2025年9月4日

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鑑賞方法:映画館

再上映で鑑賞。
妻を亡くした男とその友人が思い出のホテルで過ごす冒頭。妻を亡くした喪失感や悲しみはわからないでもないが、友人や周りの人たちへのあの態度はない。なんて嫌なやつだと思っていたが、妻と出会った5年前を描くパートでは普通にいい人で驚いた。それくらいに喪失感がすごいんだなと思わせる演出だ。
現在→5年前→現在と場面が転換するのもさりげなくて、でもわかりづらくない。そして、それぞれ前のパートの伏線が活きてくるのもうまい脚本だ。そういう意味では興味深く鑑賞することができた。一組の男女の出会いと喪失、その落差を描いているように見えたが、赤い帽子を通じて人と人のつながりみたいなものが描かれているようにも思える。
いろんなことを説明してもらえないのはこの手の映画ではよくあること。勝手に、凪の忘れっぽいところや、時間を忘れて物を探してしまうところに、若年性認知症の可能性を感じてしまう。だとすると、「幸せだったでしょうね」と言われた彼がそんなわけないでしょうと強く否定するあたりは別の意味が付与される。思い返せばかなり切ない気持ちになる。
涙を流すような感動があったわけではないし、そうだったのか!と衝撃の事実が判明するわけでもない。映画の感想ってのは不思議だ。それでも、なんかいい映画だったなと思う。

kenshuchu SUPER HAPPY FOREVER

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