映画『火喰鳥を、喰う』の公開記念舞台挨拶が10月4日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、水上恒司、山下美月、宮舘涼太(Snow Man)、麻生祐未、豊田裕大、本木克英監督が出席。くす玉を割って、にぎやかに公開をお祝いした。

『火喰鳥を、喰う』の公開記念舞台挨拶が行われた『火喰鳥を、喰う』の公開記念舞台挨拶が行われた

第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞で大賞を受賞した同名小説を、「超高速!参勤交代」シリーズや『シャイロックの子供たち』(23)の本木監督が映画化した本作。ある日、信州で暮らす久喜雄司(水上)と夕里子(山下)の元に戦死した先祖の久喜貞市の日記が届く。最後のページに綴られていたのは「ヒクイドリ、クイタイ」の文字。その日以来、幸せな夫婦の周辺で不可解な出来事が起こり始める。超常現象専門家・北斗総一郎(宮舘)を加え真相を探るが、その先に現れたのは驚愕の世界だった。

本作で映画単独初主演を務めた水上恒司、「感無量です!」本作で映画単独初主演を務めた水上恒司、「感無量です!」

本作で映画単独初主演を務めた水上は、「このメンバーと一緒に登壇する日を迎えることができて、うれしい想いでいっぱいです」と挨拶。スタッフやキャストと一緒に完成作を観て「開口一番、おもしろかったとお話しした。みんなでおもしろいねと言い合えた」そうで、公開を迎えて「感無量です」と晴れやかな表情を見せていた。本木監督は「いままで観たことのないようなジャンルのものを観たという、観客の気持ちになりたいなと思った。一人目の観客として作っていった」と本作に込めた想いを語っていた。

山下美月は、「原作に助けられながら演じた」と話した山下美月は、「原作に助けられながら演じた」と話した

火喰鳥の喉元をイメージして、登壇者全員が衣装に赤色を入れていると明かしたのが山下だ。さらに山下が「宮舘さん、赤が全然入っていなくないですか」とツッコむと、宮舘は「僕はそれを聞いていなくて。自分で衣装をフィッティングした時に、『ここに赤を入れたらいいんじゃない?』とハンカチーフを入れてきました」と赤いハンカチーフをアピールして、会場から拍手を浴びた。会場を見渡した水上は、「お客さんのなかにも、ちらほら」と赤色を意識した観客も多いことに気づき、宮舘が「僕より、衣装を聞いていたということですか」と続くなど会場を巻き込んだ丁々発止のやり取りに、冒頭から楽しい雰囲気いっぱいのイベントとなった。

宮舘涼太(Snow Man)、ライブビューイングの観客にも挨拶宮舘涼太(Snow Man)、ライブビューイングの観客にも挨拶

本作で映画単独初出演を果たした宮舘は、怪異の謎を探る超常現象専門家である北斗役を演じた。北斗は不穏な空気をまとう唯一無二の存在感を放つ男で、水上は「いい味を出している」、山下も「すばらしい変さ」と宮舘の怪演を絶賛。宮舘は「褒められているのかな」と複雑な心情を吐露して、会場も大笑い。

水上恒司と山下美月が夫婦役を演じた水上恒司と山下美月が夫婦役を演じた

好きなシーンに話が及ぶと、夕里子をめぐって雄司と北斗が激しくぶつかり合うシーンをあげた山下は、「夕里子のために、雄司と北斗が殴り合う」とニヤニヤ。スクリーンにはその場面が投影されていたが、「うれしそうだな!」と周囲から声があがると、山下は「この大きさで、この2人の顔!白米を食べられそう。味濃い目のソースみたい」とお気に入りのシーンが大画面で観られたことに感激しきりで、「ここまでの人間の生の執着、パワーを映像で観ることができて、人間って改めて怖いものなんだなとハッとさせられたシーン」だとしみじみと語った。そのシーンの撮影を振り返った水上は、「舘さん(宮舘)も、アーティストとして体がキレキレ。舘さんとのアクションはすごくやりやすかった」とコメント。「ええ!」と驚いた宮舘は、「この言葉で白米、いけますよね!」とご満悦の表情を浮かべていた。

宮舘は、雄司と夕里子がお茶漬けを食べているシーンをセレクト。「お茶漬け、似合いません?すごくさわやか。この映画のなかで一番と言ってもいいほどのさわやかさがここにある。ここから夫婦の絆がどんどん深まって行く。“深まりのお茶漬け”と名づけたい」とにっこり。本木監督が「若いけれど、お茶漬けとか食べるんですか?」と尋ねると、宮舘は「もちろんです。梅派です」と好みを打ち明けて会場を笑わせた。

くす玉を割ってお祝い!くす玉を割ってお祝い!

そして水上は、宮舘がクランクインした日でありながら、長台詞を口にするシーンが好きだと明かした。水上は「舘さんの登場シーン。クランクインの日に、あのシーンを撮っている。膨大なセリフ量で、絶対に緊張もする。見ているこちらも緊張してもおかしくないようなシーン」だと切り出し、「でも舘さんからは、緊張はあまり見えなかった」と証言。「なんだこいつ、なにを言ってるんだ、こいつと思った。(雄司としては)そうやって北斗を拒絶していくシーン。すごくお気に入りです」と宮舘が北斗らしさを見事に表現した、おもしろいシーンになったとのこと。

麻生祐未、ヒクイドリの登場に笑顔麻生祐未、ヒクイドリの登場に笑顔

宮舘は「僕のできる最善を尽くした。セリフを覚えることは当たり前じゃないですか。でもそこに感情を乗せて、説得を持たせなければいけない」と難しいシーンになったと告白しつつ、「監督が『カットを割りますよ』と言ってくださったんですが、僕は1回も止めたくなかったんです。ページで言うと、5、6ページくらいあったのかな。『一発で、長回しでやらせてください』とお願いしてやらせてもらった」と熱い意気込みで臨んだという。山下が「ほとんどミスもなくて。お忙しいのに、いつ覚えているんだろう」と宮舘の奮闘を称えると、宮舘は「家です」と笑顔を浮かべていた。

取材・文/成田おり枝

Leave A Reply