【動画版】#02 映画「PLAN75」早川監督初長編作品にしてカンヌのカメラ・ドール受賞作品【シネマ酒場】
[音楽] [音楽] こんばんは。え、毎週水曜の夜に回転する シネマ酒。本日も営業していきます。え、 ま、このポドキャスト、え、前回からね、 第1回目からずっと酒場という名前をつけ ておりますが、え、私がこのシネマ酒で何 設定なのかと聞かれまして、ま、何 でしょうね、決めてなかったんですけど、 こう酒場の狼とかは違うかなと思っていて 、どちらかというと酒場で1人で飲んでる ま、女のイメージですかね。ま、1人で 飲んでるけど映画について語りたくて隣に 座ったお客さんに勝手に映画を語って絡む みたいな。ま、本当にいたらちょっと うざい人ポッドキャストだから許される みたいな設定ではい。話しています。え、 前回、前回初回の放送を録音して、え、 アップする前もアップしてからも多少こう 身近な人たちから意見をいただいたんです ね。ま、ポッドキャストやるなんて初めて なので。で、その時に言われたのがこう らしくないねっていう言葉だったんです。 で、まあ、普段私こうな、何て言うかな、 えー、結構こう性格がひねくれてると思っ てるんですけど、えー、ひねくれてしまっ ているので、こう、辛口とか独絶とか言わ れることもこう、多々ありで、前回の アノーラの紹介をしたんですけど、 アノーラの評価は、ま、ずっと絶賛してい て、え、辛口もないし、まあ、私らしく なかったんでしょうね。で、口映画評論 みたいなことやればっていうのも言われた んですけど、 でね、あの、じゃあ、じゃあそうしようと は思わないんですよね。ま、これも私が ひねくれているうちの1つかもしれないん ですけど、あの、私、え、ま、自分で映画 を作っていて、短編映画作っていて、こう 自分で作ったからこそ映画を作るって本当 どれだけ大変で、どれだけ思いがないと やり遂げられないかっていうのをもう知っ てるんですよね。もう知っちゃってるので 、 ま、どんな打作と言われる作品でも制作者 たちの思いがあってこう作られている。ね 、だから個人的にはこう映画やドラマには 最大限のリスペクトを持って接したいなと 思っているんですけど、ま、こういうね、 こうこうやけの誰でも聞けるような場で こう映画やドラマの悪口を言わないように こう告評しないようにしたいなと思ってい ますので、え、まあ口 じゃない映画評論なんてつまらないっって いう方は全然あのこのポドキャストつまら ないと思うので、え、他のね口評論の方を 聞きに入っていただけたらなと思います。 ま、私はこうできる限りその作品の私から 見た本命ポイントを伝えていって、こう 是非ね、あの映画を見てもらいたいんです よ。で、映画をね、あの、たくさん いろんな作品を見ていただいて、こう、 もっとこう、映画を楽しむ人が増えてくれ たらいいなと思っていますし、まあ、ま、 何よりこのポッドキャストのコンセプトが こう皆さん疲れて仕事で疲れて書いた1日 の終わりにこうグラスにふと力を抜いて もらえるような、え、晩酌のおになれる ような番組というもので、あの、設定して おりますので、こう穏やな、温かい時間を 作れたらいいなと思っています。はい、で は今回第2回目の今日は、えー、割と最近 の方がなんですが、ご紹介したいなと思い ます。え、この作品は、あの、脚本もこう シナリオ州で買って読ませていただいてい て、こう脚本と照らし合わせながら見たり もした作品なんですね。で、その上で本当 にあの表現とかテーマ性とか本当 素晴らしいな、すごいなと思った作品です 。え、2022年6月に公開された、え、 プラン75という作品です。で、監督脚本 は早川ち恵さん。え、最近あのルノワール という作品があのカヌ行ってますよね。で 、その映画の監督も早川ち恵さん、早川 監督です。で、このプラン75、この映画 があの早川監督の初めての長編映画作品に なるそうです。で、え、ま、第75回の間 国際映画祭のある視点部門にも出品された 作品ですし、第46回の日本アカデミー賞 でもあ、主演の賠償子さんが優秀主演女優 でしたので、ま、この映画見ている方も 多いんじゃないかなと思います。で、私が なんでこの作品を紹介したいかと言うと、 早川監督は、え、カヌでは新人監督賞に あたるカメラドールのスペシャル メンションを受賞していて、え、日本 アカデミー賞でも優秀脚本書で、他にも ブルーリボン賞の監督賞を毎日映画 コンクールでも脚本書受賞。ま、なだたる 映画コンクールで監督と脚本が評価され まくっているっていうことなんですよね。 で、ま、初めての長編作品で脚本監督を 勤めて、え、ここまで評価される才能が、 ま、シンプルにすごいなと思って、え、 シナリオを読んで映画を見たわけです。で 、このプラン75 あすを紹介しますと、舞台は、え、 ちょっと先の日本なのかな。で、少子高齢 化がますます、こう老人を無差別に襲う ような事件も起き出した日本が背景にあり ます。で、ま、そんな日本で75歳から、 え、自らの精子を選択できる制度プラン 75が導入されるんですね。要は75歳 以上の高齢者は、え、本人が望めば暗落し できますよっていう、え、の制度なんです 。で、仮想とかも無料でこのプランを使う 人には1人当たり10万円も支給される。 ま、社会はそれをこう当然のように映画の 中のね、社会はそれを当然のようにあの 受け入れていくんですよね。大女優の外償 知恵子さんがこの主人公未を演じているん ですが、こう未を中心に高齢者や若い世代 がこの制度をこうどう受け止めてこうどの ように生けるか命と向き合っていくの かっていうところを描き出しています。で 、早川監督がこう命の価値を数字や生産性 で語る社会に対して危機感を持ったこと から生まれたらしいんですけれども、 えっとこの作品ではこう年齢で線を引か れる未来にこうずっと継承を鳴らしている イメージです。 人がね、生きることの意味っていうのを こう映画の冒頭からずっとラストまでこう 問い続けている、問いかけているような 作品です。75歳で、まあ生きるか死ぬか 決めていいですよって言われたらどうし ますかね。うん。死んでもいいよって言わ れるわけですよね。国からその方が国は楽 になるよっていう制度なんですけど、 なんかね、むかつきますよね。もう一生 懸命働いてうん。家族や国を守ってきた 高齢者がもういらないって言われる世界戦 。 私がこの作品を見て持った感想は、えっと 、若者とか老人、テレセンターの人、 電話口のお客様、ま、区役所の窓口の人と か、あと住民市民とかですね、こう記号で しかなかった人たちが言葉をかわして、 こう時間を共有して、こうそれぞれの共通 点を見出してで、あの、相手の命を 感じ取っていく。で、冒頭からずっと命の 尊厳を傷つけて傷つけて傷つける作品なん ですけど、こう直接的な残虐な描写はなく て、 こう悪意はないけどじられる命っていう そういう残酷さを突きつけている作品なん ですね。なんかこううん。主人公の未の まだ頑張れるっていう葛藤だけがずっと その見えない暴力、見えづらい残虐性に 荒がっていてでその表現がすごい作品だな と思ったんです。 で、あの監督脚本もそうですけどさんの 演技もすごくてもう頑張る姿が残酷って いうのをこう描ける脚本も演じられる女優 さもすごいなって思いました。あの、 セリフがすごく多い作品ではなくって、 こう映像描写で語ることの多い作品で、 こう業界で世界をこう演出するっていう 作品ですね。で、ま、おそらく見た人に よって捉え方も変わるんじゃないかなって 思う描写も、あの、と々あって、で、あの 、それがね、本土とずれないように丁寧に 丁寧にこう作られた作品だなっていう感じ ですね。で、あの、ちょっとね、少しずつ この映画のすさについて話して、具体的に 話していけたらなと思うんですけど、えっ と、見てない人に若干ネタバレも含まれ ます。で、あの、あの、最後の最後の ネタバレはここではするつもりは、あの、 ありませんので、本当に1番最後の ネタバレまでは話しません。で、えっと、 このプラン75、もう冒頭からあ、あの 事件のことだなって思う描き方でしたね。 あの、作品見終わってから調べたら やっぱりあの、インスパイアされて作られ ていました。で、あの事件っていうのは、 あの相模原の障害者施設殺傷事件なんです けど、この映画の冒頭で、え、老人介護 施設で1人の青年がこう老人を虐殺する、 ま、事件を起こした後で、ま、老人施設で 事件を起こした後でなんで自分がこんな ことをしたかを語ってるところが始まり ですね。で、その犯人がこう、その語っ てる犯人が増えすぎた老人たちのし、 し寄せが若者に来ているっていうことを 嘆いてこの事件を起こしたんだって語っ てるんですけど、ま、その語りの中で、ま 、こんなことを言うんです。えっと、老人 たちだってこれ以上社会の迷惑になりたく ないはずだって。で、ま、そんなことを 勝手に思って勝手に決めて勝手に殺すん ですよ、この犯人は。で、やっぱりどうし たってこう相原の事件を思い出しますよね 。こう身勝手で、ま、身勝手な理屈で人の 命をこう本当に軽く扱う虫のように扱う 犯人をこう思い出したシーンでした。 川監督はこの事件であの人の命を生産性と いう言葉で判断するような人間がいること にあのすごくね、あの危機感を持ったと いうか心を痛めたんじゃないかなと思い ますね。 あの、なんかこうグラスに映画の話をとか 温かい時間にとか言ってたんですけど、 まあ思い内容になってきて申し訳ないなと 思うんですけど、 ま、それで、えっと、この犯人の自士の シーン、冒頭の自士のシーンから始まるん ですけど、 それもま、こうここでもうん、命がカんじ られてますよね。で、その犯人の自士の後 、こうラジオの音声でこのプラン75が 国会で可決されましたってラジオの音声が 流れるんですね。で、そのラジオの音声が 流れている間をずっとこう汚れた窓が 映し出されてるんです。結構長い時間。 あの、見返したら60秒、60秒間ずっと 映像が汚れた窓。これあの なんでラジオの音声と映像は汚れた窓にし たんだろうって思っていて、こう何かの メタファーかなって考えて、ま、 メタファーなんでしょうけどうん。最初は なんとなくそんなことを思いながら見てい たんですね。で、だんだん見ていくと、 あの、最初の窓ガラスこう絶対なんかこう 意思、作品の意思があったなって思えき ます。で、脚本を見返してみるとアノ窓 ガラスの表現は脚本上にはないんです。で 、えっと、脚本上では、あの、ガスって ガスの映像が流れる予定だったんですねと 、楽器にはそう書かれていて、 とでも映像ではあの汚れた窓ガラスになっ た。で、ガスでも汚れた窓ガラスでも、ま 、共通してこう早川監督が伝えたかった こと、きっとこう視界不良のメタファー だったのかなと感じています。こう見え にくさですね。で、ま、プラン75なんて いう制度なんてこう命の尊への視界が曇っ ているからこそ生まれた制度だと思います し、こう高齢者が増えすぎて、ま、増え すぎたからこそ彼らの生きにくさが ますます見えにくいとかその視界不良の 表現だったなってうん。思えてきます。で 、ま、あと脚本ではガスだったけど映像で は汚れた窓っていうのは、ま、この問題を こう放置して劣化させてしまったことの 表現っていうのはこう汚れた窓ガラスの方 があの適してたのかなっていうこうね、 正解は分からないんですけどうん。60 秒間もこう大切な冒頭で使った意味って いうのはこう何か絶対あったんだろうなっ てそんなことを思いました。はい。あの、 見た方もしいたら、あの、冒頭の窓ガラス 何の意味があったのかなって、もし考えた 方いらっしゃったら是非コメントいただけ たら嬉しいです。あとね、あの、 メタファーで言ったらこの映画あの映像で 意味を持たせるというか、こう映像で業感 を伝えるというか、そういう表現が とっても多くて、こうセリフは少ないん ですけどずっと考えさせられるんですね。 例えばあの主人公の未知が仕事を失って こう道路交通の誘導の仕事をするシーンが あるんですけどこう75歳でこう夜間の 交通誘導の仕事ってあのそれはそれは過酷 だと思うんですけどまそこでね未知があの 来ている警備服が点滅式のライトがつい てるんですけどま、あのよく交通誘導の方 が来ているこうチカチカ赤く点滅する服 ですよね。あの、あの点滅をまたあの長い こと移すんですよ。こうチッカチっかして いる赤い光がこう機械的なリズムであの 安全であるはずの光がなんかすごい危機感 を与えてくる。こう警告にさえ感じる。で 、またここのこう音楽も音もこう効果的で この映画の中でここら辺から徐々にあの 登場人物たち登場人物たちのあのそれぞれ の道が分岐していくんですよね。あの、 交通誘導の赤い点滅から映画の中では だんだんいろんな人の心の変化が生まれて いくっていうこういう表現もあの上手だ なって思って。でね、でもあのえっとこの シーン早川監督は1度カットしようとした らしいんですよ。で、あの、早川監督の インタビューをこうネットで記事になって たの読んだんですけど、えっと、ここの 部分は、え、交通誘導の部分はカット しようとしたけど、こう主演の賠償子さん がここは入れた方がいいって、あの、助言 をして、それで入れたと。で、他にもそう いうあのカット予定だったけど賠償さんが あった方がいいって言って入れたっていう シーンがいくつかあったらしくて、こう 結果入れた方が良くなったって言ってて、 こう賠償さんの作品をこう俯俯瞰してみる 目とこう監督の柔軟性とこうどちらも すごいなって思いました。で、あとね、 あの、意味を含ませ るっていうところでいいと、こう未知が 歌うりんごの木の下でって歌があるんです けど、ま、未知が職場の友人たちと公民館 でカラオケをしていて、そこで未が歌うの がりんごの木の下でっていう歌なんです けど、あの、これね、一度映画を最後まで 見てからこのカラオケのシーンを見返し たらこうもう本当ね、ちょっと涙が出て くるシーンなんですよね。 で、このりんご抜きの下でっていう歌も いろんな意味が含まれてて、この歌の歌詞 ってえっとりんごの木の下で明日また会い ましょうって言うんです。で、プラン75 を選択したらもう明日はないじゃないです か。明日は来ないじゃないですかね。で、 その残酷差がこの明るい歌で強調されて るっていう。うん。で、しかもあの、知ら なかったんですけど、このりんゴの木の下 でって原曲があって、そっちはアメリカで 1905年に作られている歌で、こう日本 語の歌詞はすごく明るい歌詞なんですけど 、こう原曲は死んでしまった、愛する恋人 への愛を歌ってる曲なんですよね。ま、 主人公の未はあの家族を失っている設定な ので、ま、そこもね、早川監督絶対分かっ てて、この曲入れてるんだろうなって。 うん。なんかすごく深い脚本だなって思い ますね。で、ストーリーの本編には関係 ないんですけど、ま、確実に映画を作って いる掛けがえのない要素っていうのが たくさんある作品ですね。こう見た人と 語りたいなっていうそんな映画でした。で ね、また登場人物たちも本当に魅力的で、 こうプラン75を申請するかどうか悩んで 葛藤する主人公の未っていうのを、ま、 賠償さんが演じていて、で、その他にこう 市役所のプラン75の神聖窓口で働く、ひ むっていう男の人。これはあの磯村裕ト さんがやってます。で、えっと、死を選ん だお年寄りに、あの、プラン75に申請し てもう死ぬのを待つだけのお年寄りにその 日が来る直前まで、あの、サポートする コールセンタースタッフの、えー、陽子 っていう女性の役を川ゆさんが演じてい ます。で、この2人もすごくとてもいいな と思います。で、あの、いわゆる若者代表 でこのプラン75にこう最初は無頓着でね 、仕事をこなしているだけなんですよ、 この若者たちは。でもだんだんあの、彼ら にも重くのしかかってくるんです。命と いうものが。で、 このシステムの存在にね、強い疑問を抱く ようになっていくんですよね、2人とも。 あとあのフィリピンから娘の手術費用を 稼ぐために単心で来日してるマリアって いう子も登場します。で、あのより稼ぐ ためにプラン75の関連施設に転職するん ですよね。で、娘の命を守るために、え、 その自分の娘の命を守るためにプラン75 で死んでいた老人たちのこう後処理という かそういう仕事をするんですね。この人物 いろんなこう 命との向き合い方を、え、語る上での大切 なキーマになっているんです。で、ま、 ちょっと長くなっちゃうので、あの、 それぞれの役所のすさみたいなのは今日は さ、あの、いっぱい話せないんですけど、 この3人以外の人物もね、あの、ひろの おじさんとかめちゃくちゃ良くて高尾た さんが演じてるんですけど、もう個人的に この映画の女演団優勝は私は高尾さんか なって思います。で、他にもあの未知の 職場のお友達とか脇を固めてる役者たちも 本当素晴らしくて脇役の大切さがこう しっかり分かる作品こう是非あの脚本も 面白いんですけどこう役者さんたちの 素晴らしさも見ていただけたらなと思い ます。はい。さて、ちょっと前回よりも 長くなってしまいましたが、ま、第2回目 のシネマ酒ばいかがでしたでしょうか? えっとね、あの、軽い気持ちで聞いて 欲しかったんですけど、2回目にして ちょっと重たい映画を選んでしまいました が、え、次回はもうちょっとポップな 楽しめる映画をご紹介します。この番組は 、あの、ポッドキャストで配信しています 。え、シネマの他のYouTubeの中で も、え、配信していますので、もし YouTubeのシネマの他、あの、まだ チャンネル登録されてない方がおりまし たらいらっしゃいましたら、え、 チャンネル登録していただけたら嬉しい です。えっと、パーシャルドラマと名付け たショートドラマも公開していますので、 是非そちらも1分で見れるものなので、見 ていただけたら嬉しいです。え、こ内容が しっかり分かるショートドラマとは違くて 、こうパーシャル部分的に脚本を抜き出し て映像と弟とモノログだけで構成されてる ドラマです。はい、是非チャンネル登録や いいねやコメントしてくれたら嬉しいです 。はい、それでは本日もご視聴ありがとう ございました。
短編映画やショートドラマの脚本・監督をしている宇山貴子が作り手目線で学び楽しむ、映画やドラマを紹介する「シネマ酒場」
第2回は、早川監督の初の長編作品にしてカンヌで新人監督賞に当たるカメラ・ドールのスペシャル・メンションを受賞している「PLAN75」をご紹介。自分だったら、何を選択するか。命に向き合う映画をご紹介します。
#PLAN75 #映画紹介 #アカデミー賞
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