トランプ米大統領は29日、米国の映画および家具産業を支援するため、新たな関税を課すと表明した。
「米国内で家具を生産していない国に対して大規模な関税を賦課する」とSNSに投稿した。だが、その実効性は不透明だ。家具を製造するのは国ではなく企業であり、関税は特定の輸入品に課されるもので政府に直接かけられるわけではない。
トランプ氏は「詳細は追って!!」と書き込み、さらに「中国など他国に家具産業を完全に奪われたノースカロライナ州を再び偉大にするため」に行動すると述べた。
別の投稿では「米国外で制作されたすべての映画に100%の関税を課す」との考えを改めて示した。
「米国の映画製作ビジネスは他国に盗まれた。まるで赤ん坊からキャンディーを盗むようなものだ。弱く無能な州知事の下で、カリフォルニア州は特に大きな打撃を受けている」と述べたが、詳細は示さなかった。
ただ、映画関税に対する金融市場の反応は薄かった。ニューヨーク時間午前9時46分時点で、ネットフリックスやワーナー・ブラザース・ディスカバリーの株価はほぼ横ばい。ウォルト・ディズニー株は1.1%上昇した。
それでも今回の発言は、企業を不安にさせてきたトランプ大統領の関税政策に一層の不透明感をもたらす。ホワイトハウスは現時点で、詳細に関するコメント要請に応じていない。
トランプ氏が外国映画への関税案を最初に示唆したのは5月で、その際には米メディア大手の株価が下落。またエンターテインメント業界から強い反発を招いていた。
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こうした関税がどのように機能するのか、また映画を関税徴収の対象としてどのように評価するのかは不明だ。米映画製作会社の多くはグローバルな製作体制を築いており、国内外の複数ロケ地で撮影し、編集・仕上げ作業も世界各地で行われる可能性がある。
トランプ氏は先週、布張り家具に30%、キッチンキャビネットや洗面化粧台に50%の関税を10月1日から発動する措置をすでに打ち出している。議会共和党は、地元の州産業を支援するために家具など主要輸入品に関税を活用するよう大統領に促してきた。
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トランプ大統領
Photographer: Kent Nishimura/Bloomberg
原題:Trump Threatens Fresh Tariffs Related to Furniture, Movies (1)(抜粋)
— 取材協力 Ryan Beene and Michelle Jamrisko