公開日時 2025年09月13日 05:00


日本版DBSの運用指針に関する中間まとめ案のポイント

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琉球新報朝刊

 こども家庭庁の有識者検討会は12日、子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を雇用主側が確認する「日本版DBS」の運用指針の策定に向けた中間取りまとめ案を大筋で了承した。制度の対象となる業種や対応策などを明確化。国の認定を受けて性犯罪歴の確認や子どもの安全確保を行う民間事業者として、学習塾やスポーツクラブに加え、子ども食堂や芸能事務所などを明記した。幅広く制度の対象とする。
 面談室など子どもと1対1になる場所への防犯カメラ設置を「有効」とする安全確保の具体案も示した。指針を年内に策定し、制度を2026年12月25日から開始する予定だ。
 制度を盛り込んだ「こども性暴力防止法」は昨年成立。学校や認可保育所などに性犯罪歴の確認や安全確保措置を義務付けた。行政による監督の仕組みがない民間事業者の参加は任意だが、国の認定を受ければ同様の対応が必要になる。義務の対象となる施設で働く人は約280万人、民間事業者で働く人は約120万人と推計される。
 中間案によると、子どもに知識や技芸を対面で教えるなど一定の要件を満たした事業者を認定の対象とする。教員や保育士は一律で性犯罪歴の確認対象となり、事務職員や送迎バスの運転手、実習生なども現場の判断で確認の対象になり得る。
 現職者の性犯罪歴を確認できた場合は子どもと接する業務から原則除外し、まずは配置転換を検討。新規採用者なら内定取り消しを検討する。
 性犯罪歴がなくても、子どもや保護者から被害申告があれば、加害が疑われる人を自宅待機や別の業務に当たらせるなど一時的に業務から外す。
 日本版DBS 子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を確認する制度。DBSは英国の「Disclosure and Barring Service」(前歴開示・前歴者就業制限機構)の頭文字で、日本政府は制度設計の際に参考にした。保育所や学習塾などで被害が相次ぎ、子育て支援団体や保護者らが創設を求めた。対象には有罪が確定した不同意わいせつ罪などの刑法犯や、痴漢や盗撮といった条例違反などが含まれる。

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