NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の劇中では田沼意次の盟友として、大奥を取り仕切る高岳(たかおか)。一橋治済や松平定信の台頭を阻止するべく意次をサポートしてきましたが、実際はどんな女性だったのでしょうか。
◆高岳/冨永 愛
たかおか/とみなが・あい
大奥総取締田沼意次(渡辺 謙)、松平武元(石坂浩二)と並び幕府の実権を握る大奥の最高権力者。賢丸(寺田 心)の妹の種姫を十代将軍・家治(眞島秀和)の養女として迎え、家治の嫡男・家基(奥 智哉)の正室とするよう画策するのだが… 。
※NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」公式サイトより。
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大奥で権勢を振るった高岳
大奥で権勢を振るった高岳。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
高岳は生没年不詳、その出自や大奥に入った理由・時期などについても、詳しいことは分かっていません。
第10代・徳川家治と第11代・徳川家斉の2代にわたって仕えました。
宝暦年間においては御年寄・松島局(まつしまのつぼね)に次ぐ実力を持っていたと言います。
やがて明和年間(1764〜1772年)に入ると、筆頭老女として権勢を振るうようになりました。
その権勢ぶりを示すエピソードとして、このようなものがあります。
明和2年(1765年)に仙台藩主の伊達重村(だて しげむら)が官位を求めた際、松平武元(筆頭老中)・田沼意次(御側御用取次)・田沼意誠(一橋家老)と並んで高岳にも賄賂を贈りました。
高岳が彼らと並び、賄賂を贈る相手と認識されていたことが分かるでしょう。
ちなみに高岳は賄賂に加え、重村に自宅(桜田御用屋敷内)を増築させています。
重村としては小さからぬ負担だったでしょうが、ここで高岳の機嫌を損ねる訳には行きません。
せっせと高岳宅の増築に励み、官途を願うのでした。
2ページ目 政権交代で身を引いたか粛清されたか……