第七十八回「届く声 届ける声~れろの会の朗読~」
届く声、届ける声。こんにちは。栗原け子 です。元気であるために大切なこと。それ は声を出すこと。今日も呼吸を整え ましょう。はい。吸って。 吐いて。お花から空気を吸って。もう1度 吸って。 入って リラックスできましたか?今日も朗読をお 届けします。語りはノ型レロの会の皆さん 。さあ、それでは今回はですね、宮沢健二 の作品をお送りいたします。 皆様ご存知の宮沢健二は明治29年 1896年8月27日岩手県花巻市で 生まれました。 父郎 22歳母は19歳でした。若い夫婦にとっ て初めての子供かつ長男でありいかに苦労 して育てられた雰囲気もあります。 当時の東北は貧困が多く、宮沢県地の作品 そのものにも東北の貧しさを表せることも 度々出てきます。 健二が生まれた年は岩手沿岸が大津波に 襲われた。2万2000人もの命が奪られ た。明治29年1896 年 明治3並 [音楽] そのものです。 そんな健二が37歳の人生を遂げたのが9 月21日今月です。健二期と呼ばれてい ます。宮沢健二の気日を亡くなった日を 記念して彼の作品を読み返したり、彼の 障害や思いをせたそのことを繋いでいく そんな日です。今回ご用意した作品は マリブロンと少女。朗読は田子さんです。 アリブロンと少女 宮沢健二 白跡の大箱の身は結び赤つ草の花は枯れて 焦げ茶色になって畑の泡は借り取られ畑の 隅からちょっと顔出したのネズミは びっくりしたようにまた急いで穴の中へ 引っ込む。 崖や堀にはまゆい銀の隙の方が一面風に 波立っている。 その白跡の真ん中の小さな角山の上に 目倉武道のヤがあってその身がすっかり 熟している。 1人の少女が学譜を持ってため生きし ながらヤのそばの草に座る。 かかなかなひで雨が降って草はキラキラ 光り向こうの山は暗くなる。 そのありなしのひの雨が晴れたので草は 新たにキラキラ光り向こうの山は明るく なって少女は眩しく表を伏せる。 そっちの方からモずがまるで音符を バラバラにして振り巻いたように飛んでき てみんな1度に銀のスきのほに止まる。 め倉のヤからは綺麗な雫がポタポタ落ちる 。 かかな気配がヤの影から登ってくる。 今夜市長のホールで歌うマリブロン女子が ライラ空量の木そを引いてみんなを逃れて きたのである。 今その後ろ東の灰色の山脈の上を冷たい風 がふっと通って大きな虹が明るい夢の橋の ように優しく空に現れる。 少女は学譜を持ったまま化石のように座っ てしまう。 マリブロンはここにも人のいたことを むしろ意外に思いながらわずかに真子に 餌釈してしばらく虹の空を見る。 そうだ。 今日こそただの一言でも天のさえあり うわしく尊敬されるこの人と言葉をかわし たい。 丘の小さなブドの木が夜空に燃える炎より もっと明るく もっと悲しい思いば はるかの美しい虹に捧げるとただこれだけ を伝えたい。 それからならば、それからならば、あの、 ワリブロン先生、どうか私の尊敬をお受け くださいませ。 私は明日アフリカへ行く牧士の娘でござい ます。 [音楽] 少女は普段の透き通える声もどこかへ行っ て、仕がれた声を風に半分取られながら 叫ぶ。 マリブロンはうっ 眺めていた大きな青い瞳をそっちへ向けて 素早く学り記された少女の名前を見てとっ た。 [音楽] 何かご用でいらっしゃいますか? あなたはギルダさんでしょ? 少女のギルダはまるでブのこの葉のように プリプリ震えて輝いて息が世 に物が言えない。 先生どうか私の心から敬いを受け取って ください。 マリブロンはカかに取引したので、その胸 の木やすみれの宝石は1つずつ声を上げる ように輝きました。そして言う 敬いを受けることはあなたも同じです。 なぜそんなに陰気な顔なさるのですか? 私はもう死んでもいいのでございます。 どうしてそんなことおっしゃるのです? あなたはまだまだお若いではありませんか ? いえ、私の命なんか何でもないのでござい ます。 あなたがもしもっと立派におなりになる ためなら私なんか100ぺでも死にます。 あなたこそそんなにお立派ではありません か? あなたは立派なお仕事あちらってなさる でしょう。それは私などよりはかに高い 仕事です。 私などはそれは誠に頼りないのです。 ほんの10分か15分か。声の響きのある うちの命です。 いいえ、違います。違います。先生は個々 の世界やみんなをもっと綺麗に立派に なさるお方でございます。 マリブロンは思わず笑いました。 ええ、それを私は望みますけれどもそれは あなたはいよいよそうでしょう。 正しく清く働く人は1つの大きな世界を 時間の後ろに作るのです。 ご覧なさい。 向こうの青い空の中を1話の甲が飛んで いきます。 鳥は後ろに皆その後を持つのです。 みんなはそれを見ないでしょうが、私は それを見るのです。 同じように私どもは皆その後に1つの世界 を作ってきます。 それがあらゆる人々の1番高い芸術です けれどもあなたは高く光の空にかかります 。全て草や花や鳥は皆あなたを褒めて歌い ます。 私は誰にも知られず大きな森の中で口て しまうのです。 これはあなたも同じです。全て私に来て私 を輝かすものはあなたをも嫌めかします。 私に与えられた全ての褒め言葉はそのまま あなたに送られます。 私を教えてください。私を連れて行って 使ってください。私はどんなことでも いたします。 いいえ、私はどこへも行きません。いつで もあなたが考える底におります。 全て誠の光の中に一緒に住んで一緒に進む 人々はいつでも一緒にいるのです けれども私はもう帰らなければなりません 。お様があまり遠くなりました。文字が 飛び立ちます。 ではご機げよう。停車場の方で鋭い笛が ピーとなりは皆一ぺに飛び立ってき違いに なったバラバラの学譜のようにやかましく 泣きながら東の方へ飛んでいく。 先生、私を連れて行ってください。どうか 私を教えてください。 美しく毛高いマリブロンはかかに笑った ようにも見えた。 また遠して頭を振ったようにも見えた。 そして辺りは暗くなり、空だけ銀の光を 増せばあんまりモズがやかましいので しまいの日も仕方なく もう一度空へ登っていって少しばかり調子 外れの歌を歌った。9月21日、現時期を 通じて私たちは彼の作品を新たな視点で 読み解いていきたいと思い、今回の作品を 選びました。 マリブロンと少女いかがでしたでしょうか ?朗読は田子さんでした。 たくさんのケ事の作品の中から1度だけで はなく2度3度読むだけで新しい感動は 広がっていくような気がします。またこの 番組で皆さんにご紹介したいと思います。 お相手は栗原稽古子でした。いやあ、声を 聞かせていただくのって本当に幸せ。また 皆さんと一緒に楽しみたいと思います。
2025年9月15日放送
案内人:栗原景子氏(かたりね代表)
朗読者:奈木野香代子氏・田代京子氏
毎週月曜日 11:30-11:45
FMちょっくらじお(86.1MHz)にて放送中。
リスラジ( http://listenradio.jp/ ) で全国のラジオ局から選んで頂ければインターネットの同時放送をお聴き頂けます。
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