4年前、謎が謎を呼ぶストーリー展開でテレ東深夜でスマッシュヒットを飛ばしたテレビアニメ『オッドタクシー』
昨年にはスピンオフ実写ドラマ『RoOT/ルート』も放送
坂東龍汰と黒田大輔は今作にも出演
そんな『オッドタクシー』の脚本家である此元和津也がオリジナル脚本を手がけたドラマ『シナントロープ』が始まった。
ちなみに
監督:木下麦
脚本:此元和津也
が再タッグを組んだアニメ映画『ホウセンカ』は今週10/10(金)に劇場公開予定
先日、映画ナタリー主催の試写会で拝見しました。
『オッドタクシー』の木下麦×此元和津也が再タッグを組んだアニメ映画。謎が散りばめられた前作と対照的に序盤から「大逆転」を振っての一点勝負。ヤクザ映画かつ珠玉のラブストーリー。花火、風船、バブル、ホウセンカの種といった「弾ける」モチーフの連鎖も面白かった #ホウセンカ #ナタリー試写会 pic.twitter.com/GSA1AF2oVY
— 林昌弘,Masahiro Hayashi (@masahiro884) September 29, 2025
こちらは『オッドタクシー』とはガラッと異なる空気の作品になっていた。
ミステリー要素は薄めのヒューマンドラマ。
第1話を見た限り、むしろ『オッドタクシー』を継承した精神的続編は『シナントロープ』だと思う。
(試写会で見させてもらっておいて申し訳ないのだが『オッドタクシー』のあの雰囲気を期待すると『ホウセンカ』はややミスマッチ起きるかもしれない)
序盤から一見無軌道で小ネタ満載の会話劇が繰り広げられていく。
往年のクドカン作品をもっとダウナーにした感じとでも言うべきか。
そこかしこに散りばめられる不穏な謎の数々。
初回時点ではまだ謎だらけ。
物語はどこに転がっていくのやら。
まさに『オッドタクシー』のあの味わい。
初回のハイライトは都成&木場と水町&里見の2組の会話劇を交互に見せるシークエンス。
秋ドラマには三谷幸喜の『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』もあるが、群像劇としては『シナントロープ』の方が交通整理されていたように思う。
本来8人いるハンバーガー屋の店員を第1話ではほぼ4人しか描かない取捨選択からの2人ずつにまとめる=4並列ではなく2並列に収める統廃合
『もしがく』が渋滞気味だったのに比べるとすっきり見やすかった。
やっぱり並列で描きすぎると振り落とされちゃうのかなぁ。
この会話劇の編集(トランジションやカットバック)の仕方も面白かった。
座って話す2人と立って歩きながら話す2人
実家住み
大学に友達いない
外注/害虫
すごい助かってる
バーミン(vermin)
ゾンビより?
店員を呼ぶボタン/エレベーターを呼ぶボタン
11
焼肉の煙/加湿器の蒸気
漫画『笑い者の風船』
ちょっと待って
まだ何もやってない
数箇所だけでやるとダサいが、あそこまで徹底すると突き抜ける。
個人的には韓国の映画監督のイ・チャンヒを思い出したり。
また、2組を交互に描く作劇といえば目下ドラマ好きを毎週熱狂させているHBOドラマ『TASK/タスク』がある。
あの傑作『メア・オブ・イーストタウン/ある殺人事件の真実』を手がけた脚本家ブラッド・イングルスビーの最新作
最近ではApple TV+映画『ロスト・バス』も良かった。
『TASK/タスク』が脚本でじっくりと2組を重ねていくのに対して『シナントロープ』は演出で2組を重ねていく。
MV畑の山岸聖太監督らしい戦い方。
(もちろんさすがに『TASK/タスク』と比べるのが酷なのは百も承知です。念のため)
あと、奇しくも鳥という共通点も。
『ピースメイカー』も鳥ドラマですな。
Eaglyもといワッシーw
来週以降また新たな登場人物が出てきて、それこそ『オッドタクシー』的に動き出しそう。
引き続き楽しみ。