映画「星と月は天の穴」に主演する綾野剛
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俳優の綾野剛(43)が、12月19日公開の映画「星と月は天の穴」(監督荒井晴彦)に主演する。過去に妻に逃げられ、独身のまま40代を迎えた小説家役。「役者人生において唯一無二の体験でした。今思い出しても武者震いします」と撮影を振り返った。
芸術選奨文部大臣賞を受賞した吉行淳之介氏の同名小説が原作。離婚経験から女性を愛することを恐れる一方、愛されたい願望をこじらせる主人公の日常を描く。離婚した過去と、自身のある秘密にコンプレックスを抱えながら、田中麗奈演じる娼婦と体を重ねることで心の穴を埋めていたが、偶然出会った女子大生(咲耶)との情事をきっかけに日常に変化が生じる。
メガホンを取ったのは「ヴァイブレータ」や「共喰い」と、同じく“愛と性”を描いた作品でキネマ旬報ベスト・テン脚本賞を受賞した荒井晴彦監督。綾野は「荒井監督の脚本を浴びることができ、言葉の美しさと滑稽さ、なにより文学への造詣に触れられ、とても希有(けう)なひとときでした」と充実感をにじませた。
田中は「年齢制限もあり、チャレンジングな作品だと思います。作品を見ていただいたお客さまからどんな反応がうかがえるのか、楽しみにしたいと思います」とコメント。「純文学の登場人物になりたい」という願望があったという咲耶は「まさかこんなに早く実現してしまうなんて」と感激のコメント。「全力でつかみに行った紀子という人物を演じる事が出来たのは私にとってこの上ない幸せです。あの夢のような時間、語り尽くせない程です」とかみしめた。
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