2025年10月7日、有楽町朝日ホールにて、映画『恋に至る病』(10月24日公開予定)の完成披露舞台挨拶が行われ、W主演を務める長尾謙杜(なにわ男子) と山田杏奈をはじめ、前田敦子、主題歌を担当したSaucy Dogの石原慎也、そして廣木隆一監督が登壇し、作品への熱い想いや撮影時のエピソードを語った。
舞台挨拶【詳細】レポート
長尾謙杜(なにわ男子)(宮嶺望 役)
本日、完成披露試写会を迎えられたことを、本当に嬉しく思っています。今日初めて皆さんに見ていただくわけですが、本作はこれまでにない、見たことのないラブストーリーになっていると感じています。恋愛の要素だけでなく、様々な要素が詰め込まれており、ご覧いただく方によって色々な感想が出てくるでしょう。ぜひ皆さんで感想を共有し、楽しんでいただけたら嬉しいです。
山田杏奈(寄河景 役)
撮影は約1年前の暑い時期に行われましたが、その時にスタッフ・キャストが一丸となって詰め込んだ色々な感情を、皆さんにお届けできたらと思っています。
山田杏奈
山田杏奈/長尾謙杜(なにわ男子)
前田敦子(入見遠子 役)
完成した作品はまだ見られていないので、皆さんのほうが先に観られるのがすごく羨ましいです。ただ、現場で長尾さんと山田さんのお二人が作り出していたお芝居が本当に素敵だったので、完成した作品を見るのを私もすごく楽しみにしています。
前田敦子
石原慎也(Saucy Dog/主題歌担当)
主題歌を担当させていただいたSaucy Dogの石原慎也です。
この映画には、僕が特に好きなシーンがあります。宮嶺くんと、高校時代に少し暗い方で友達があまり多くなかった僕自身が似ていると感じる瞬間があり、そういう人にとって景は本当にありがたい存在、ヒーローのような存在に見える。その二人の関係性がすごく好きで、それを元に曲を書きました。
石原慎也(Saucy Dog)
石原慎也(Saucy Dog)/前田敦子
廣木隆一監督
本日、このラブストーリーを見ていただけるのが本当に嬉しいです。僕も初めて作品を見るような気持ちでいますので、最後まで楽しんでいってください。
廣木隆一監督
長尾謙杜&山田杏奈 3年ぶりの共演エピソード
‐長尾さんと山田さんは3年ぶりのご共演だったそうですが、お互いの印象で「変わったところ」や「変わらないな」と思ったところがあればお聞かせください。
長尾謙杜
山田さんは、素敵に成長されていると感じました。良い意味で変わった部分もあれば、変わらない部分もあります。普段は落ち着いていらっしゃいますが、ふとした時に無邪気に笑う姿だったり、少し少女のような部分が残っているのが素敵だなと感じながら撮影していました。
‐3年前に共演されていた時は、山田さんに対してどのような印象でしたか?
長尾謙杜
3年前は、僕がまだ10代だったこともあり、「姉さん」という印象が強かったです。今回は初対面ではなく「お久しぶりです」から始まったこともあって、以前より会話も増え、よりリラックスした状態で撮影できたと思います。
長尾謙杜(なにわ男子)
山田杏奈
(長尾さんの印象について)あまり大きくは変わっていないかなと思います。
3年前にご一緒した時は、長尾さんが「なにわ男子」としてデビューする前でしたが、その後、テレビで頑張っている姿をいつも見ていました。その3年前のベースがあるからこそ、「お久しぶり」と言えたのは嬉しかったです。
山田杏奈
‐長尾さんがおっしゃった「姉さん」という印象は、山田さんのどのような点から感じたのですか?
長尾謙杜
3年前に初めて共演した初日、僕が「よろしくお願いします」と言うと、山田さんが「タメ語でいいよ」と言ってくださって。その時からずっとタメ語で話させていただいているのですが、そこに「姉さん」という感覚がありました。とても堂々とされているので、頼りがいがあるなと感じていました。
‐今作は同級生役ですが、長尾さんはその間にデビューされました。山田さんはその変化を感じましたか?
山田杏奈
今回撮影に入って、長尾さんから私に対して「ちょっとおじさんの中に住んでるね」と言われたのですが、そのフランクさみたいなものがすごく良い意味で感じられて、嬉しいなって思いました。
前田敦子と廣木監督のタッグ
‐前田さんと廣木監督は『さよなら歌舞伎町』以来、11年ぶりのタッグだそうですが、監督の演出で11年経って変わったこと、または変わらないと思ったことはありますか?
前田敦子
現場に良い緊張感があるところは変わりません。監督がいると場が締まるというか。監督は普段はとても優しく話してくださる方ですが、演出の時はすごくキリッとしていて、その二面性がとても刺激的で私は好きです。
今回の私の撮影は3日間ぐらいしかありませんでしたが、台詞のないシーンで、役を深く掘り下げてもらったという印象があります。特に刑事役として、目だけの芝居の時の方が厳しかったですね。
前田敦子
‐前田さんは現場で主演のお二人と話されて、何か印象に残っていることはありますか?
前田敦子
お二人のシーンはとても大変そうだったので、安易に話しかけてはいけないなと思っていました。
心境が徐々に変わっていくタイミングで、私が刑事として捜査しに行く役どころだったので、どう話しかけたらいいか迷って、結局、ほとんど話せませんでした。
長尾謙杜
僕たちが前田さんとご一緒させていただくシーンは、取り調べなど緊迫したシーンが多かったので、楽しく会話するという感じではありませんでした。
でも、撮影中は何も思わなかったのですが、完成した作品を改めて見ると、「あれ?あっちゃんに取り調べされてる!」と思いました。小さい頃からテレビで見させていただいていたので、「俺があっちゃんに取り調べされる時が来たんだ」とドキドキしました。
前田敦子
表現が可愛くて嬉しい(照)
‐廣木監督は、前田さんが刑事役という点について、何か狙いはありましたか?
廣木隆一監督
刑事役だからといって、制約や決まり事にとらわれるのではなく、それをまるっきり無視して、一人の女性として二人(宮嶺と景)に接すればいいと思っていました。
廣木隆一監督/前田敦子
主題歌に込めた思い
‐石原さんは、本作をご覧になってから主題歌「奇跡を待ってたって」を書き下ろされたと伺っています。主題歌に込めた思いを教えてください。
石原慎也(Saucy Dog)
この映画を見て感じたのは、「人の愛し方って本当に人それぞれだ」ということです。もし自分の育ってきた環境が少しでも違えば、景の立場になっていたかもしれないと思いました。僕にはまだ子供はいませんが、もし子供が傷つけられたり、危険な目に遭っていたりしたら、愛する子供を守るために何でもできてしまいそうだと感じるんです。そういったことも含めて、「人の愛し方」は人それぞれだという思いを、主題歌に込めたいと思って作りました。
石原慎也(Saucy Dog)
‐主題歌には、監督側から何か要望はありましたか?
石原慎也(Saucy Dog)
監督が、僕たちの曲の「いつか」がこの映画にすごく合うと言ってくださっていたそうです。
実際、プロデューサーさんは「いつか」をずっと聴いて撮影していたほど、映画に合っていたそうです。
なので、「いつか」のような曲を作ってくれと言われたのですが、「いつか」を超える曲を作らないといけないという、自分自身のハードルにもなったので、すごくありがたかったです。
‐長尾さんは、主題歌をお聴きになっていかがでしたか?
長尾謙杜
とても素敵な主題歌だなと感じています。撮影中もプロデューサーさんたちが「Saucy Dogさんの『いつか』がすごく合う」という話をしていたので、主題歌が誰になるのか気になっていました。
Saucy Dogさんに決まったと聞いた時は、「え、本当に書いてくださるんですか?」というのが第一印象でした。
実際に聞いてみると、本当に映画に合っていて、今でもいただいた楽曲の素材を聴かせていただいています。
‐山田さんは、お聴きになっていかがでしたか?
山田杏奈
プロデューサー陣が「Saucy Dogさんが合う」と言っていたからこそ、本当に主題歌としてやっていただくことを聞いた時に、「この映画のひとつの大切なパーツが埋まったんだな」と嬉しく思いました。
実際に完成した映画を見た時、最後に流れる曲は、もうそれ無しでは考えられないぐらい、一つの演出のように感じられ、すごく力をいただきました。
‐(石原さんへ)主演のお二人のご感想を聞いて、いかがですか?
石原慎也(Saucy Dog)
めっちゃ嬉しいです(照)
山田杏奈/石原慎也(Saucy Dog)
「自分のためにしてくれたの?」と驚いたエピソード
‐本作のコピーは「君は僕のために人を殺したの?」です。これにちなんで、最近ご友人やご家族が「まさか自分のためにしてくれたの?」と驚いたことがあれば教えてください。
長尾謙杜
友人や家族ではないのですが、カフェやお店に行った時などにメッセージを書いてくれることがありますよね。
たまに「応援してます」と書いてくださる方がいて、多分ファンの方だと思うのですが、そうやって気づいてメッセージを残してくれるのがすごく嬉しいです。それが1日の始まりにあったりすると、「頑張ろう」と思えます。
‐山田さんは最近何かありましたか?
山田杏奈
家族の話です。私は今24歳なのですが、実家に用事があって帰省していた時、帰るのが寂しくなってしまいました。
明日も仕事だから帰らなければいけないと思っていたら、母と弟が、私が電車で東京に帰る道中(短くはない道のり)についてきてくれて、家まで一緒に来てくれたんです。そして二人はまた埼玉まで帰っていきました。これにはすごく愛を感じました。
‐前田さんは何かありましたか?
前田敦子
最近の話ですが、小学生の息子と一緒にお風呂に入って、先に息子が上がった時に、私のバスタオルをこうして(ポーズを取って)差し出してくれたんです。めちゃくちゃかっこいいじゃないですか。すごく喜んだら、今も毎日やってくれるようになりました。癒されています。
‐石原さんはいかがですか?
石原慎也(Saucy Dog)
たまにDM(ダイレクトメッセージ)でファンの方から連絡が来るのですが、「今日はしんちゃんのために頑張ります」といったメッセージを送ってくれる人がいるんですよ。それを見るたびに、「俺も頑張ろう」と思えるので嬉しいですね。
僕はエゴサもよくしますし、DMも全部読むようにしています。
前田敦子
えっ?私は良いコメントしか見たくないので、それはできない(笑)
‐(廣木監督へ)皆さんの話を聞いて、いかがでしたか?
廣木隆一監督
今日、この映画のために集まってくれたお客さんがいるんだなと思うと、すごく嬉しいです。
今、何よりも愛してやまないこと
‐本作は「純愛か、洗脳か」という問いをお客さんに投げかけますが、そんな純愛とも洗脳とも思えるほどに、ご自身が今何よりも「愛してやまないこと」を教えてください。
長尾謙杜
最近ハマっているのが、ライブツアーで静岡に行った時に買ったお茶のパックです。この1年くらい緑茶にはまっていて、自動販売機でも「俺は日本人だから緑茶だ」と思って緑茶を選んじゃうんです。
これまではペットボトルでしたが、初めてお茶のパックを買い、冷蔵庫で冷やせるプラスチックのボトルに入れて飲んでいます。冷えた緑茶の方が好きです。
‐冷えた緑茶がお好きなんですね?
長尾謙杜
はい、年齢的にも・・・あっ、なんか変なことを言ったかな?
温かいお茶はある程度年齢が上がってから好きになるかなって(苦笑)
山田杏奈
私はベランダでリラックスする時間が今、自分の中で大切です。ちょっと飲み物でも持って外に出ると、気づいたら長い時間いることがあります。
ベランダにはリクライニングできる椅子を置いていて、そこにいると時間が溶けています。特に好きな時間帯は夕方、ちょっと暗くなり始めくらいが、今の時期は一番いいですね。
前田敦子
もちろん息子もそうですが、息子と今ハマっているのが、寝る前にお香を焚いて寝ることです。二人で「今日もいい匂いだね」と言いながら、幸せな時間を過ごしています。息子が「いい匂いだね」と好きな匂いを言ってくれるようになって、二人でハマりました。
石原慎也(Saucy Dog)
僕はもう最近はお酒ですね。作業などで疲れた時に、一人では飲まないのですが、誰かと飲むお酒が好きです。ウイスキー、ハイボール、またはジャスミン茶などの「お茶割」を飲みます。
廣木隆一監督
(石原さんと同じく)お酒ですね。ハイボールをよく飲みます。
最後のメッセージ
山田杏奈
この作品は純粋なラブストーリーではないかもしれませんが、色々な見方をしていただける作品だと思います。
世の中には「これはこうだ」と決められない色々なことがあると思いますが、この映画を見て、その気持ちや感覚に触れてもらえたらすごく嬉しいです。皆さんに楽しんでいただけることを願っています。
長尾謙杜
この映画は色々なシーンがコロコロと変わっていくのが特徴的ですが、それも全て宮嶺と景が出会うことによって変わっていくものなのかなと感じています。
人との出会いというのは、周囲に大きな影響を与えるんだなというのを、この映画で学びました。今日皆さんと出会えたことも素敵なことだと思います。この映画に皆さんが良い出会いをして、何か素敵なことが訪れたらいいなと思っています。ぜひこの映画を見て、「恋に至る病」にかかってください。
廣木隆一監督/前田敦子/長尾謙杜(なにわ男子)/山田杏奈/石原慎也(Saucy Dog)
山田杏奈/石原慎也(Saucy Dog)
廣木隆一監督/前田敦子
山田杏奈
■フォトギャラリー
[写真・記事:三平准太郎]
映画『恋に至る病』
《INTRODUCTION》
原作は、ミステリ・サスペンスジャンルと恋愛ジャンルを縦横無尽に横断する俊英作家・斜線堂有紀による小説『恋に至る病』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)。
2020年3月末に発売するや否や、TikTokの書籍系アカウントによる紹介動画の再生回数が200万回を超える大反響を記録し30回を超える重版を繰り返している話題作です。
そんな衝撃の恋愛小説を実写映画化。興行収入13億円の大ヒット作『月の満ち欠け』で第46回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した廣木隆一監督がメガホンをとります。
W主演として内気な男子高校生・宮嶺望を演じる長尾謙杜は、現在ライブツアー中で、来年にはドームライブの初開催を控える人気グループ「なにわ男子」の最年少メンバー。俳優として『おいしくて泣くとき』での劇場用映画初主演をはじめ、『室町無頼』『俺ではない炎上』、そして本作での主演抜擢と今年だけでも計4作品の出演を果たした最も旬な若手俳優です。
長尾とともにW主演として寄河景を演じるのは山田杏奈。2016年のスクリーンデビュー以降、『ミスミソウ』『小さな恋のうた』『山女』などで着実にキャリアを重ね、『ゴールデンカムイ』『正体』にて第48回日本アカデミー賞優秀助演女優賞・新人俳優賞をW受賞。卓越した演技力で知られる彼女が本作で魅せる“殺人犯へと変わりゆく恋人”という二面性のある役柄は、まさに映画ファンが求める次なる挑戦と言えます。
不器用で一途な初恋、同級生の不審死と恋人への恐ろしい疑惑、抑えられない純粋な想い。ふたりがたどり着く、〈切なすぎるラスト4分〉と〈明かされる彼女の本心〉とは? “この秋、最もピュアで刺激的なラブストーリー”にご期待ください。
《STORY》
僕は君が好きだ。たとえ殺人犯だとしても。
内気な男子高校生・宮嶺と学校中の人気者・景。
不器用で一途な初恋、ふたりが交わした約束。
「どんな私でも守ってくれる?」
しかし、同級生の不審死が続発し、宮嶺は景に対して疑惑を抱く。
「もしかして君は、僕のために人を殺したの?」
殺人犯へと変わりゆく景。それでも、宮嶺の気持ちは変わらない。
やっぱり僕は君が好きだ―。
切なすぎるラスト4分。
《彼女の本心》が明かされる。
出演:長尾謙杜 山田杏奈 ※W主演作品となります
醍醐虎汰朗 中井友望 中川 翼 上原あまね 小林桃子 井本彩花 真弓孟之(AmBitious)
/ 忍成修吾 河井青葉 / 前田敦子
監督:廣木隆一 『月の満ち欠け』
脚本:加藤正人 加藤結子
原作:斜線堂有紀『恋に至る病』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
音楽:加藤久貴
主題歌:「奇跡を待ってたって」Saucy Dog(A-Sketch)
制作プロダクション:アスミック・エース ダブ
配給:アスミック・エース
©2025『恋に至る病』製作委員会 映倫指定:PG-12
公式Instagram・TikTok:@kiy_movie
2025年10月24日(金)全国公開
ポスタービジュアル