ハービー・山口氏。販売中のTシャツを手に

写真家ハービー・山口氏の写真展「Wearable Herbie! ~いつでも、どこでも、ハービー。」が、9月13日(土)から9月21日(日)にかけて渋谷区神宮前のGalerie GEEK/ARTで開催中。ハービーさんの写真作品をあしらったTシャツを展示・販売している。

「人間の希望を撮りたい」「人が人を好きになるような写真を撮りたい」をテーマに、スナップ・ポートレートというスタイルで知られるハービーさん。写真展でアパレル商品を販売するのは初となる。5作品のデザインが各30枚用意されており、それぞれに直筆のエディションナンバーが振られている。価格は税込8,250円。

会場中央に並ぶTシャツ。プリントの質感を確かめられる。サイズはS/M/L/XL。Tシャツのタグデザインもオリジナル。手書きのエディションナンバーが入っている。

Tシャツという媒体についてハービーさんに聞いた。写真は撮影者の感動によってシャッターが切られて作品となり、その作品が撮影者に代わって見る人に感動とエネルギーを伝える。それをTシャツとして気軽に着てもらうことには、撮影者がもらったエネルギーが着た人に乗り移るかのような感覚があるという。“感動を着てもらう”イメージなのだそうだ。

この企画をプロデュースしたLong Distance Loveの柴田廣次氏は、これまでにもハービーさんの写真展を手がけており30年以上の関係。プリントを展示・販売するオーセンティックな写真展のスタイルの先に何かないかと考え、プリントよりも気軽に手元に置いてもらえるスタイルとして“ウェアラブル”を思いついた。

Tシャツとなった作品は5点。ハービーさんを含む関係スタッフで厳選した。作品として飾りたいものとTシャツとして着たいものでは好みが分かれたり、柴田氏のように昔からハービーさんを知る人と若いスタッフでは選ぶ作品が違ったり、セレクト作業はとても新鮮だったという。プリントは、有名ブランドのTシャツも手がける国内工房に依頼。写真作品にふさわしいクオリティと感じられるものだった。

1977年、ロンドン時代のセルフポートレート。プリントと遜色ないと言えるほどの調子が出ている。作品だけをプリントしたクリーンなデザインが着やすそうだ。Tシャツに合うとして注目された作品。人が歩いて行く方向など、どこか不思議な雰囲気が魅力となっている。

Tシャツの地の色も、プリントする作品に合わせて選んでいる。1970年代のセルフポートレートであれば時の流れを感じさせるオフホワイトで、カラーの作品にはブラックがシャープな印象を与える。

「Tシャツを飾る」という提案も見られた。左は2022年のカラー作品で、ライカのノクティルックス(E58)を使用したとのこと。レンズの描写まで伝わるクオリティの高さだ。クリアな発色のために、プリント工程にも工夫がある。

なお、プリントで壁面に展示している作品は、ハービーさん自身が「今後Tシャツになってもよさそうなもの」を選んだという。

通常のプリント作品も18点を展示。左の4枚は「窓枠」がテーマ。

会場は2024年5月にオープンした「Galerie GEEK/ART」。アートを活用いたイベントの企画・運営などを手がける株式会社ギークピクチュアズが運営しており、写真のみならずアート作品を展示する場となっている。

なお、9月21日(日)までは目黒のJAM Photo Gallery(月曜休廊)でもハービー・山口写真展「Materials ~日々変わりゆく世界に生きて~」が開催中。近くなので、このチャンスに併せて訪れたい。

Wearable Herbie! ~いつでも、どこでも ハービー。会期

9月13日(土)~9月21日(日)12時00分〜19時00分
※9月16日(火)休廊

会場

Galerie GEEK/ART
東京都渋谷区神宮前6-23-6 1F

Leave A Reply
Exit mobile version