定番を超えて進化する2026年春夏NYコレクションのビューティー
2026年春夏ニューヨーク・ファッションウィークでは、ヘアからネイルまでディテールに宿る新しい美の表現が次々と披露された。ヘルシーな血色を演出するチークや大胆なリップ、未来を映すメタリックな指先まで、今季のトレンドは思わず真似したくなるインスピレーションに満ちていた。
ランウェイに一貫して見られたのは、美しさを際立たせる新しいトレンド。定番ルックを進化させたものから、複数のショーで繰り返し登場したスタイルまで、今季ならではのビューティーが鮮やかに存在感を放っていた。ヘアからネイルまで細部に至るまで計算され、ランウェイを見たゲストやオンラインの視聴者が、すぐに取り入れたくなるようなアイディアが盛りだくさん。
そこで今季もっとも目を引いたビューティートレンドを、編集部がランウェイとストリートから厳選。ここからは、NYコレクションで披露された華やかで印象的なルックをお届けする。
オレンジチーク ヘルシーな血色感で差をつける
マイケル・コース(MICHAEL KORS)2026年春夏コレクションより。Photo: JP Yim/Getty Images
キム シュイ(KIM SHUI)2026年春夏コレクションより。Photo: Roy Rochlin/Getty Images
今季にぴったりのオレンジチークは、モデルたちの肌に太陽を浴びたようなヘルシーな血色感をもたらした。キム シュイ(KIM SHUI)のショーでは、メイクアップ・アーティストのロメロ・ジェニングスが、M・A・Cのオレンジブラウン「ピンチ オブ マラケシュ」を使用。鮮やかな色に挑戦するのはまだ躊躇するという人にとっても、ナチュラルに取り入れられる絶妙なカラーだ。
一方、マイケル・コース(MICHAEL KORS)のランウェイでは、長年タッグを組むメイクアップ・アーティストのディック・ペイジが“フレッシュでアウトドアなムード”を演出。温かみのあるトーンを頬にのせ、さらにシェロン・テートやジェーン・バーキンからインスピレーションを得たという低めの配置で、クラシックな雰囲気を漂わせていた。
グレーリップ 型破りな美の挑戦
キム シュイ(KIM SHUI)2026年春夏コレクションより。Photo: Roy Rochlin/Getty Images
キム シュイ(KIM SHUI)2026年春夏コレクションより。Photo: John Lamparski/Getty Images
ここ最近は、ベビーピンクからモカムースまで、軽やかなトーンのリップが新定番として人気を集めてきた。だが、この流れをさらに一歩進めるかのように、今季のランウェイでは“グレーリップ”が登場。あえてのアンコンベンショナルなカラーセレクトが、キム シュイ(KIM SHUI)、ラポワント(LAPOINTE)、コリーナ ストラーダ(COLLINA STRADA)のショーでモデルたちの唇をクールに彩った。
カラートーンのリンク シンプルテクで華やぐ目もと
コリーナ ストラーダ(COLLINA STRADA)2026年春夏コレクションより。Photo: Victor VIRGILE/Getty Images
ハウス・オブ・アーマ(HOUSE OF AAMA)2026年春夏コレクションより。Photo: Dia Dipasupil/Getty Images
カラーを際立たせたいなら、目もとに同系色をほんのり重ねるだけで十分。そのシンプルながら効果的なテクニックが、コリーナ ストラーダ、ハウス・オブ・アーマ(HOUSE OF AAMA)、アリーナ(ALLINA LIU)のランウェイで披露された。
3段レイヤー 髪にリズムを生む新バランス
ヴィーダーホーフト(WIEDERHOEFT)2026年春夏コレクションより。Photo: Victor VIRGILE/Getty Images
エリア(AREA)2026年春夏コレクションより。Photo: Rodin Banica/WWD via Getty Images
WWD/Getty Images
重めのレイヤーはまだまだ健在。今年前半はロングレイヤーが主流だったが、NYコレクションではショートカットに注目が集まった。ヴィーダーホーフト(WIEDERHOEFT)やエリア(AREA)のショーでは、短めのレイヤーが鮮烈な存在感を放っていた。
クロームネイル 未来的な輝きをまとう指先
グレース リン(GRACE LING)2026年春夏コレクションより。Photo: Victor Pagan/Getty Images
ラポワント(LAPOINTE)2026年春夏コレクションより。Photo:John Lamparski/Getty Images
内側から発光するような艶感で話題をさらった“グレーズドドーナツ”ネイルからさらに進化を遂げ、今季はクロームネイルが圧倒的な存在感を放っている。メタリックの輝きを存分に楽しむスタイルで、グレース リン(GRACE LING)のショーではチャコールグレーをベースにクロームをまとったロングスティレットが登場。さらにラポワントでは、セレブリティネイル・アーティストの安田直美が手がけた、クローム仕上げのメタリックな斜めフレンチチップが披露され、ランウェイを華やかに彩った。