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Haute Mode Hirataオートモードヒラタ
から広がる芸術的な帽子の世界
Rakuten Fashion Week Tokyo 2026 S/S、まだまだ語らせてください!
三宅一生、コム デ ギャルソン、山本耀司などのコレクションにも登場し、皇室のための帽子も制作してきた老舗帽子ブランド「オートモードヒラタ」のショーに行ってきました。
まだ、それほどたくさんのショーを見てきたわけではありませんが、フィナーレの瞬間、全身に鳥肌が立ってじわっと瞳がうるんでしまうほど感動し、初めてファッションショーの真髄に触れた気がしたのでした。
最初に登場したのは“Notre Dame”と名付けられた大きくて丸いクラウンが特徴のクロシェ。フランス語で「我が聖母」を意味し、パリで鍛錬を積んだ創設者・平田暁夫氏を称えます。続いて、造花があしらわれた華やかな帽子や、彫刻のように大胆なシルエットが登場し、芸術作品が自ら歩いて来てくれるような体験にワクワクが止まりません。
その後も、ワイングラスをさかさまにしたような “Martini”や、青森のねぶた祭をモチーフにした “Fiesta”など、精巧な技術の中にもユーモアが垣間見え、見る人を喜ばせようという気持ちが伝わってきて、本当に楽しかったです!
\ショーをInstagramリールで公開中🎥/
少し話が飛躍しますが、18世紀のフランスでファッションリーダーだったマリーアントワネットは、高くまで結い上げたかつらに羽やリボンを装飾するだけでは飽き足らず、頭に巨大な麦わら帽子や船の模型を乗せたりしていた、という逸話があります。しかもそれが結構貴族の間で流行っていたそう。
推し画家ヴィジェ・ルブランによるマリー・アントワネットの肖像画
私は17~18世紀の絵画が大好きで、とくにロココの絵画はファッションもとってもキュートで興味深いのですが、こと頭の盛り具合に関しては理解不能。おもしろいものが流行る時代もあるんだなと思っていましたが、今回のショーを見て腑に落ちました。
頭に彫刻のような帽子を乗せて宮殿を闊歩するワクワク感。友達同士、ちょっとやりすぎなくらいに頭を着飾って舞踏会に出かけた日には、それはそれは楽しかっただろうな~!
帽子の世界がこんなにも芸術的で愉快な可能性を秘めているなんて、時を超えて想像を巡らせてくれる素晴らしいらしいショーでした。
旅行ガイドブックの編集からファッション誌の世界に飛び込んだ『装苑』新米編集者。ファッションをビギナー目線で勉強中♡ 本と音楽、サッカー観戦が好き。