マ・ドンソク主演のファンタジーアクションシリーズ「TWELVE トゥエルブ」が配信中だ。韓国ではKBS2で放送中で、日本ではディズニープラスで配信され、大きな反響を呼んでいる。
テサン(マ・ドンソク)率いる、“光”の力を司る12人の守護神たちは、太古の時代より何百年も生きながら、人間を守り続けていた。あるとき、長きに渡る“悪の力”との戦いに打ち勝った彼らは、そのスーパーパワーと共に悪を地獄の門に封印。時は現代、テサンは闇金まがいの取り立てに精を出し、他のメンバーは韓医院を営みつつ仕事や趣味を楽しむなど、すっかり人間社会に順応していた。ところが何者かのせいで、かつて封印したはずの悪・オグィ(パク・ヒョンシク)が蘇ってしまった。彼らは再び世界を危機から救い出すことはできるのだろうか…!?
このたび、MOVIE WALKER PRESS KOREAではテサンを演じるマ・ドンソクと、オグィ役のパク・ヒョンシクへインタビューを敢行。ドラマの中では対立しあう“天使と悪魔”の二人だが、役を離れるとお互いリスペクトし合う相思相愛の仲。マ・ドンソクの流暢な日本語も飛び出す“神対応”のインタビューとなった。
「動物をモチーフにしたキャラクターたちの個性的なアクションスタイルが新しい」(マ・ドンソク)
――「TWELVE トゥエルブ」に参加されることになった経緯を教えてください。 マ・ドンソクさんは今回、 脚本にも参加されていますよね。
マ・ドンソク「そうなんです。『TWELVE トゥエルブ』は東洋の十二支をモチーフにしたヒーロージャンルものですが、実はこういう話を好きな人が多いので、いろいろなシナリオが私の元に来ていたり、ドラマだけでなく映画版の話もあったりしました。それらを少し整理し、キム・ボンソン監督と一緒に作業をしたのが本作でした。我々でキャラクターを作った後、ロサンゼルスにいるアニメーション監督にキャラクターデザインを一人ずつ描いてほしいとお願いしました。さらにそれらに私のアイデアを少し足して、衣装と造形、この人たちのキャラクターとそれに合う武器を探しました。
リーダーのテサンを支える守護神たち『TWELVE トゥエルブ』ディズニープラスのスターで独占配信中 [c]2025. LG Uplus Corp., Contents G. All Rights Reserved
それから、各々のバックグラウンドとなる物語として、12人の天使たちの起源を考えました。古代なら具体的にいつからなのか?などシナリオが何度も変わりました。 最終的には現代から物語を始めて、のちのちに過去のシーンを少し見せていくことに整理していったんですね。『TWELVE トゥエルブ』のようなストーリーは、アジア地域はもちろんですが他にも北米などでも関心がありそうでしたので、おもしろいんじゃないかと思いました。素晴らしい俳優の方々が出演してくださったので本当に撮影が楽しかったです」
パク・ヒョンシク「マ・ドンソク兄さんが仰ったように十二支をモチーフにした神が活躍する話というのは、とても身近ではあるんですが、実は映像作品などで見たことないんじゃないかなと。そんな“近くて遠い存在”をドラマ化して私たちが視聴者の方々に親しみを持ってもらえたらとてもおもしろそうだと思いました、あと、マ・ドンソクさんといつかご一緒したいと、いつも思っていたんです!しかもオグィというキャラがとても魅力的なキャラクターを私に任せてくださってすごく感謝しています」
マ・ドンソク「(日本語で小さく)ありがとう…!」
人間社会に隠れて犯罪者にだけ融資する闇金“エンジェルキャピタル”を経営するテサン『TWELVE トゥエルブ』ディズニープラスのスターで独占配信中 [c]2025. LG Uplus Corp., Contents G. All Rights Reserved
――マ・ドンソクさん演じるテサンは、大変パワフルでアクションも迫力満点ですよね。アニマル柄の服装で強面ではありますが、どこかチャーミングな部分もありそうです。
マ・ドンソク「テサンという人物については最初、虎にするか、牛が合うか、それとも豚が合うのかなといろいろ考えました。最終的にアクションパートでの腕力を考えて、私がいつも取り入れるボクシングアクションを付け加えようということになって虎に決定しました。実はテサンは、若干キャラクターとしてのレイヤーが複雑なんです。 過去に家族を失ったことで深く傷ついていて、忘れられずにいます。自分の心を開ける人間には非常に親しみと愛情を持っているんですが、結局人間の裏切りのせいで忌み嫌うようになり少し遠ざけてしまう。そんなふうに葛藤し続けているんです。人間を助けるべきか、いや憎み続けるべきかの狭間でずっと悩んでいます。また、過去のつらい記憶から、自分の家族を守ろうとするあまり束縛してしまうような、揺れるキャラクターです」
――パク・ヒョンシクさんは初の本格的ヴィランの役ということで、大きな翼を持ったビジュアルも素敵ですね。
パク・ヒョンシク「『TWELVE トゥエルブ』のようなファンタジーのアクションヒーロー作品は、私が今まで参加したことのないジャンルなんですよね。だからオグィという、作品を象徴するキャラクターをとても魅力的に感じたんだと思います。オグィはかなり複雑な人物です。彼が一体何を考えているのか?優しいのか?悪いのか?そういうことがわからないキャラですね」
【写真を見る】初のヴィラン役に挑んだパク・ヒョンシク『TWELVE トゥエルブ』ディズニープラスのスターで独占配信中 [c]2025. LG Uplus Corp., Contents G. All Rights Reserved「CGを駆使して十二支の守護神たちをどう表現しているのか、楽しんで観てほしい」(パク・ヒョンシク)
――先ほどパク・ヒョンシクさんからのラブコールもありましたが、共演前はお互いどんな印象でしたか?
マ・ドンソク「パク·ヒョンシクさんは、そこまで頻繁にお会いできたわけではないんですが知り合いではあったんです。私の周りの人はみんなパク・ヒョンシクさんを褒めるし、全員が彼のことを好きだと言っていたので素敵な人柄なんだとわかってはいました。今回の撮影で特におもしろかったのは、彼はヴィランをやらなければならないから、性格の中にあるダークなものを表現しないといけないじゃないですか。その一方で、オグィは複雑なキャラなのでそうでもない一面をみせなければならない。すごく難しいところなんですが、パク・ヒョンシクさんは完璧に消化してくれました。本当に楽しい撮影でしたし、今後も機会があるならパク・ヒョンシクさんと別のプロジェクトでもご一緒したいです」
マロク(ソン・ドンイル)は神に選ばれた特別な人間として、天使たちを管理する『TWELVE トゥエルブ』ディズニープラスのスターで独占配信中 [c]2025. LG Uplus Corp., Contents G. All Rights Reserved
パク・ヒョンシク 「マ・ドンソクさんといえば“マブリー”と呼ばれるほど愛らしく、とてもおもしろい方ですよね。僕もいちファンとして心の中で(胸元で手を握りながら)“いつか一緒に作品をしたいです”と、祈っていたんです!今回こうして一緒に作品を作ってみると思っていた以上におもしろく、もっと情も深い方でした。もっと好きになってしまいました!」
――マ・ドンソクさんは「犯罪都市」シリーズでも制作側に入っていらっしゃるので、アクション作品の経験豊富な「TWELVE トゥエルブ」はかなり期待できますよね。どんなところが新鮮なのか、これまでのアクションドラマと違う見どころを教えてください。
12の守護神を率いる虎の天使・テサン『TWELVE トゥエルブ』ディズニープラスのスターで独占配信中 [c]2025. LG Uplus Corp., Contents G. All Rights Reserved
マ・ドンソク「各々動物をモチーフにしたキャラクターに合った個性的なアクションスタイルが新しいと思っていますし、そこが最も興味深い部分です。本作のように動物のイメージに近いアクションやムードを表現する作品はあまりなかったように思います。そんなキャラクターが多く登場し、強力なヴィランが彼らと戦う世界観は壮大なので、今回のシーズン1が終わってもまだ続きがあるのでは…?なんて期待感が生まれるかもしれません。痛快なアクション、魅力たっぷりのキャラクターと見どころが多いので、楽しんでくだされば幸いです!」
パク・ヒョンシク 「このドラマがCGを駆使して十二支の守護神たちをどう表現しているのか、楽しんでご覧いただきたいです。アクションやそれぞれのモチーフ、キャラクターを表現するためのCGワークも盛り沢山なので、そこにも注目してください。ファンタジーアクションヒーローものとして、家族や友達と楽しんでほしいです!」
取材・文/荒井 南