「当初は、お腹を出した服装で過ごそうと思っていたんですけれど、皮膚がちょっと怖いくらいに伸びてしまって、あまり見せたくなかったんです」とフェリエは続ける。「でもあのタバードは、肌を見せずに膨らんだお腹を強調できたので、願ったり叶ったりでした。それに妊娠していると、みんなお腹を触りたがります。イッセイ ミヤケのピースは、お腹周りを布で覆ってくれるので、守られている気がしました」。話を聞いた日、フェリエはストレッチの効いた例のタバードを身につけていた。「これを着ると、妊娠していたときの自分の体の方が好きだったかも、と思うときがあります」

アムステルダム在住のエディターのキーシェ・ヘルドーンも、プリーツ プリーズのアイテムを産後も愛用し続けており、この先も大切にしていくアーカイブピースとして、手もとに残している。「夏が来て、いつもの服が合わなくなると、プリーツ プリーズのカラフルなドレスやトップをワードローブに迎え入れました」と、彼女は妊婦生活を振り返る。「どのアイテムも今も頻繁に着ていて、娘が私の服をクローゼットをあさる歳になっても、魅力は色褪せていないと思います」

シルク製品に特化したロンドン発のブランド、ハイ(HAI)の創設者兼クリエイティブ・ディレクターのテッサ・フェルミューレンは、3月に息子を出産した。妊娠している間はほぼずっと寒かったため、プリーツ プリーズのピースを、カシミアのタイツやオーバサイズのニットと重ね着していたという。「リアーナみたいなマタニティルックをいくつか着たかったんですけれど、冷え性なので、暖かく快適に過ごさなければなりませんでした。イッセイ ミヤケの服は、暖かさと快適さの両方を兼ね備えていたんです」。だが、このころは自身の人生において、決して一番おしゃれな時期ではなかったと付け加える。「あのときは家も改装していたので賃貸を渡り歩いていて、妊娠期間の最後の5カ月間はスーツケースひとつで生活していました」。そんな彼女が頼っていたのが、プリーツ プリーズの服だ。「まるでユニフォームのように、イッセイ ミヤケのピースたちを常に着まわしていましたね」

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