公開日時 2025年10月06日 05:00更新日時 2025年10月06日 06:54

映画「ひめゆり」 90代同窓生鑑賞 命どぅ宝 伝え続けて
映画「ひめゆり」上映後のトークセッションに登壇した(左から)古賀徳子さん、大兼久由美さん、中塚静樹さんと、進行役の山代寛沖縄大学長、ひめゆり同窓生の玉城なぎ子さん、翁長安子さん=4日、那覇市国場の沖縄大学

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西田 悠

 ひめゆり学徒22人の証言を収めたドキュメンタリー映画「ひめゆり」(2007年公開・柴田昌平監督)の上映会と、同作品プロデューサーの大兼久由美さんらによるトークセッションが4日、那覇市国場の沖縄大学で開かれた。約55人が足を運んだ会場には、同窓生の翁長安子さん(95)と玉城なぎ子さん(96)の姿もあった。いずれも同作の鑑賞は初めて。「先輩たちの声を聞いて一人一人を思い出した」と記憶をたどり、平和の尊さを訴えた。

 映画では沖縄戦当時の学徒の顔写真と、本人が実際に戦争を体験した場で証言する様子が交互に映し出され、当事者の視点から見た沖縄戦の悲惨さが描かれる。

 上映後のトークセッションで、ひめゆり平和祈念資料館学芸員の古賀徳子さんは、今年5月の西田昌司参院議員によるひめゆりの塔の展示を巡る「歴史の書き換え」との発言に言及。「(資料館ができた経緯が)理解されていないから、あのような発言がで出てくるのではないか」と指摘した。大兼久さんは全国各地で作品を見た人の感想を紹介。沖縄大生の中塚静樹さん(21)も登壇し「沖縄戦は今の沖縄と地続き。同世代の横のつながりを広めて主体的に発信していきたい」と語った。

 同窓生の翁長さんは新聞で上映を知り、玉城さんを誘って来場。「命どぅ宝。命を守るためにこの映画を上映していると思う。これからもほかの場所でも上映してほしい」と要望した。玉城さんは県内で進む軍備増強を懸念。「今の政治家たちは戦争の怖さを分かっているのか。子どもたちのために今後も体験を語り継ぎたい」と話した。 上映会は沖縄首里ロータリークラブが主催した。

(西田悠)

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