2025年10月3日と4日の2日間、横浜アリーナを舞台に開催される『FORCE MAGAZINE PRESENTS FORCE FESTIVAL』は、世界を席巻するヒップホップ界のトップランカーたちが集結する、国内史上最大規模のヒップホップフェスティバルだ。豪華な顔ぶれが、横浜の夜を熱狂の渦に巻き込む。
過去四回に続き、この歴史的なイベントを彩るインターナショナルアーティストたちを紹介する。
■FERG
FERG
FERGは現代ヒップホップ/トラップ・シーンにおいて重要な人物である。1988年10月20日、ニューヨーク・ハーレムで生まれ、A$AP Mobのメンバーとして活動。2013年1月、Polo Grounds MusicおよびRCA Recordsとソロ契約を結び、この契約を契機にキャリアを本格化させた。
2012年にリリースされたシングル「Work」で注目を集め、この楽曲はリミックス版も含めてナイトクラブで大ヒット。2013年にはデビューアルバム『Trap Lord』を発表、各方面から高評価を受け、Billboard 200で初登場9位を記録した。収録曲「Shabba」「Work Remix」もクラブの定番曲となり、彼の存在感を決定づけたと言える。同年のBET Hip Hop Awardsでは「Rookie of the Year」を受賞。
さらに存在感を拡大させたのが、2017年6月13日にリリースされた「Plain Jane」である。Kirk Knightがプロデュースしたこの曲は、Three 6 Mafiaのクラシック「Slob on My Knob」からビートやフロウをサンプリングしており、独自のトラップ・サウンドとハーレムのストリート感覚を融合させた作品として評価された。さらにNicki Minajをフィーチャーしたリミックス版もヒットし、Billboard Hot 100で26位を記録。日本のナイトクラブでも爆発的にプレイされ、FERGの代表曲として定着した。その後も勢いは止まらず、2020年にはNicki MinajとMadeinTYOをフィーチャーした「Move Ya Hips」でBillboard Hot 100の19位を記録し、キャリア最高位を更新。こちらもクラブで大きな人気を集めた。
ハーレムのストリート感覚と洗練されたサウンドが融合したFERGの音楽は、トラップミュージックの可能性を押し広げてきた。A$AP Mobで培った美意識と個人の創造性が調和し、彼は現代ヒップホップにおける確かなポジションを築いている。
『FORCE MAGAZINE PRESENTS FORCE FESTIVAL』Day1でFERGが横浜アリーナのステージに立つとき、その場には彼特有のエネルギーが満ちることだろう。「Work」「Shabba」「Plain Jane」「Move Ya Hips」といった日本のナイトクラブでも大ヒットした代表作が響き渡れば、観客はハーレムのストリートカルチャーとトラップ・ミュージックの核心を体感するはずだ。
■ATL Jacob
ATL Jacob
アトランタ出身のATL Jacobは、現代ヒップホップ界で最も注目される若手プロデューサーの一人だ。14歳でビート制作を始め、地元アトランタのストリートカルチャーに影響を受けながら、独自の音楽性を磨き上げた。やがてFutureのレーベル「Freebandz」のインハウスプロデューサーとして頭角を現し、トラップやモダンヒップホップの最前線で数々のヒット曲を生み出してきた。
これまでに手掛けた代表作には、Futureの「Wait for U」(Billboard Hot 100 1位)、Kodak Blackの「Super Gremlin」(同20位)、Lil Babyの「Right On」「Real as It Gets」、そしてFeidの「Luna」などがあり、いずれも世界中のクラブやフェスでプレイされる人気曲だ。これらの楽曲では、ATL Jacobのビートが曲の世界観を作り上げ、アーティストの個性と絶妙に絡み合うことで、リスナーに強烈な印象を与えている。
彼のプロデューススタイルは「ダークでメロウ」と評され、緻密に構築されたビートと感情的なメロディが融合し、聴く者を深く引き込む力を持つ。
2023年にXXL Awardsで『Producer of the Year』を受賞し、業界内外で高く評価されているATL Jacobが、『FORCE MAGAZINE PRESENTS FORCE FESTIVAL』Day2に登場する。同日にヘッドライナーとして出演するFutureとのサプライズ共演も十分に期待でき、もし両者のコラボレーションが実現すれば、横浜アリーナの会場は瞬く間に最先端ヒップホップの熱気で満たされるだろう。ATL Jacobの緻密でメロウなビートとFutureの圧倒的なフロウが交錯する瞬間、観客は日本のフェス史上に残る圧倒的なライブ体験を肌で感じることになる。まさに、最新ヒップホップの最前線を目の当たりにする、歴史的瞬間を『FORCE MAGAZINE PRESENTS FORCE FESTIVAL』で体感できるかもしれない。
これほどの豪華ラインナップが一堂に会する瞬間は、まさに奇跡と言っていいだろう。こんな機会は二度と訪れないかもしれない。日本のヒップホップフェスティバル史に深く刻まれるであろう『FORCE MAGAZINE PRESENTS FORCE FESTIVAL』。体感できるチャンスを逃してはいけない。
Written by DJ SHUNSUKE
イベント情報
『FORCE MAGAZINE PRESENTS FORCE FESTIVAL』
2025年10月3日・4日
横浜アリーナ