活動休止前最終ライブを行った井上苑子
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今年いっぱいで歌唱を伴う活動を休止する井上苑子(27)が5日、東京・品川ステラボールでデビュー10周年ツアーの最終公演を行った。休止前最後のツアー千秋楽に集まった1000人を前に、2時間半にわたってヒット曲「ナツコイ」や「点描の唄」など24曲を披露した。
笑顔の幕開けだった。1曲目の「HeartBeat」はハンドマイクでステージを駆け回り、時にはしゃがみ込んで客席とのコミュニケーションをするように歌った。「最後だから…」と寂しい思いよりもステージを楽しもうとする姿が印象的だった。
6月に喉の違和感や不調により、今年いっぱいでの歌唱を伴う活動を休止を発表。12月にピアノライブを控えているが、活動休止前最後のツアー。集大成ともいえるライブとなり、時折涙を浮かべていた。「泣いちゃった。朝からずっと泣きそうじゃなかったのに」と目を潤ませながらも笑顔でステージに立ち続けた。
ライブ終盤にはSUPER BEAVERの柳沢亮太(36)がプロデュースした10周年記念作の新曲「ナチュラル」を披露した。昨年からオファーをしていたが、柳沢が制作を始めた時期と同じ頃に休止を決断したという。「本当に申し訳なかったけど、柳さんは“全然オッケー!いまの苑子ちゃんが歌える曲、これからも歌っていける曲を書くよ”って。いつも本当に勇気をくれます。感謝です」。14年から楽曲提供してくれた柳沢への思いがあふれた。
♪今だから言えること 今だから思うこと…。井上の全ての気持ちを、柳沢が「今の井上苑子が、今の井上苑子を歌う」とメッセージを込めた曲にした。歌唱中には涙を流し、とびっきりの笑顔をみせ、感情を隠さずに表現した。それができたのは全ての思いが真っすぐにこの歌に込められているからだろう。
「最近、本を読んでるんですけど。疲れる前に休め、いっぱいいっぱいになる前に休めって本で言うてました。だから私は来年休んで凄い女になってみせるわ!みんなもついてきーや!」。歌手として長い道を歩むための決断。この日の光景は井上苑子の原動力になっていく。
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