映画 ザ・ザ・コルダのフェニキア計画
主人公ザ・ザ・コルダ(ベニチオ・デル・トロ)の名を聞くだけで、連想が一気に広がる。ザ・ザ(英語圏ではジャ・ジャと発音する)は、「生涯に9回結婚した」女優ザ・ザ・ガボールを想起させる。コルダは、映画製作者アレクサンダー・コルダを筆頭とする、コルダ3兄弟を思わせる。
どちらもハンガリー出身者だ。そういえば、ウェス・アンダーソン監督がかつて撮った「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014年)も、ハンガリーの影がちらつく映画だった。
今度の舞台は、幻の都市国家フェニキアである。東部地中海沿岸の地域を指す名称で、現在でいうと、レバノン、シリア、ヨルダンにまたがる一帯に当たる。東方貿易の拠点として栄え、この地域の利権をめぐって、昔から何度も戦乱が起こった。
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週刊エコノミスト
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