2025年9月8日

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鑑賞方法:VOD

「シングストリート」「はじまりのうた」と逆順に観てきて、いよいよ本作を鑑賞。3本の中では、一番好きかもしれない。
明らかに低予算で、外での撮影はゲリラだということが後ろの人たちの反応からもわかるが、逆にそれがホームビデオのような臨場感をたたえていて、このストーリーにしっくりきた。
ミュージカルでは決してないのに、全編の3分の2以上は楽曲で埋まり、歌詞が人物たちの気持ちを代弁していく。
曲作りのシーンでは「相手(といっても元カノや別居中の夫だったりもするのだが)への募る思い」が、そして、楽器やコーラスが重なっていく演奏シーンでは、徐々に深いところで響きあい始める2人の関係性が、見事に描かれていた。

<この先、結末に触れますので、ご注意下さい>

この作品が、3本の中で一番好きと思う理由は、「安易に2人が結ばれないこと」に尽きる。
「もう、絶対に惹かれあってるじゃん!」と観ているこっちは身悶えもするが、刹那的な行為に走らず、大人な判断ができる2人であるところがいい。
互いに心の中に別の人がいるうちは…という、自らへの誠実さと、相手を思う抑制的な姿にグッときてしまう。

それから、女のお母さん、男のお父さん、どちらもわずかな登場ながら、揺るがない自分を持つ、とても魅力的な人たちだった。
お父さんは、息子に渡した餞別が、彼女のためのピアノに変わったことを知っても、きっと許してくれることだろう。

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