公開日時 2025年09月19日 05:00
セルロイド・クローゼット
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琉球新報朝刊
タイトルに使われた「クローゼット」には二つの意味が込められている。一つは文字通り、セルロイドのフィルムを保管する場所。そしてもう一つの意味は「カミングアウト」。
映画が生まれて100年以上の時が過ぎ、クローゼットに仕舞(しま)い込まれた映画たち120本を「同性愛(=ゲイ)」という視点から検証する。映画創成期1895年のエジソンの短編映画から「ゲイ」は登場し、その後あらゆる方法で描かれてきた。同性愛や性描写を含むあらゆる表現の規制に映画が締め付けられていた時代にも、監督たちはそっと彼らの存在をフィルムに焼き付けてきた。各監督がその理由を語ることはないが、弱い立場の人々に光を当ててきた映画の歴史を思えば、当然のことだったのかもしれない。
1970年代に、ゲイを公言しサンフランシスコ市議会議員に当選したハーヴェイ・ミルクのドキュメンタリーを撮ったロブ・エプスタインとジェフリー・フリードマンによる1995年の作品。
(桜坂劇場・下地久美子)
◇桜坂劇場・あすから