【ライブレポート】lynch. 、20周年プロジェクト第6弾<BLACK BEAUTY BEASTS>。D’ERLANGER、Plastic Tree、KIRITOと競演
lynch.の20周年プロジェクト第6弾を飾る、lynch.主催のイベント<XX act:6 lynch. Presents「BLACK BEAUTY BEASTS」>が開催された。
◆ライブ写真
結成20周年を迎え、これを記念すべく昨年2024年末から“20th ANNIVERSARY PROJECT”を大々的に掲げて1年間通しての盛り上がりを見せているlynch.。2作のリテイクアルバムのリリースやツアー、大きな会場でのメモリアルなライブ等、用意されていた10の“act”のうち、ちょうど折り返したところの第6弾が主催イベント<XX act:6 lynch. Presents「BLACK BEAUTY BEASTS」>だ。
豪華ゲストを迎え、2019年に名古屋にて2デイズで行われたイベントが、約6年半ぶりに復活することとなった今回は、東名阪の3ヶ所での開催にパワーアップ。その初日となった9月15日Zepp DiverCity(TOKYO)公演には、D’ERLANGER、Plastic Tree、KIRITOと、まさにMCで葉月(Vo)が命名した“大先輩の背中を追い掛けさせていただく会”に相応しい超強力なラインナップが集結した。
開幕早々、容赦のなさを見せつけたのはD’ERLANGER。一打一打、身体に突き刺さる程の音圧を叩き出すTetsu(Dr)、すっと心に染みる低音を奏でるSEELA(B)、優しく心地よいギターをかき鳴らすCIPHER(G)、そして力強さと包容力を併せ持った歌声を聴かせるkyo(Vo)が、一曲丸々通して向かい合い「BABY」を披露する。4人が作り出す世界に一気に引き込んだかと思えば、7曲MCなしで観る者をどこまでもヒリヒリ、ゾクゾクさせる、至高のロックンロールショーを繰り広げた。
ステージに現れるや否や大歓声が上がったKIRITOは、「CROSS OVER THE WORLD LINE」をはじめとするラウドでヘヴィな楽曲たちを叩き付け会場全体をあっという間に掌握してしまう。かと思えば、前回開催時Angeloとして出演した際の自身の発言に被せる形で“「集団リンチの会」にようこそ!”等と茶目っ気たっぷりに放ち、彼を長年追ってきたファンはもちろん、初めて彼のライブを観る人の爆笑もさらい、ますます観客の心を手中に収めていく。
悠介(lynch./G)がリクエストしたという「理科室」も交え、独特の浮遊感のあるナンバーからソリッドなロックチューンまで、バラエティ豊かな楽曲たちで場内の熱量を高めていったPlastic Tree。そんな彼等がトドメに投下した「雨ニ唄エバ」では、楽器隊3人による音の豪雨のなか、有村竜太朗が黒い傘を片手に、儚くも揺るがない軸を持った唯一無二の声を響かせる。アンサンブルの凄まじい迫力や、それがもたらすもはや恐ろしいまでの浄化作用は圧巻の一言だった。
“集団リンチの会”という言葉もあながち間違ってはいないのではと思えてくる程、一切の手加減のない大先輩たちのパフォーマンスを経て、ついに主催者 lynch.の出番がやってきた。真っ黒な衣装を身に纏い、玲央(G)、晁直(Dr)、明徳(B)、悠介(G)、そして葉月(Vo)が姿を現すと、新旧の名曲たちを織り交ぜた全10曲の猛烈な“反撃”が開始。紆余曲折ありながらも確かに20年生き抜いたバンドが、たとえ歴戦の猛者たちからの集中砲火を受けようとも、そう簡単に白旗を上げるわけがない──晁直の安定感のあるドラミングを土台に、明徳はスラップ等で魅せ、玲央と悠介は激しさと奥深さを兼ね備えたギター・サウンドを展開し、その上で葉月が極悪シャウトから艶やかなクリーン・トーンまでを自在に操り、確立されたlynch.らしさを炸裂させることで、これを証明してみせた。
この日出演した3組への賛辞に続き葉月が語る。「僕たちは今年の年末、12月28日に東京ガーデンシアター、8,000キャパでワンマンが決まっています。これは僕たちにとっても大勝負です。なので、今日初めてlynch.を観るっていう人、たぶんたくさんいらっしゃると思うんですけど、その人たち全員に好きになってもらわないといけないです。そして有明に連れていきます。皆さんが好きなバンド、そのまま好きで構いません。今夜僕たちも好きになってください。よろしくお願いします!」
そうしてさらにlynch.のライヴに欠かせないキラーチューンたちを畳み掛けた後、最後に装填されたのは9月24日リリースの2ndリテイクアルバム『THE AVOIDED SUN / SHADOWS』に収録される新曲「BRINGER」。年末に控える、20周年プロジェクトのラストを飾るワンマンライヴ<XX act:FINAL lynch. 20TH ANNIVERSARY XX FINAL ACT「ALL THIS WE’LL GIVE YOU」>の舞台 東京ガーデンシアターに立つため、全てを懸けたというこの楽曲を、“俺たちの未来と、みんなの未来と、今日出てくれたバンドの未来のために”という葉月の言葉に続けて届ける。「I’M THE BRINGER OF LIGHT」──彼等を愛する人たちのために光をもたらす存在であり続けると所信表明をするこの曲。アグレッシブさとキャッチーさを両立させたlynch.の王道を行く音色に乗せた歌詞、特に《あとどれだけ歌えるだろう? あなたに会えるだろう?/命果て 途切れるまで 闇を奏でよう》の2行が印象的に響き渡った。
「12月28日、東京ガーデンシアター、このシーンの未来のためにも絶対に成功させたいです。力を貸してください、よろしくお願いします!」と葉月の挨拶で締めくくられた<XX act:6 lynch. Presents「BLACK BEAUTY BEASTS」>初日公演。“漆黒の美しき獣たち”による狂宴は、“シーンの未来のため”という意味合いも込められた20周年イヤーのフィナーレに向けて、この後も大阪、名古屋へと続く。
lynch.は明日9月21日のなんばHatch公演でLM.C、摩天楼オペラ、BugLug、ΛrlequiΩ、そして9月27日の名古屋 COMTEC PORTBASE公演ではJ、cali≠gari、Sadie、キズと相まみえることとなる。シーンを創成、および繁栄に導いた先輩たち、lynch.と同じ時代を駆け抜け、共に発展に大きく貢献してきた同志たち、そしてシーンのこれからを率いていく後続たちが集う同イベントは、大変意義深いものになっていくだろう。
lynch.のライヴを体験できる場としては他に、10月13日から3日間にわたってSpotify O-WESTにて男性限定、女性限定、ファンクラブ“SHADOWS”限定公演がそれぞれ行われる“XX act:7 「LIMITED 3 DAYS」”と、2ndリテイク・アルバム『THE AVOIDED SUN / SHADOWS』を引っ提げ、10月24日の大阪 BIGCAT公演を皮切りに14都市を巡る全国ツアー<XX act:9 TOUR’25「THE AVOIDED SHADOWS」>も用意されている。
そして12月28日には20周年イヤー集大成となるFINAL ACTとして、<lynch. 20TH ANNIVERSARY XX FINAL ACT「ALL THIS WE’LL GIVE YOU」>が東京ガーデンシアターにて決まっており、こちらのチケットオフィシャル先行は本日の15時より発売開始となる。20周年という大きな節目の盛大な祝祭と、その後に待ち受ける未来への新たな一歩を踏み出す瞬間を共に過ごしてほしい。
取材・文◎内堀文佳
写真◎マツモト ユウ
◾️2ndリテイクアルバム『THE AVOIDED SUN / SHADOWS【数量限定盤】』
2025年9月24日(水)リリース
KIZC-90783〜6 ¥9,900(税込)
作品詳細:https://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKIZC-90783/
▲メーカー特典
▲タワーレコード特典
◆Disc.1:CD『THE AVOIDED SUN』
1.LIBERATION CHORD
2.I’M SICK, B’CUZ LUV U.
3.ROARING IN THE DARK
4.ECDYSIS
5.FORGIVEN
6.ANEMONE
7.THE UNIVERSE
8.DAZZLE
9.ENEMY
10.PROMINENCE
11.FROM THE END
◆Disc.2:CD『SHADOWS』
1.LAST NITE
2.ADORE
3.MAZE
4.EVILLY
5.I DON’T KNOW WHERE I AM
6.AMBIVALENT IDEAL
7.THE BLASTED BACK BONE
8.SHADOWZ
9.CULTIC MY EXECUTION
10.MARROW
◆Disc.3:CD『BRINGER』
1.BRINGER(新曲)
2.AN ILLUSION
3.DOZE
4.A GLEAM IN EYE
5.ALL THIS I’LL GIVE YOU
6.JUDGEMENT
◆Disc.4:Blu-ray
・BRINGER(新曲)Music Video
・BRINGER(新曲)Music Video Making
◆購入特典
メーカー特典:A4クリアフィル ※対象店舗は後日発表いたします。
タワーレコード購入特典:A4クリアフィル
◆リリースイベント
『THE AVOIDED SUN / SHADOWS』発売記念サイン会
10月12日(日)タワーレコード新宿店
10月25日(土)タワーレコード梅田NU茶屋町店
12月7日(日)タワーレコード名古屋パルコ店
※各店舗のイベント詳細・注意事項を確認の上ご参加ください。
詳細:https://www.kingrecords.co.jp/cs/t/t16372/
■<LIMITED 3 DAYS>
2025年
10月13日(月・祝)〈MEN’S ONLY〉
10月14日(火)〈WOMEN’S ONLY〉
10月15日(水)〈SHADOWS ONLY〉
○3公演共通
会場:東京・Spotify O-WEST
スタンディング ¥7,000(税込 / D別)
-未就学児入場不可
-公演中止・延期以外の払い戻しは原則行いません
-チケット忘れ・紛失の場合、いかなる理由であってもご入場をお断りします(再発行不可)
○チケット一般発売中
チケットプレイガイド
・ローソンチケットhttps://l-tike.com/lynch20th/
・イープラスhttps://eplus.jp/lynch/
※10/14 WOMEN’S ONLYは対象外
[問] DISK GARAGE https://info.diskgarage.com/
[総合info] サイレンエンタープライズ03-3447-8822
◾️<TOUR’25「THE AVOIDED SHADOWS」>
2025年
10月24日(金)大阪BIGCAT
10月26日(日)高松Olive Hall
10月27日(月)神戸VARIT.
11月1日(土)福岡DRUM LOGOS
11月3日(月・祝)鹿児島CAPARVO HALL
11月5日(水)広島SECOND CRUTCH
11月14日(金)富山MAIRO
11月16日(日)金沢EIGHT HALL
11月21日(金)仙台RENSA
11月22日(土)秋田Club SWINDLE
11月24日(月・休)函館 club COCOA
11月26日(水)札幌cube garden
12月5日(金)Live House 浜松窓枠
12月6日(土)名古屋DIAMOND HALL
オールスタンディング ¥7,000(税込 / D別)
-未就学児入場不可
-公演中止・延期以外の払い戻しは原則行いません
-チケット忘れ・紛失の場合、いかなる理由であってもご入場をお断りします(再発行不可)
○FC[SHADOWS] 先行(抽選)
受付期間:8月7日(木)15:00~8月18日(月)23:59
受付URL:会員コンテンツ内にてご案内
制限枚数:各公演1会員様1申込2枚
○一般発売(先着)
9月13日(土)10:00
【総合info】サイレンエンタープライズ03-3447-8822
◾️<lynch. 20TH ANNIVERSARY XX FINAL ACT「ALL THIS WE’LL GIVE YOU」>
2025年12月28日(日)東京ガーデンシアター
16:00開場 / 17:00開演
◆座種・料金
・VIP席/車椅子VIP席 35,000円(税込)
-アリーナ前方
-パンフレット
-VIPパス・ストラップ
-12.28 VIP限定アクリルスタンド(全5種・終演後メンバーから直接手渡し)
※本券(チケット)発券時に発行されるアクスタ引換用の「副券」も必ずご持参ください
・アリーナS席/車椅子アリーナS席 10,000円(税込)
-パンフレット
・バルコニー S席 10,000円(税込)
-第1バルコニー(3階)前方
-パンフレット
・一般指定席/一般車椅子席 5,500円(税込)
※未就学児入場不可
※公演中止・延期以外の払い戻しは原則行いません
※チケット忘れ・紛失の場合、いかなる理由であってもご入場をお断りします(再発行不可)
◇オフィシャル先行(抽選)
受付期間:9月20日(土)15:00~9月29日(月)23:59
受付URL:https://l-tike.com/lynch20th/
対象席種:S席・一般席(第2希望まで)
制限枚数:4枚(車椅子席は2枚)
・一般発売(先着)
2025年10月18日(土)10:00
【総合 info】サイレンエンタープライズ 03-3447-8822