1年にわたる連続テレビ小説「あんぱん」の撮影を振り返ったヒロイン・今田美桜。第65話、若松のぶは「高知新報」の記者に採用されたことを家族に報告し…(C)NHK
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女優の今田美桜(28)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)の放送も、残り1週間(5回)となった。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルにした物語。朝ドラ初主演に挑み、「朝田・若松・柳井」と激動の時代を生き抜く主人公・のぶ役を全うした今田に、撮影の舞台裏を聞いた。
<※以下、ネタバレ有>
「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズなどのヒット作を放ち続ける中園ミホ氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算112作目。戦争に翻弄されながら、「逆転しない正義」にたどり着く柳井夫妻、のぶと嵩の軌跡を描く。
今作の魅力の一つとなったのが「土佐弁」。今田も最初は苦戦したものの、見事に習得。土佐ことば指導を務める俳優の西村雄正も「朝田3姉妹が上京した終盤は、土佐弁と標準語が入り混じる次のステージに。特に出ずっぱりの今田さんはさらに難しいことに挑戦されていますが、土佐弁の濃淡や標準語との切り替えも非常に自然で、上手です」と絶賛した。
「たっすいがー(の嵩)」(たっすい=「弱々しい」「張り合いがない」などを意味する土佐弁)とともに、のぶの代名詞となったのが「たまるかー!」(感動や驚きを意味する土佐弁の感嘆詞)。第125回(9月19日)までに、今田が発した回数は約40回を数えた。
特に印象に残るのが第65回(6月27日)の「たまるかー!」5連発。のぶは高知新報の東海林明(津田健次郎)から“猫の手採用”決定を伝えられると「たまるかー…」。帰り道、トボトボ歩きながら「たまるか…(フッと笑みがこぼれ)たまるか…たまるか…たまるか!」と、ついには全力疾走。柳井嵩(北村匠海)と辛島健太郎(高橋文哉)を横切っていった(朝田家に帰ってからも1回)。
「採用試験に受かったという信じられない気持ちと、終戦のどん底から少し希望の光が見えた喜びと。これまでの『たまるかー!』とは違っていたので、凄く覚えています」。台本上、帰り道の「たまるかー!」は3回。自然と感情が乗った。
直近は第124回(9月18日)、ミュージカル「怪傑アンパンマン」に続々と訪れる子どもたちを目にした時。最終週(第26週)「愛と勇気だけが友達さ」(9月22~26日)も注目される。
=インタビュー(3)に続く=
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