バラエティ番組「クイズヘキサゴン」でユニット“羞恥心”を結成し、大ブレイク。今年50歳を迎えたつるの剛士さんは、私生活では2男3女の父親で、芸能界初の男性育休を取得したことも大きな話題に。
そんなつるのさんの、子育ての秘密が詰まった書籍『つるのの恩返し』。今回は本書から、奥さんである美紀さんのインタビューを特別掲載。美紀さんから見た、家族内でのつるのさんの姿、そして子育てにおいて大切にしていることとは?
普段は「大きな長男」。いざという時はファイナルウェポン
家族内でのつるのは、良くも悪くも「大きな長男」です。少年がそのまま大きくなって、楽しく人生を謳歌している感じです。一般的な夫・父とは違うかもしれません。子どもたちとも、親子という感じではないんです。息子たちとは、一緒に遊んでいるイメージしかありません。末っ子の絢斗とは釣り、将棋、バイクと共通の趣味に打ち込んでいます。娘たちの会話にもよく交ざっていて、誰かが音楽の話をしたら、「今、何が流行ってるの?」「これ誰の曲?」など、いろいろ聞いたり。そこに親子の壁や世代の壁のようなものはありません。
つるのがファイナルウェポン的立ち位置というのは、その通りです。重大な問題があった時に、子どもたちを𠮟る。普段、小言を言うのは私で、つるのは何も言いません。だから、私の報告でつるのが出てくると、怖いんでしょうね。「これは大変なことになってしまったぞ」と。長男に対しては、私たちがまだ親として経験不足だったのもあって、つるののファイナルウェポンが再三発動していましたが、徐々に減って、最近はほとんどなくなりました。
心がドキドキしたら、とりあえずやってみる
「子どもの自主性を育む」ことを、つるのと私は大切にしています。子どもたちが小学生の時には、自然のフィールドで四季折々のアクティビティを行う冒険団に入団させました。ルールを守り、危機管理能力を育んで、全力で自然界で遊ぶ。わが子たちにはピッタリな環境でした。また、物事は「できるか、できないか」ではなく、「やるか、やらないか」だと伝えています。自分の心が何かにドキドキワクワクしたら、やってみる。ダメだったら、やめればいい。ただ、やめる際には後悔しないように自分が納得いくまで考えてね……との条件付きです。
徹底的にリサーチして、何本ものレールを敷く
教育については、夫婦の間で意見の相違や対立は全くありません。学校や習い事などは、子どもの意見や希望を聞きながら、私がほぼ決めています。それに対して、つるのは全肯定です。私の判断を全面的に信頼してくれているんだと思い、子どもにとってベストな環境のリサーチについては、いつも徹底的に行います。仕事柄か性格なのか、とことん調べつくすことが好きなのです。大切な家族のことならなおさら。子どもの性格、習性もそれぞれですから、その子に合ったあらゆる選択肢を提示する。いくつものレールを子どもの前に敷くようなものですね。どのレールを選び、そのまま突き進むのか、途中で別のレールに切り替えるのか、それは子どもの主体性に任せます。
たとえば長男の海外留学は、本人の「留学したい」という希望が出発点になっています。それで私のリサーチアンテナがフル回転し、ネットの情報収集はもちろん、経験された方や詳しい方などにお話を聞いたり、長男と留学フェアに数回参加したりもしました。小学生時代から所属していた冒険団での経験もあってか、彼は自然豊かな環境が大好きでした。ウィンタースポーツにも親しんでいましたから、留学先としてベストな国はすぐに決まりました。長女も幼い時から変わらずに抱き続けている夢を叶えるため、海外の大学に留学しています。
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成績や周囲の評価を気にして決める進路は、重要ではない