公開日時 2025年09月18日 15:07更新日時 2025年09月18日 15:10

南城市知念、3区で「ヌーバレー」 地域の芸能 独自色に喝采 <風・土・人 シマの伝統行事>
花と蝶にふんして飛び跳ねながら舞う「胡蝶の舞」=7日、南城市知念知名

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琉球新報社

 【南城】ウークイ(旧盆最終日)翌日の7日、南城市知念の知名、久手堅、安座真で伝統行事「ヌーバレー」が開かれた。道ジュネー拝所巡りを行って仏の魂をあの世へ送り、五穀豊穣(ほうじょう)などを願った。地域の特色ある伝統舞踊や組踊の他、住民らが空手やダンスを披露するなど大いに盛り上げた。各地のヌーバレーの様子を紹介する。

(文・普天間伊織、写真・小川昌宏)

「鏡の割」親子で熱演 久手堅

屋外で開催された久手堅区ヌーバレー=7日、南城市知念の久手堅公民館前

 久手堅区(新里善勇区長)のヌーバレーは同区公民館で行われ、地元学生らによる「マミドーマー」や子どもたちのダンス、知念児童館空手サークルの空手演武などがあった。かご屋の男2人と客の女のやりとりを描いた「もどり篭(かご)」は、コミカルな動きと軽やかな音楽で笑いを誘った。

 母と子の情愛を描いた組踊「鏡の割(カガンヌワイ)」では、平山元さん、妻の千之さん、息子の義之助さんが親子共演をしたほか、幼少時代に息子役で出演した與那嶺優輝さんが小僧役として再び舞台に立ち、喝采を浴びた。

叙情豊かに演じられた組踊「鏡の割」

「胡蝶の舞」など多彩に 知名

階段状になった会場に座り、舞台を見つめる大勢の観客たち

 知名区(玉寄昇区長)のヌーバレーは200年あまりの伝統を誇る。舞台演目は20以上あり、夜10時まで続く一大行事だ。地域の伝統文化を守りながら新たな工夫が加わる舞台を目当てに、区内外から多くの見物人が訪れた。

 伝統の「胡蝶の舞」では、蝶や花を模した色鮮やかな衣装をまとった青年らが軽やかに飛び跳ね、拍手を浴びた。

 クライマックスを飾る「仲里節」で、花笠をかぶった女性たちが優雅な舞で締めくくった。

 ヌーバレー保存会による舞踊「松竹梅」や「百姓ヌ按司」など多彩な演目も披露された。

大勢の区民で地域を練り歩く=7日、南城市知念知名

「長者の大主」 観衆沸く 安座真

安座真ヌーバレーの「長者の大主」=7日、南城市知念の安座真ムラヤー

 安座真区(屋比久力男区長)では、ムラヤー(公民館)に区民ら約100人が集まった。

 舞台では、伝統芸能保存会を中心に「鳩真節」や「谷茶前」などが披露された。子どもたちが元気に飛び跳ねる子どもエイサーや女性会による「長生き音頭」もあり、舞台に花を添えた。

 大主が子や孫らを引き連れて、村人の健康と繁栄を願って口上を述べる「長者の大主」では、若者たちがおどけた表情で舞台上を跳ね回り、会場を大いに盛り上げた。

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