ホアキン・フェニックス(2002年9月撮影)
アカデミー賞主演男優賞に輝いた米映画「ジョーカー」(2019年)などで知られる俳優ホアキン・フェニックス(50)とパートナーで女優のルーニー・マーラ(40)が3日、イタリア・ベネチアで開催中の第82回ベネチア国際映画祭にそろって出席した。
コンペティション部門に選出されたイスラエルの攻撃を受けるパレスチナ自治区ガザ地区を舞台にした映画「ザ・ボイス・オブ・ヒンド・ラジャブ」のワールドプレミアに登場。2019年に婚約し、2人の子どもをもうけた2人が公の場にそろって出席するのは珍しい。今年に入って初めてのツーショットとなった。
昨年1月に家族と避難中にイスラエル軍の攻撃によって命を奪われた6歳のパレスチナ人少女、ヒンド・ラジャブさんを描いた同作は、2度アカデミー賞にノミネートされたカウテール・ベン・ハニア監督がメガホンを取り、1人だけ生き残ったラジャブさんが閉じ込められた車内からかけた助けを求める実際の緊急通報の声を基に制作された。今年の映画祭で最も注目される作品のひとつで、金獅子賞の最有力候補といわれている。
レッドカーペットには、監督らとともに製作総指揮を務めたフェニックスとマーラも登場。出席者全員が連帯感を示すため黒の衣装を身に纏い、作品の主人公ラジャブさんの額入り写真を手に写真撮影にも応じた。
デッドラインの報道によると、上映後は同映画祭史上最長となる24分間にも及ぶスタンディングオベーションが起きたという。ハリウッド・レポーター誌によると、本作品はフェニックスとマーラのほか、俳優ブラッド・ピットやアルフォンソ・キュアロン監督らも製作総指揮に名を連ねている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)