ホラー映画『近畿地方のある場所について』が、9月2日までに観客動員数103万9764人、興行収入14億487万7820円を突破した。

8月8日~11日の公開初週4日間で興行収入4.4億円、動員31.8万人を記録していたが、今回の記録によって最終興行成績20億円も視野に入った。

動員100万人、興収14億円と、ホラー映画としては近年稀に見るヒットを記録しており、一連のホラーブームを象徴する作品になりつつある。

『近畿地方のある場所について』場面写真

ホラーの盛り上がりを牽引する『近畿地方のある場所について』

映画『近畿地方のある場所について』は、ホラー作家・背筋さんによる小説を原作に、『ノロイ』『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』の白石晃士監督が映像化した。

原作は2023年1月にWeb小説サイト「カクヨム」を投稿され、モキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)という作風が、現実から地続きの恐怖を呼び起こし、2200万PVを超える大ヒット。

『近畿地方のある場所について』撮影風景

同年8月に書籍版が刊行され、現在までに累計発行部数80万部を突破。映画公開直前の2025年7月25日には、書籍版とは異なる展開・視点で大胆に書き換えられた文庫版が発売され、その加筆量と新たな物語構築によって、さらなる話題を呼んだ。

Web版、書籍版、文庫版、そして映画版と、それぞれ異なる物語が展開されており、ネット上ではそれぞれの物語の関係性や時系列、背景などの考察も相次いでいる。

映画『近畿地方のある場所について』本予告代替現実ゲーム『503号室の郵便物』まで世界観が広がる

このように『近畿地方のある場所について』は、カクヨム版/書籍版/文庫版/映画版と同じ題材でありながら、切り口も仕掛けも異なる物語を展開しており、それが話題が広がる一因ともなっている。

『近畿地方のある場所について』場面写真

8月13日には、代替現実ゲーム(ARG)ブランド「4×4 sect.(フォーバイフォーセクト)」の第1弾として制作されたタイトル『503号室の郵便物』が、同じ世界観を共有していることも明らかになった。

“近畿地方のある場所”が巻き起こす恐怖の伝播は、いったいどこまで広がっていくのだろうか。

©︎ 2025「近畿地方のある場所について」製作委員会

KAI-YOU編集部_音楽・映像部門

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ポップポータルメディア「KAI-YOU」の編集部(2013年3月15日より運営開始)。重要性の高いニュース記事に加え、クリエイターへのインタビューや発表会、展覧会などのイベントレポート、独自の視点・切り口からのレビューやコラムなども多数配信。ポップカルチャーと現代社会が相互に影響し合う歴史を記録しながら、シーンの最先端にある新たな価値観や才能を発掘・発信している。

音楽・映像部門では、VOCALOIDやDTMなど多様なカルチャーが絡み合い複雑化するインターネット音楽シーンの現状を発信。ジャニーズから歌い手、ネット発アーティストまで、音楽やMV、映画を対象に、最先端技術を使った映像や膨大な時間がかけられたアナログ手法の作品、それらを生み出すクリエイターを紹介している。

ホラー映画『近畿地方のある場所について』興収14億円突破 異例の大ヒット

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