2025年9月4日

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鑑賞方法:映画館

2年前の前作と比べて、フランス資本が入ったからか、ビジュアルが決まっていて、編集も荒削りでなく、音楽が流れる時間も増えたように感じた(イタリア民謡マリアマリなど)。要は作品が洗練されということ。
とはいえ描いている内容は前作以上に貧困、インモラル、狂気であり、洗練というのはおかしいかもしれないが。

反面、前作の不器用ながらも原石のような無垢な感覚は失われてしまった。
好みの問題だが、私は本作の方が気に入った。

ラストに至る描写がとにかくすごい!
ガリーヤもワーリャもママもブタのマーシャも隣人母娘もヤマモトも皆去ってしまった。まさに「ひとりで生き」ていくしかない。ぼろぼろの鉄橋の上を盲目で杖つきながら歩くように。
最後、もがきながら必死で泳ぐワレルカの孤独感、寂寥感が半端ない。
久々に人の温かみがとても恋しくなった映画である。

sugar bread ひとりで生きる

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