カンヌ、ベネチア、ベルリン、世界3大映画祭で監督賞を制覇した唯一の監督、ポール・トーマス・アンダーソンが、主演のレオナルド・ディカプリオほかアカデミー賞俳優とともに贈る『ワン・バトル・アフター・アナザー』が10月3日(金)より公開される。このたび、ディカプリオ、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロら豪華キャストが、天才監督アンダーソンを語るコメントと、砂漠地帯の草原でディカプリオとともにフレームをイメージしながら演出するアンダーソン監督のメイキング写真が同時解禁された。

巨匠スティーブン・スピルバーグも大絶賛する『ワン・バトル・アフター・アナザー』巨匠スティーブン・スピルバーグも大絶賛する『ワン・バトル・アフター・アナザー』[c]2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

アンダーソン監督作の『ブギーナイツ』(97)の主演を断ったことを最大の後悔として挙げるディカプリオとのタッグが、約30年の時を経てついに実現した。スピルバーグが「なんてクレイジーな映画だ!すべてが最高」と大絶賛し、世界初上映のワールドプレミアで鑑賞した批評家から、「今年ベスト」「オスカー大本命!」「とにかく笑えて、最後は泣ける」など、本作を“激賞”する声がSNSで続々と発信されている本作。アンダーソン監督が20年以上の歳月をかけて書き上げた脚本と唯一無二の演出で、新たな傑作を創り上げた。

主演のディカプリオはテンパる革命パパ・ボブを演じ、ボブを執拗に追う衝撃の“変態軍人”にショーン・ペン、神出鬼没な“センセイ”を演じたデル・トロという「全員オスカー受賞歴アリ」の超一級キャストが集結。変態軍人に命を狙われるボブの娘を演じた新鋭チェイス・インフィニティ、最強のカリスマ革命家を演じた歌手のテヤナ・テイラー、革命家仲間のレジーナ・ホールら豪華キャストによる演技のアンサンブルも見どころの1つとなっている。

待望のPTAとのタッグとなったレオナルド・ディカプリオ待望のPTAとのタッグとなったレオナルド・ディカプリオ[c]2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

アンダーソン監督とのタッグを切望していたディカプリオは、「彼は脚本家兼監督として、とてもユニークで深遠な表現をする方で、同時代を代表する偉大な映画監督の1人」とし、「何年も前に『ハード・エイト』を観て彼を意識し、『ブギーナイツ』の初期には話し合い、輝かしいキャリアが開花していくのを見守ってきました。様々なテーマに予想外のアプローチで挑む映画監督はごくわずかで、彼が描くキャラクターやストーリーには、常に謎と陰謀、そして未知の要素が潜んでおり、彼の作品を観続けたいと思わせてくれます」と作品の魅力を語る。アンダーソン監督が長年取り組んできた脚本でオファーを受けたディカプリオは「彼とコラボできるという機会に飛びつきました。このタイミングでこのテーマの映画を作れることは、私にとって大きな意味を持っています」と念願の初タッグについて語った。

ディカプリオは続ける。「(『ワン・バトル・アフター・アナザー』は、)スケールが大きく、冒頭から最後まで、あっと驚く緊張感に満ちています。スペクタクルという点では、ポール・トーマス・アンダーソン作品のなかでも最大級。彼はビスタビジョンでフィルム撮影を行い、ロケ地も素晴らしかった。アクションシーンは実に大胆で、アンダーソン監督らしい“予想外の方法”で描かれています」と天才監督の撮影と演出の手腕に驚愕した。さらに「従来のアクション映画とは違い、CGIやテクノロジーで操作されているような演出は一切ない。非常にシンプルな構成で、本物の車、現実の環境、そして状況をリアルに再現しています。これはポール・トーマス・アンダーソン流のアクションであり、私たちが普段見慣れているほかのアクション映画とは一線を画す、唯一無二の作品」と熱いコメントを寄せている。

異常な執着心でボブらを追い詰める、変態軍人ロックジョーを演じたショーン・ペン異常な執着心でボブらを追い詰める、変態軍人ロックジョーを演じたショーン・ペン[c]2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

アンダーソン監督の前作『リコリス・ピザ』(21)で現場をともにしたペンが演じるのは、異常な執着心でボブと娘のウィラ(インフィニティー)を追い詰める変態軍人ロックジョー。「脚本を読んですぐに笑い転げた」と出演を快諾したペンは、この映画を一言で説明するなら「ただポール・トーマス・アンダーソンの映画だ、あとはなにも言いません。なにも。とにかく観に行けばいい。ポールは映画の天才です。明確なビジョンがあり、彼の撮影現場ではいつでも自由にアイデアを持ち寄れるので、彼はキャストから信頼され、俳優たちは自分のアイデアを彼がどう表現してくれるのかを楽しみにしてしまうんです」と、その演出力を賞賛している。

本作への出演を決めた理由は「3文字。PTA(ポール・トーマス・アンダーソン)!と語ったベニチオ・デル・トロ本作への出演を決めた理由は「3文字。PTA(ポール・トーマス・アンダーソン)!と語ったベニチオ・デル・トロ[c]2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

ボブの窮地に現れる神出鬼没な空手道場のセンセイを演じたデル・トロは、出演即決の理由についてズバリ「3文字。PTA(ポール・トーマス・アンダーソン)!」だと微笑む。「監督から電話がかかってきて、『脚本を送った。君に演じてほしい役がある』と言われました。読む前から、もう決まっていました。それだけです」と続け、届いた脚本は「ページをめくる手が止まらないほどおもしろい」と振り返る。
「登場人物たちはよく練られていて、互いに矛盾を抱えています。おもしろくもあり、危険でもあり、同時に親しみやすさも持ち合わせています。彼が描くキャラクターには多くの矛盾があり、だからこそどんな俳優にとっても演じるのが楽しい」といつも笑いが絶えない現場を楽しんだよう。
「役者からの意見や、登場人物についての懸念点に耳を傾けてくれます。そして、いいアイデアをためらうことなく、積極的に取り組み、探求し、最終的には変更を加えていきます」と、常に俳優ファーストで現場に臨む監督への敬意の言葉で締めくくっている。

【写真を見る】砂漠地帯の草原でレオナルド・ディカプリオを演出する、ポール・トーマス・アンダーソン【写真を見る】砂漠地帯の草原でレオナルド・ディカプリオを演出する、ポール・トーマス・アンダーソン[c]2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

今回解禁されたメイキングカットは、砂漠地帯の草原で身をかがめたディカプリオの背後でカメラのフレームをイメージしながら演出するアンダーソン監督をとらえている。リアリティあふれる撮影にこだわる監督が、どんな映像で楽しませてくれるのか、期待は高まるばかりだ。

3人のオスカー俳優たちが従来のイメージを更新する“抱腹絶倒”の演技バトルで度肝を抜く『ワン・バトル・アフター・アナザー』。タイトルの通り、次から次へと繰り広げられる怒濤のチェイスバトル、その先に待ち受けるボブと娘の運命とは?ぜひ映画館で確かめていただきたい。

文/山崎伸子

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