『劇場アニメ ルックバック展 ―押山清高 線の感情』が2026年1月16日(金)から3月29日(日)まで、東京・港区の麻布台ヒルズ ギャラリー(麻布台ヒルズガーデンプラザA MB階)で開催される。

漫画家・藤本タツキが手掛けた同名コミックを原作とする同作。58分という短い上映時間でありながら、興行収入は累計44億円を越え、国内外で話題を呼んだ。

展示には、監督である押山清高が自ら主催として参加。押山と作品に携わったクリエイターたちがどのように原作の世界観を紡いでいったかという点に着目し、マンガ作品がアニメーション作品として昇華されていくまでの軌跡とこだわりを紐解く。

開催にあたり、押山からのメッセージも届いている。

映画『ルックバック』は、抗いようのない時代の変化に対する問いであり、生存戦略でした。
AIが絵をはじめ、あらゆるものを生成できる今、なぜ人は、それでも描くことをやめないのか。
その問いに、自分の線で答えようとした作品です。

今回の映画では、藤本タツキさんの原作をお借りし、
“描くこと”についてアニメーションならではの表現を模索できたのは幸運でした。

私はテクノロジーを否定するつもりはありません。
その力を認めたうえで、それでも描くことを選ぶ人間の衝動や不器用さにこそ、
作品の本質があり、残す意味があると信じています。
『ルックバック』は、私なりのクリエイター賛歌であり、人間賛歌です。

この展示は、完成した映画の記録ではなく、
描かれたもの、描かれなかったもの、その過程でこぼれ落ちた感情や思考の痕跡を
今の時代にこそ可視化する試みです。

アニメやマンガは、先人たちの飽くなき探求が積み重なった集合知に支えられています。
本作もまたその流れの中にあり、私たちは時間をかけ、間違えながら、
さまざまな感情で線を引き続けています。

描くとは、思考の累積であり、身体そのものの表現です。
その線には“描いた人”のすべてが宿ります。
この展示が、「人が絵を描くとは何か」をあらためて問う機会になればと思います。

押山清高

『劇場アニメ ルックバック展 ―押山清高 線の感情』

主催:麻布台ヒルズ ギャラリー、スタジオドリアン、エイベックス・ピクチャーズ
協力:集英社、ミックスグリーン
会期:2026年1月16日(金)~3月29日(日) ※会期中無休予定
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー( 東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階)
お問合せ先|azabudaihillsgallery@mori.co.jp
※営業時間、チケット情報等については今後のリリースにて発表予定

【劇場アニメ『ルックバック』 ストーリー】
学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートから絶賛され、自分の画力に絶対の自信を持つ藤野だったが、ある日の学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生・京本の4コマ漫画を目にし、その画力の高さに驚愕する。以来、脇目も振らず、ひたすら漫画を描き続けた藤野だったが、一向に縮まらない京本との画力差に打ちひしがれ、漫画を描くことを諦めてしまう。

しかし、小学校卒業の日、教師に頼まれて京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで初めて対面した京本から「ずっとファンだった」と告げられる。

漫画を描くことを諦めるきっかけとなった京本と、今度は一緒に漫画を描き始めた藤野。二人の少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思いだった。しかしある日、すべてを打ち砕く事件が起きる…。

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