劇場版『チェンソーマン レゼ篇』(公開中)の公開記念舞台挨拶が9月20日、TOHOシネマズ日比谷にて開催され、デンジ役の戸谷菊之介、マキマ役の楠木ともり、早川アキ役の坂田将吾、暴力の魔人役の内田夕夜、天使の悪魔役の内田真礼、東山コベニ役の高橋花林、レゼ役の上田麗奈ら豪華声優キャストが登壇した。
【写真を見る】原作者、藤本タツキからのメッセージ&イラストにキャスト陣が大興奮!制服姿のレゼに「かわいい」「たまらん!」の声も
藤本タツキの漫画「チェンソーマン」を原作に2022年にTVアニメ化。劇場版となる本作では主人公のデンジが偶然出会った少女レゼに翻弄されながら、予測不能な運命へと突き進む物語が描かれる。アニメーション制作はTVアニメに引き続きMAPPAが担当。主題歌は米津玄師の「IRIS OUT」、米津と宇多田ヒカルのコラボレーションによるエンディング・テーマ「JANE DOE」も話題を集めている。
デンジ役の戸谷菊之介
舞台挨拶前日の19日に公開された本作は、公開1日目で観客動員数27.2万人、興行収入4.2億円を突破。最終50億円を狙える大ヒットスタートを切った。早速反響もすごいと明かした戸谷は「ハッシュタグをつけて感想を呟いてくださる方もたくさんいます。興奮冷めやらぬ文章で呟いてくださっているのを見ています。すごくうれしいです」と満面の笑みを浮かべ感謝。「音響がすごいので、映画館で観る価値があります!」と力を込めた戸谷は「オープニングを観ているだけでも興奮するし、途中では夜の学校のシーンや殺し屋が出てきてちょっとホラー調になる時の音響もいい。もちろんアクションシーンの音響も!」とテンション高めに映画館で観た感想を伝え、「ずっと興奮しっぱなしです!」と映画館で堪能してほしい作品だと念を押していた。
マキマ役の楠木ともり
楠木が観たかったのは、舞台挨拶中にスクリーンに映し出されていたビジュアルだそうで、「これを劇場で観たかった。これを観て絶望したかった…」と念願のシーンへの強い思いを明かす。本作ではデンジとマキマの映画館デートのシーンが登場する。坂田は「映画館のなかの描写がすごく細かくて。映画館でそれを観ているとちょっと変な感じがします」とニヤニヤしながら「そこも含めて、映画館で観ることができてよかったと思うし、ぜひ、映画館で観てほしいと思います!」と呼びかけた。
内田(夕)も映画館のシーンが印象に残っているようで「隣にデンジがいるのでは?という気分になります」とちょっと特別な気持ちで楽しめるとおすすめ。「水の表現がすごい!」とお気に入りポイントを挙げた内田(真)は、「息ができなくなるような感覚もあるし、ずっとドキドキしていて。このドキドキはなんのドキドキなんだろうという気持ちで楽しみました」と、映像表現のすばらしさで息苦しさを体感できると同時に、描写にもドキドキできると、自身が鑑賞中に感じていた”ドキドキ”の種類について解説した。
早川アキ役の坂田将吾
「没入感がすごい!」と話した高橋は「画の質感が違う。サイケデリックなものもあれば、リアル調のところもあって。いろいろな質感を大きな画面で観られるのがすごくよかったです!」とこちらも興奮気味に感想を伝える。「花火のシーンやプールのシーンは原作を読んでいる時から楽しみにしていたところなので、映画になってとても感動しました」と話した上田は「(映画では)なんてことないシーンでもグッとくるところがありました。ただ歩いているシーン、カフェ『二道(みち)』に向かうレゼ。映像になったからこその印象の残り方。2回観るとグッとくるシーンがあると思います!」とリピート鑑賞で味わい尽くしたい作品だとおすすめ。公開後なので上田がレゼとボムを演じていることに関しては話してOKということで、演じ方について訊かれると、「レゼはデンジがマキマさんと迷わなければいけないくらい、魅力的な女の子として演じていかなければならない。距離の近さやテンポ感、ノリの近さなど、手の届くかわいい女の子を意識して演じました」とレゼの表現で意識したことを語る。
暴力の魔人役の内田夕夜
マキマさんを大好きなデンジの心を奪う役割はとてもハードルが高いとしながらも、「スタッフのみなさんの力を盛大にお借りして、デンジをドキドキさせようとしていました」と振り返った上田。ボムについては「デンジをドキドキさせる必要はなくなるので、すごく引き算(のお芝居)。心ではなく心臓を奪うことに気持ちを置き換えました」と切替を説明した上田は、「レゼとボムがあるなかで、もう一人、三人目の”彼女”がいるようにしっかりと心がけていました」とも付け加え、この”三人目”の存在については「ところどころにちらっと出ているので、何度も観て見つけて下さい!」と、再びリピート鑑賞へと誘っていた。
天使の悪魔役の内田真礼
デンジの心がレゼに向かっていく様子を「うらやましいなと思っていました」と話した楠木は「マキマに対してデンジは掴み取ろうと必死な感じで真っ直ぐさがあります。レゼと話している時のデンジは大事に大事に壊さないようにしているような印象があって。思春期の男の子らしさがすごく出ているし、二人を観ているとグッときます。心を動かされたし、だからこそなんて苦しいんだ…って思いながら観ていました」と二人の関係性の変化と結末への思いにも触れていた。「デンジはレゼと接している時は、スカした感じがする」との戸谷の指摘に、「カッコつけようとしている!」と反応した楠木は「そういうところがデンジのかわいいところだなと思います」とニッコリ。
東山コベニ役の高橋花林
内田(真)は「恋愛って人をどこかおかしくするところがあるって言うけれど、まさにそんなところが見えました。デンジはTVシリーズの時よりもバカになっている(笑)。でもレゼは魅力的だと思ったから『そりゃそうだよね』ってなる」と心が揺れ動くデンジに「バカだな」と思いつつも共感はできるとし、それを表現した戸谷の芝居については「本当にすばらしい。だからデンジがすごい大好きでした」と魅力を熱弁。「マキマさんに対しては快楽に直球という感じのイメージがあったけれど、レゼといる時はクラスメイトといる時みたいな感じ。人間の心みたいなものが見えにくかったデンジが人間味を増すような感情を生ませたのはレゼ。レゼのおかげで成長に繋がったと思います」とデンジの変化を分析した高橋。
レゼ役の上田麗奈
内田(夕)は「男性は往々にして快楽に直球のハードなバカだから…そりゃそうなります」と女性キャスト陣から出たデンジ評でのパワーワードを並べ会場の笑いを誘う。「デンジの気持ちで観ちゃう」と反応した坂田は「だってデンジは16歳。男子高校一年生なんだから、揺れ動くに決まってます!」とデンジを擁護。内田(夕)は会場を見渡しながら「客席の男性全員が頷いています!」と報告すると、大きな拍手が湧き起こっていた。
デンジの変化、成長も見どころ
最後の挨拶で戸谷は「何度も楽しめる映画です。1回目はずっと興奮しっぱなしで、いつの間にか終わちゃっていました。細かい演出、こだわり、小ネタもたくさんあって観てほしいです」と再びリピート鑑賞をおすすめ。さらにインタビューなどでキャストがどう演じたのかを読んでから観ることもリクエストし、「見方、視点が変わってより没入できると思います。何回観ても面白い映画になっているので、(特集やインタビューなど)いろいろと展開しているものと絡めながら楽しんでいただければと思います!」と様々な情報を取り込んでから、より深く味わってほしいと呼びかけ、大盛り上がりのイベントを締めくくった。
スクリーンに映るのは楠木が観たかったシーン
イベントでは原作者の藤本からのコメントとイラストも到着し、スクリーンに映し出された。制服姿のレゼにキャスト陣は大興奮。特に上田は「うれしい。頬が赤くなっていないレゼだ!」と長い時間イラストを見つめ「ネタバレしながら話したい!」ともっともっと話したいことがたくさんあると叫び、キャストと観客を笑わせていた。
取材・文/タナカシノンブ