演技力を活かしたコントが毎回話題となっている、SixTONESの冠コント番組『ワロタ!』(Prime Video)。その中で、松村北斗が注目を集めている。
映画『ファーストキス 1ST KISS』ロングトレーラー|2月7日(金)公開
ここ数年、俳優として数々の作品に出演し、硬派な役から繊細な役まで幅広く演じてきた松村。2025年は彼にとって、俳優としても大きな飛躍の年でもある。2月に公開された映画『ファーストキス 1ST KISS』では、夫婦の愛の形を描いた作品で松たか子の夫役を熱演。さらに、10月10日公開予定の映画『秒速5センチメートル』では主演を務める。新海誠による原作をもとにしたこの作品で主演を演じる松村に寄せられる期待は大きい。
【#2|60秒teaser】SixTONESのコント番組『ワロタ!』8月1日(金)16時 Prime Videoで配信開始!
松村は、『ワロタ!』で肩の力が抜けた素の表情や、メンバーとの軽妙なやりとりを惜しげもなく見せている。特に注目されているのは、自ら仕掛けていく能動的なアドリブ。些細な一言でスタジオ全体を笑いに巻き込むセンスは、松村の新たな一面を視聴者に印象づけている。
興味深いのは、『ワロタ!』で繰り広げるコントとこれまでの俳優業で培った経験が、相互に作用している点だ。感情の機微をとらえる演技力と、瞬時に場の空気を読んで的確なアドリブで反応する力。このふたつを自在に操ることこそが、松村の強みなのだと思う。
また、ファン層の広がり方も顕著だ。先述の『ファーストキス 1ST KISS』では幅広い層にリーチした一方で、『ワロタ!』では若年層を中心に松村の存在感が話題になっているのだ。俳優として彼を知った層も、『ワロタ!』をきっかけに松村の“素顔”に触れる。そんな相乗効果が今年の松村を“話題の絶えない存在”にしているのだろう。
さらに興味深いのは、松村の演技に対する想いだ。インタビューでは「いろんな意味で悪い貪欲さみたいなものは捨てて、素直にクリーンに、作品に対する第六感みたいなものを研ぎ澄ませていたい」(※1)と語っていたこともあり、役を“作り込む”のではなく、あくまでもありのままの自分自身で役に入っているのだということが窺える。気の知れたメンバーたちと自由に世界観を作り上げていく『ワロタ!』でも、『日本アカデミー賞』新人俳優賞を受賞したその力量が光るドラマ/映画作品でも、松村は感覚を研ぎ澄まし、その場の空気を瞬時に把握し、最適な言葉や表情を選ぶことができる。その積み重ねが、結果的に多様なフィールドで光を放つことに繋がっているのではないだろうか。
SixTONESとしての音楽活動ももちろん並行しているが、2025年の松村は、もはや“アイドル”、“俳優”、“バラエティタレント”といったラベルに収まりきらない。『ワロタ!』での爆発的な面白さが、彼の人間味や温度感を世間に伝え、演技作品ではその感性が物語に深みを与えている。ジャンルを横断する存在感は、今後さらに強まっていくように思う。
想定外の笑いを生む冠番組と、話題作への出演。この2つのベクトルが交差する2025年は、松村が持つ“幅の広さ”を示す象徴的な年になるはずだ。そして、どんな作品や番組でも演じることへのスタンスは変わらず、自分が持つスキルを昇華させていく。そのナチュラル感こそが、彼が注目と評価を集める理由の一つである。『ワロタ!』でのコント、そして10月公開の主演映画。次はどんな松村の魅力を発見できるのか、その期待はさらに高まるばかりだ。
※1:https://classy-online.jp/lifestyle/321757/
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風間珠妃
日頃から幅広いジャンルの音楽や映画を探究。とりわけダンス&ボーカルグループとアクション映画に明るいエンターテインメントオタク。ライブやフェスにもよく足を運んでいます。
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