【速レポ】<中津川 WILD WOOD 2025>KREVA、音楽を楽しむ達人たちとの一体感「いいやつばっかだな」

凄腕のプレイヤーが集っているバックバンド・KREBandの演奏がスタートしてしばらく経ったところで聞こえてきたKREVAの声。「夏は終わったのかよ? 終わってなかったとしても俺のライブはまだ始まってないし、このフェスも続いていくぜ」──そしてスタートした「イッサイガッサイ」。夏が終わりつつある時期にこの曲を野外で体感するのは、格別の気持ち良さがある。掲げた腕を揺らし、手拍子をする観客の間に漂う昂揚感が、ステージから届けられるサウンドと美しく融合したオープニングであった。

◆ライブ写真

ビートを華麗に乗りこなしながら繰り出すラップが切れ味抜群だった「No Limit」。リミッターを一切かけることなく、高度なスキルに裏打ちされたラップを繰り出す様に息を呑まされたが、その次の曲「基準」も本当にとんでもなかった。かけていたサングラスを外したのが、彼の戦闘モードのスイッチだったのかもしれない。あの高速ラップを何かに喩えようとすると「往復ビンタ」「タコ殴り」「地獄突き」というような表現しか出てこない……。かっこいいラップとは何なのか? その基準がダイナミックに示されていた。

様々な人々が集まり、同じ時間を過ごす喜びを深く噛み締めさせてくれた「人生」。コーラスを務めているSONOMIがステージの前方に飛び出し、KREVAと歌声を温かく交わし合った「ひとりじゃないのよ feat. SONOMI」──さらに2曲が披露された後の小休止。「俺には全員で歌える曲がない。じゃあ、どうすればいいか? 練習すればいいんですよ。このフェスが未来永劫続くように、この場からパワーを発して、みんなで声を出していきましょう!」KREVAが呼びかけ、軽く練習してから突入した「Na Na Na」は、とても楽しいひと時となった。観客の歌う《ナナナナナ》がどんどん熱を帯び、高まり続けた掛け声や手拍子。極上サウンドを身体で感じながら無邪気に歌うのは、やっぱり猛烈に楽しい。フィールドを埋め尽くしていた人々は、誰も彼もが音楽をエンジョイする達人となっていた。

「パーティはIZUKO?」が後半に差し掛かったところで「ここに今日が楽しくないと思っている人なんていないでしょ? だからでっかく返してほしい」と観客に呼びかけたKREVA。彼が《パーティはIZUKO?》と歌う度に観客が返す《ここだ!》が、ウキウキしたムードを果てしなく高めた。そして再び迎えた小休止。「ありがとうございます。いいやつばっかだな。後ろの方も言えばやってくれる」──素晴らしい盛り上がり方をした観客を賞賛したKREVAは、さらにMCを続けた。

「今日1日を楽しんでほしいし、俺の曲が心に残って力になったら嬉しい。みんなの1日にパワーをあげられる曲をラストに選んできました」──そしてスタートした「Expert」。《君は君のExpert》や《どこに向かうのかなんてのは 後でわかるから進め》が印象的だった一節として思い出される。届けられたメッセージが観客の心を鼓舞しているのを感じた。続いて「アグレッシ部」。メロウなサウンドが鳴り響く中、雄々しく躍動したKREVAのラップ。《今日は俺が俺の味方 広い世界 ただ一人になろうが》と一緒に歌いながら瞳を潤ませている観客が少なからずいた。

ラストを飾ったのは「音色」。KREVAの音楽に対する熱烈なラブソングとも言うべきこの曲は、生き様や信条も生々しく伝えてくれる。甘美なメロディを歌い、ドラマチックなフロウも繰り出しながらラップする姿が雄々しかった。エンディングを迎えると、「最後まで楽しんで帰ってください!」と言い、ステージを後にしたKREVA。彼のファンはもちろん、他のアーティストのグッズを身につけた観客も全力で拍手をしている。普段ロックを中心に聴いている観客も、魅力を目一杯に体感したに違いない。

取材・文◎田中 大
撮影◎ハタサトシ

■セットリスト
1​. イッサイガッサイ
2​. No Limit
3​. 基準
4​. 人生
5​. ひとりじゃないのよ feat​. SONOMI
6​. Na Na Na
7​. パーティはIZUKO?
8​. Expert
9​. アグレッシ部
10​. 音色

■<中津川 WILD WOOD 2025>
9月20日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
9月21日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
open10:00 / start11:00 / 21:00終演予定
岐阜県中津川市茄子川1683-797
【Day1:9/20(土)出演者】※A-Z順 
ザ・クロマニヨンズ、Def Tech、04 Limited Sazabys、Hedigan’s、HEY-SMITH、一青窈、jo0ji、JUN SKY WALKER(S)、神はサイコロを振らない、KREVA、日食なつこ、Nothing’s Carved In Stone、奥田民生、レキシ、サバシスター、SiM、土岐麻子、東京スカパラダイスオーケストラ、ヤングスキニー、レトロマイガール!!(Opening Act)
【Star Guitar】DJ 西寺郷太(NONA REEVES)、須永辰緒(sunaga t experience)
【Day2:9/21(日)出演者】※A-Z順 
ACIDMAN、The BONEZ、Chilli Beans.、Dragon Ash、GLIM SPANKY、go!go!vanillas、iri、木村カエラ、Omoinotake、Original Love、Penthouse、Rei、レトロリロン、スガ シカオ with FUYU、水曜日のカンパネラ、打首獄門同好会、w.o.d.、吉澤嘉代子、Khaki (Opening Act)

 

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