【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2025>トップバッター・ENTH「もう任せとけ、みたいな感じ」

10周年を迎えた今年の<山人音楽祭>、その幕開けとして赤城ステージを激しく揺さぶってくれたのがENTHだ。

昨年は榛名ステージのトップバッターを務め、見事なまでにフロアをグチャグチャにしていたが、それは赤城ステージとなっても変わらない。挨拶代わりというには強烈すぎる「SLEEPWALK」を深く響かせれば、ENTHが放つ光に惹き寄せられるように観客も躍動。ライブが噴火するキッカケとしてよく見受けられる速いビートではないが、そこはバンドが持つ力がなせる技に違いなく、いきなり需要と供給がマッチして会場全体のボルテージがグッとアガっていき、終わってみれば、その上昇スピードは最後まで落ちることがなかった。

「オレらはやりに来てるけど、どうだい?」「山人、やろうぜ!」とダト・ダト・カイキ・カイキ(B, Vo) が呼びかければ、観客も当然だと言わんばかりに大声を上げ、伝家の宝刀「ムーンレイカー」では大きなシンガロングが生まれ、そうならば、とENTHもエッジが効きまくったダンスナンバー「”TH”」や「A FLY」で深くエグっていく。

ダトが右・左・正面と順番にレスポンスを煽ったり、「エイエイオー!」と掛け声を上げたり、6年越しに辿り着いた赤城ステージに立てた喜びを爆発させながら、「着火剤みたいな役割になろうと思ってる」と公言した通り、中盤戦以降もとにかく攻めっぱなし。ジャブではなくストレート級なパンチ力でラッシュを決める「Urge」や生きる喜びと意味を改めて観客と共有した「TEARS」といった曲を炸裂させながら、最後の最後まで全力でフルスイング。ライブ後、榛名ステージのKOTORIへ向かう多数の観客が汗だくで息切れまくっていたのが何よりの証だった。

   ◆   ◆   ◆

──赤城ステージのトップバッター、お疲れさまでした。思い返せば、去年は榛名ステージのトップバッターでしたよね。

ダト・ダト・カイキ・カイキ(B, Vo) :あっ、そっか。

──MCでもあったように、起爆剤として盛り上げてくれるんだろうな、と観客側も思いつつ、自分たちとしてもその責務を果たそうみたいな意識はありましたか?

ダト:去年はトップで酒を飲むの、ちょっと嫌だなっていうのがあったんですけど(笑)。

ナオキ(G):時間帯的に(笑)。

──ENTHはライブの最初にテキーラで乾杯しますもんね(笑)。

ダト:しかも、「みんなシラフでENHT観て楽しいの?」って思ってたんですけど、今年は(夏フェスで)メインステージのトップが多かったんで、もう慣れて。もう任せとけ、みたいな感じではありましたね。

ナオキ:朝イチ、ちょっと上手になったなと(笑)。いい感じに持っていけてますね。

タクミ(Dr):会場の反響(音)が少し難しいところもあったんですけど、めっちゃ楽しかったです。

──ぶっちゃけるとボーカルはたいへんじゃないですか。声を起こす為、めっちゃ早起きしたり。

ダト:あぁ、それはそうっすね。でも、(入り時間には)ケータリングもマッサージもあって。そのへんが流石だし、最高でしたね。

──2019年の初出演から数えて6年越しの赤城ステージでした。ステージの大きさに偉いも偉くないもないでしょうけど、大きいステージを任されることに嬉しさは?

ダト:ありますね。フェスのメインステージぐらいの規模感になってくると、ぶっちゃけ手応えがよくわからなかったんですけど、最近はそれも少しずつ掴めるようになって。やっぱり、(ライブハウスと比べて)お客さんとの距離が遠いので。

──今日も歓声が聴こえるところが見えないって話してましたよね。

ダト:スタンドの方は照明の加減で見えないんです。ただ、自分たちが気持ちよくライブをしてたら、反応があるのがわかってくるし。基本的には(会場が)狭い方が好きなんですけど、大きいところの気持ちよさも最近は心得てきましたね。

──大きい会場の良さを挙げるとすると?

ナオキ:音が抜けることによって、ロックスター感があるんですよ。

ダト:サブステージよりもでっかい音で包み込まれる感とか。

──パフォーマンスが映えるところもありますよね。

ダト:みんなに見えますからね。

ナオキ:ただ、こういうおっきいところでやった後に小箱でやると、脳汁の出方が違うんですよ。どっちが好きか、って言われたらムズいけど、小箱には小箱の良さがあるし。

ダト:だから、どっちも好きだよね。

──そういう意味ではフェスでライブの楽しさを知った人たちにライブハウスへ来てもらえたら、っていう。

ダト:そうっすね。間違いなく、どっぷり浸かることになると思います。

──そっちにも引きずりこめれば、尚良し。

ダト:その為にも、こういうおっきいステージでもちゃんとライブをしたいなと。

──ちなみに、MCで右・左・正面みたいなコール&レスポンスをやってましたけど、あんまり観たことないなと思って。

ダト:初めてやりましたよ(笑)。

一同:ハハハハ(笑)。

ダト:もっとスベって笑けるかなと思ってたら、みんな普通にやってくれて恥ずかしい雰囲気になりました(笑)。

──あれは外しとしてやってみたような?

ナオキ:あれでしょ、喋ることなかったんでしょ?(笑)

ダト:思いついてなくて、やってみたら声が聞こえたからやってみた(笑)。

──そうだったんですね(笑)。でも、そんなことをやれるぐらいの余裕も今はあるのかな、とは感じましたよ。

ダト:あれをお笑いとして受け取ってくれたらいいんですけど、「ENTH、今こんなのやってんだ!?」ってなったら終わるっす。

タクミ:解散っす(笑)。

──<山人音楽祭>に集まってる観客はわかってくれてると思いますけどね(笑)。1曲目が「SLEEPWALK」でしたけど、決して速い曲ではないじゃないですか。やっぱり、どうしてもライブが盛り上がるキッカケって2ビートだったりもするけど、「SLEEPWALK」が始まった途端、駆け寄る観客がいっぱいいましたからね。昨年から今年、榛名から赤城、ステージと共にバンドもスケールアップしてるなと感じましたよ。

ダト:あぁ、それなら良かったす。リハのとき、マジで20人ぐらいしかいなくて、かかってこいよ、って感じだったんで(笑)。

──ハハハハ(笑)。でも、ああやってたくさん観客と共鳴するといいですよね。

ダト:ライブって、オレらがいい演奏をするだけじゃなくて、ちゃんとキャッチボールというか、やり合いだと思ってるんで。フロア込みのライブ、そういう瞬間を一緒に作っていきたいし。

──G-FREAK FACTORYのことを「ローカルバンドとしてホントに尊敬してます」ともライブ中に語ってました。刺激を受ける存在ですよね。

ダト:もちろん、そうです。例えば、茂木さんひとりとっても、真逆ではないんですけど、自分にはないモノを持ってる存在だし。

──同じクラスにいたとしたら友達にはなってます?

ダト:どうでしょうね……出し物を一緒にやったら揉めるかもしれないです(笑)。

一同:ハハハハ(笑)。

ナオキ:部活は違うだろうね(笑)。

ダト:でも、表現の仕方が違うだけ、というか。G-FREAKがする表現はENTHと共通点はあるけど、自分らにないモノを凄く持ってるバンドだと思うんで。世代関係なく、めちゃくちゃリスペクトしてますね。

取材・文◎ヤコウリュウジ
写真◎淵上裕太
ライブ写真◎HayachiN

■G-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭 2025 ~10th Anniversary~>
9月20日(土) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
9月21日(日) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
〒371-0035 群馬県前橋市岩神町1-2-1
open9:30 / start11:00 / 終演20:00※予定

▼9/20(土)出演者
Age Factory / ENTH / かりゆし58 / 氣志團 / KOTORI / G-FREAK FACTORY / SHANK / 上州弾語組合 / SKA FREAKS / 高木ブー / DJダイノジ(大谷) / 10-FEET / TOTALFAT / 花冷え。 / HAWAIIAN6 / The BONEZ / locofrank / ROTTENGRAFFTY(※五十音順)
“能登半島応援企画 MAKE A PROMISE TO NOTO (Tokyo Tanaka×バカビリー×高橋ちえ)”
▼9/21(日)出演者
片平里菜 / G-FREAK FACTORY / J-REXXX BAND / JUN SKY WALKER(S) / 上州弾語組合 / 四星球 / 竹原ピストル / NakamuraEmi / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / Hump Back / BANYAROZ / 04 Limited Sazabys / FOMARE / BRAHMAN / HEY-SMITH / 山嵐 / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS(※五十音順)

『山人MCバトル×戦極MCバトル』※開催は9/21(日)
Armadillo / bendy / DOTAMA / FCザイロス / GOMESS / KOOPA / 溝上たんぼ / NAIKA MC / 歩歩 / risano / Sitissy luvit
DJ:R da Masta
司会:K.I.G

『上州弾語組合』
9/20(土) 清水 明夫 / KIE Anderson / garb / 16号。 / 横山 ナオ / 上原梅弦
9/21(日) 高平 悠 / 山口 貴大 / 茂木 拳 / 鹿山 音楽 / ジュンペイ / 藤井 トモカズ

▼チケット
・各1日券 9,500円(税込)
・2日券 18,000円(税込)
・駐車場付 1日券(9/20)※SOLD OUT
・駐車場付 1日券(9/21)※SOLD OUT
・駐車場付 2日券 ※SOLD OUT
(問)DISK GARAGE https://info.diskgarage.com
主催:DISK GARAGE/BADASS/上毛新聞社
企画・制作:DISK GARAGE/BADASS

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