【吉永小百合“ベスト主演映画”の話をしよう】
映画.comが独断で選ぶ5本を発表、あなたの推しは何位!?
そして出演124本目の最新作は、まさに“集大成的作品”
【人生を心から楽しむ“彼女”が生きる力をくれる】画像1

日本を代表する女優・吉永小百合。

その道をただひたすら実直に歩み続け、世界を魅了し続ける彼女が、「てっぺんの向こうにあなたがいる」(10月31日公開)で通算124本目の映画出演作に辿り着きました。

人生のすべてを懸けて、そして心の底から道中を楽しみながら“てっぺん”に挑み続けた女性登山家の物語――吉永自身の芸道と深く共鳴する極上のドラマは、何よりも得難い“映画体験”をあなたにもたらしてくれるはずです。

まさに“集大成的作品”が世に放たれることを記念し、映画.com編集部が「吉永小百合の“ベスト主演映画”はどれか?」という永遠のテーマに挑み、独断で選んだ“最愛の5本”をランキング形式で発表していきます!

今こそ「女優・吉永小百合」の凄さについてとことん話し、最新作「てっぺんの向こうにあなたがいる」を観にいきませんか?

【吉永小百合“主演映画”、編集部の“最愛”はどれ?】
映画.comが独断で選んだ“ベスト5”を一挙に発表!吉永小百合吉永小百合

2025年9月某日、吉永小百合作品を数多く取材してきた映画.com副編集長をはじめ、スタッフ5人で議論を開始。侃々諤々・長時間の熟考の末に決まった“最愛の5本”を、寸評とともにご紹介します。

5位:「外科室」(1992年)

「外科室」「外科室」

可憐で清純なイメージが強い吉永が、文学的・耽美的な本作では抑え切れぬ愛に揺れる女性を濃密に表現。さまざまな役どころに千変万化する表現力の高さ、すごみに目を瞠る逸品だ。

4位:「北のカナリアたち」(2012年)

「北のカナリアたち」「北のカナリアたち」

森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平らとの“真剣勝負”が大きな見どころ。芝居とは視線と視線のぶつかり合いなのだと痛感させられる。監督は阪本順治。「てっぺんの向こうにあなたがいる」でも吉永とタッグを組むだけに、観れば最新作への期待が膨らんでいく。

3位:「愛と死をみつめて」(1964年)

「愛と死をみつめて」「愛と死をみつめて」

吉永は難病により、顔の左半分を失う壮絶な役どころを全身全霊で表現。悲劇的な苦境になるほど、吉永の朗らかさは逆に輝きを増し、それゆえ我々の胸を熱く燃え上がらせる。永遠の愛はここにあると声を限りに叫ぶ、心震える金字塔。

2位:「こんにちは、母さん」(2023年)

「こんにちは、母さん」「こんにちは、母さん」

長年のキャリアで磨かれた“自然体”は達人の域であり、それでいて“さらなる進化”も感じさせる。常に進化する女優・吉永小百合は、常に最新作がベスト候補。次なる最新作では、また異なる母親像を演じているので、乞うご期待。

1位:「キューポラのある街」(1962年)

「キューポラのある街」「キューポラのある街」

吉永が女優として初めて賞に輝いた(第13回ブルーリボン賞主演女優賞/当時史上最年少)、第15回カンヌ国際映画祭正式出品作。彼女が“笑顔の女優”なのだとよくわかる。ニッと上がる口角、のぞく白い歯、三日月のように細まる目を観ると、不思議と体に力が湧くのだ。

時は1960年代、高度経済成長期。彼女の笑顔に、当時の人々は明るい未来をみては、明日へ突き進む活力を得たのだろう。そしてその後も、時代が移り変わるたび、人々が抱く“希望”を吉永はその身に、その笑顔に、全力で引き受けてきた。だからこそ彼女はいつの時代も輝き続けている。原点にして本質が感じられる、不朽の傑作だ。

以上、いかがでしたか? ここに挙がらなかった作品も、もちろんすべてが“誰かにとっての名作・傑作”であり、すべてがベスト候補。

そして上述のとおり、「常に進化する女優・吉永小百合は、常に最新作がベスト候補」。ランキングのお次は、最新作にして最高到達点である「てっぺんの向こうにあなたがいる」(10月31日公開)の魅力を紐解いていきましょう!

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【予告編】人生は、八合目からがおもしろい

最新作は「生涯挑戦を続けた登山家役」で過去最高級の
ハマり役! きっと“人生”を楽しむ大切な映画になる多部純子(左/演:吉永小百合)と夫の正明(右/演:佐藤浩市)多部純子(左/演:吉永小百合)と夫の正明(右/演:佐藤浩市)

予告編をご覧いただき、どんなことを思いましたか?

実際に「てっぺんの向こうにあなたがいる」本編を鑑賞した映画.comが真っ先に感じたのは、演じる役柄があまりにもハマりすぎていて「これは、吉永小百合の集大成的一作では?」ということ。

しかも“人生を楽しむ”ためのテーマやメッセージがたっぷりと盛り込まれていて―――この映画、あなたの人生の“大切な1本”になるかもしれません。

【人生は常に挑戦】
誰だって、思いっきり生きていいんだ。 主人公・多部純子の“生き方”を観れば、心の底から“勇気”がわいてくる画像9

本作のとにかく素晴らしい部分、それは、見終わった後に「勇気」が得られること。

その源となっているのが、主人公・多部純子と、そのモデルとなった実在の登山家・田部井淳子さんの生きざまです。田部井さんがどんな人物だったのかをまとめると……

●“女性だけで海外遠征を”を合言葉に女子登攀クラブを設立

●1975年にエベレスト日本女子登山隊の副隊長兼登攀隊長として世界最高峰のエベレストに女性として世界初登頂に成功

●1992年には、女性初の7大陸最高峰登頂を果たし、その後も世界の最高峰に登り続ける。76カ国の最高峰・最高地点の登頂に成功する

●余命宣告を受けながらも、山に登り続ける。東日本大震災で被災した高校生たちと共に、富士山へ――

1975年5月16日、エベレスト頂上に立つ田部井淳子さん1975年5月16日、エベレスト頂上に立つ田部井淳子さん

つまり「生涯挑戦」をリアルに実行した“とてつもない人物”!

そんな田部井さんをモデルに、吉永が演じた主人公・多部純子は、一歩、一歩、着実に「自分の好きなこと・やりたいこと」を貫き通していきます。その活力に満ちた姿を観れば「自分もこんなふうに生きていいんだ!」と思うはず。

田部井さんを知っている人は、彼女の“衝撃”をまた新鮮に味わえる作品になっていますし、知らなかった人にとっては「こんな“偉人”がいたのか!」と驚きの連続になっているんです。

【一歩、一歩、前へ】
人生は楽しいもの――彼女の数々の“言葉”を聞けば、全身に“生きる力”がめぐっていく純子の親友であり編集者の北山悦子(演:天海祐希)純子の親友であり編集者の北山悦子(演:天海祐希)

偉業を達成した人は、必ず心にグサッと響く“名言”や“格言”を発するもの。

もちろん、田部井さんも数えきれないほどの“言葉”を遺しているので、その一部をまとめてみました。

「やってみたいことはやってみる」

「自分がここまでならできそうという少しの気持ちがあれば、まずは出てみよう 一歩行動する」

「歩けるうちは歩きたい、生きているうちは、1分1秒でも楽しく、やりたいことをやって生き抜きたい」

「どんな山も一歩一歩なのよ。一歩、一歩、足を前に運びさえすれば、8000mの山だって登れるのよ」

「病気になっても、病人にはならない」

「人生は楽しいもの、決して人を責めず、時間を上手に使い、一つずつ扉をあけていきましょう」

「あるく たべる 生きる」

映画では、これらの言葉からも滲み出る「田部井さんが大切にしたこと」が全編にわたって刻み込まれています。

つまり、鑑賞するだけで“勇気”を得られるだけではなく、さらに“生きる力”が増幅し、全身を駆け巡っていく――私たちが「観た方がいい」と強く推す理由、これだけでもわかりますよね。

【1日1日を輝かせる人】
だからこそ、彼女の周囲には多くの人が集まる…しかし、ときにその“輝き”は眩しすぎることもある――若かりし頃の純子(左/演:のん)と夫の正明(右/演:工藤阿須加)若かりし頃の純子(左/演:のん)と夫の正明(右/演:工藤阿須加)

上述のように田部井さんは非常に魅力的で、いわば“太陽”のような人。圧倒的な輝きを放ち続けたことで、彼女の周りには多くの人々が集まってきました。

ともにエベレストに挑戦した女性たち、その活動に魅力されて取材を続けた記者、そして家族――誰もが田部井さんに憧れを抱き、彼女から発せられるエネルギーによって活力を得ながら、ともに人生をはつらつと歩んでいくことになりました。

純子の娘・教恵(左/演:木村文乃)純子の娘・教恵(左/演:木村文乃)

ですが、その“輝き”は、人によっては時に眩しすぎることも……。「てっぺんの向こうにあなたがいる」では、自分のやりたいことはなんとしてでもやり遂げる多部純子の“真っ直ぐな思い”が、光と影の両面を生み出していったことも描かれます(それゆえ、普通の映画とは一線を画す“深み”に満ちているのです)。

純子の息子・真太郎(左/演:若葉竜也)純子の息子・真太郎(左/演:若葉竜也)

例えば愛情を惜しみなく注いだ息子は“偉大な母”の存在に苦悩し、エベレスト登頂における無二の同志たちも“ただならぬ感情”を抱いているという光景も……この映画は「偉人の栄光」を活写するだけではなく、周囲の人々の“ドラマ”もとんでもなく奥深くて、だからこそ映画館でその行く末を“目撃”してほしい作品になっています。

【そんな人物を、あの吉永小百合が演じる…】
ゆえに過去最高級のハマり役&最高到達点! 本作はきっと、あらゆる人が、人生を楽しむための大切な映画になる。画像14

「継続は力なり」の精神で、世界のてっぺんに挑み続けた田部井さんは“静かだが強力な情熱の人”と言えるでしょう。

そんな人物を、継続して映画界で活躍し続け、多くの人の心を鷲掴みにしてきた吉永小百合が演じる――この配役、もう本当にハマっていて、なんなら映画.comが恐れ多くも「ベストキャスティング賞」を勝手に贈りたいくらい!

両者ともに共通点は多く、その重なり具合によって「多部純子」というキャラクターの“深み”と“魅力”は増していますが、特にフォーカスしておきたいのが「チャレンジ精神」。

吉永小百合(完成報告会見登壇時)吉永小百合(完成報告会見登壇時)

吉永は本作の完成報告会見で、俳優人生を富士山登頂になぞらえながら「いまはキャリアは8合目くらい」と言い表し、俳優しての“進化”をまだまだ目指していることを明かしています(しかも、本作のために「人生初ピアス」にもチャレンジ!!!!)。

完成報告会見の様子完成報告会見の様子

そのエピソードもあってか、映画を観ているうちに、こんなことを思ったんです。「吉永小百合には、まだこんな一面があったのか……この人はどこまで“進化”するんだ!?」と。出演作124本目でも“全く新しい姿”が見られるとは、改めて「映画女優・吉永小百合」の凄みを見せつけられました。

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出演124本目でこれまでにないハマり役。そして、自身の“最高到達地点”を更新する勢い――。

改めてお伝えしますが、この映画はあなたの内に秘めた勇気を増幅させ、前へと動き出す原動力を与えてくれる作品になっています。きっと、あらゆる人が、人生を楽しむための大切な映画になる。そう確信しているからこそ、最後に言っておきたい。

公開日の10月31日には、

映画館へ向かって、一歩、一歩、前へ―――!

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