2025年9月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
「ウナイ」とは沖縄の古い言葉で「姉妹」を意味するそうです。このドキュメンタリーでは、有機フッ素化合物(PFAS)による水の汚染に立ち向かう女性たちを「ウナイ」と呼び、その連帯や行動が描かれていました。
最近、各地でPFAS汚染が報告されているのが気になって足を運んだのですが、知識や情報以上に心に響いたのは、市井の人々が理不尽に泣き寝入りせず、無責任な企業や無作為な行政に対して粘り強く闘う姿でした。市民が社会を変える原動力になりうる――そんな希望を感じられたのは大きな収穫でした。
「何も知らずに子どもに危険な水を飲ませてしまった」という母親の怒りと悔恨がパッションとなり、そのパッションが人から人へ伝わり、連帯を生んでいく。冷めた市民活動ではダメだなあと、自分を振り返るきっかけにもなりました。
「私は執念深い」と語る監督・平良いずみさんの視点は明晰で、世界各国の汚染地域にまで取材を続ける粘り強さには脱帽です。
日本のPFASの基準は甘く、私たちの多くが体の中にそれを蓄積しています。誰一人他人事ではないでしょう。見終わったあと、自分にできることはなんだろうと考え込んでしまいました。(それで、とりあえずレビューを書くことにしました)
本当に、一人でも多くの人に観てほしい映画です。
ウナイ 透明な闇 PFAS汚染に立ち向かう