■ 作品情報
監督は羽住英一郎。主要キャストは橋本環奈、眞栄田郷敦、櫻井海音、安斉星来、鈴木福、本田真凜、吉田剛明、木村佳乃。脚本は土城温美、原祐樹。原作はウェルザードの「カラダ探し」。

■ ストーリー
前作で「カラダ探し」を終え生還した森崎明日香と伊勢高広。しかしその直後、明日香は高広の目の前でこの世から消え去ってしまう。それから3年後、一ノ瀬陸人たち5人の高校生が深夜の遊園地で目を覚ますと、全身血だらけの「赤い人」が現れ、彼らを次々と惨殺する。しかし彼らは死んでも翌朝に同じ日を繰り返す「カラダ探し」のループに巻き込まれていることを悟る。そんな彼らの前に、明日香を探し続ける高広が姿を現す。陸人たちは、呪いの連鎖によって消えた明日香を救うため、「赤い人」の恐怖と、明日香が囚われている「あちらの世界」で出会う謎の女と対峙することになる。

■ 感想
ホラーは本当に苦手で、グロいのはさらにダメなんですが、前作未鑑賞にもかかわらず、舞台挨拶中継に釣られて足を運んでしまいました。でも、その舞台挨拶は、上映前ということで撮影裏話的なものは聞けずに残念。その代わり「キャストのかたがたが言ってた注目シーンはここか」と、上映中に思い出しながらちょっと落ち着いて鑑賞することができました。

というより、そんなに怖くなくて安心して観ていられました。中心となる5人がいきなり恐怖のカラダ探しに強制参加させられた理由はわかりませんが、ループを通じて互いの理解を深め、絆を感じ始めていくくだりは悪くないです。中でも、ループを楽しんで青春を満喫しているような描写は、「毎夜殺されるのにそんな余裕ある?」と疑問も感じますが、絵的には微笑ましくてほのぼのとしてしまいます。

本作は、そのタイトルが示すように「最後の夜」の真相に迫る物語を期待させます。しかし、いざ蓋を開けてみると、前作の結末から続く明日香が強制的に召喚される「あちらの世界」の仕組みや、そこに存在する謎の女の意図が最後まで曖昧で、釈然としません。

特に木村佳乃さん演じる謎の女は、その怪演が非常にインパクトがあり、登場するたびに画面に釘付けになるのですが、彼女の行動原理や明日香との関係性が不明瞭なまま進行するため、せっかくの存在感が物語全体への理解を深めることには繋がりません。これは、前作を観ていないせいなのか、自分の頭が悪いだけなのか、そもそも理解できなくてもいいことなのか、判断に迷うモヤモヤとした感情が残ります。

また、物語の終盤、不可解な状況ながらも一応のハッピーエンドを迎えるのはよいのですが、エンドロール後に挿入されるポストクレジットの映像にはちょっと驚きです。あれはいったい何だったのでしょうか。新たな謎を提示し、続編への含みをもたせているかのようにも見えます。しかし、「THE LAST NIGHT」と銘打たれた作品で、さらに混沌とした展開を匂わせるのは、正直なところ蛇足に感じられます。

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