の才能やセンスをリスペクトしているブランドは、バイヤー時代から継続して大切にしています。デザイナーの美学や哲学を身にまとうことで、ある種の鎧になって、ときに背中を押してくれたり、パワーをもらっています」そんな笠原さんがリスペクトしている3つの女性デザイナーのブランドは?
1.「セリーヌ」のジャカードトップス
「フィービー・ファイロ氏が作るお洋服が大好きで、このトップスも彼女がセリーヌのデザイナーを務めていたときのもの。ちょうど私がバイヤーをしていた2010年前後は一番心酔していて、バイイングも自分にもリアル買いして、今でもセルフヴィンテージとして長く着ています。彼女の作る服を着るとパワーをもらえるし、彼女の着こなしも、頑固で大胆な考え方もリスペクトしています」
2.「サカイ ラック」のブルゾン
「フィービー・ファイロ氏と同じく、私がセルフヴィンテージとして長く着ている2大ブランドがサカイ。デザイナーの阿部千登勢さんも大好きです。このブルゾンはメインコレクションよりカジュアルなラインの“sacai luck(サカイ ラック)※(現在は休止中)”のもの。異素材の組み合わせやサイドや後ろから見たときの計算されたシルエットなど、サカイらしさが詰まっていて、今でも大好きな1着です」
3.「マディソンブルー」のシャツとパンツ
「中山まりこさんが作るMADISON BLUE(マディソンブルー)も、洗練されたベーシックアイテムを、大人の女性にふさわしい上質な日常着へと昇華させてくれるブランド。シャツもベイカーパンツも、ただのカジュアルじゃなくて、どこかエレガントに見える、シンプルながらもひと目で違いを感じさせる、永遠の定番です」
笠原さんのワードローブに新たに加わったブランドは?