団塚唯我監督による『見はらし世代』の本予告編とポスタービジュアルが解禁された。
2025年5月に第78回カンヌ国際映画祭の監督週間にて、日本人史上最年少の26歳で選出された本作。団塚監督の瑞々しい感性が光る新しいスタイルの日本映画として注目されている。
主人公の青年・蓮(黒崎煌代)と、結婚を控え将来について悩む姉(木竜麻生)。そして母(井川遥)の喪失をきっかけに姉弟と疎遠になった、ランドスケープデザイナーの父(遠藤憲一)。渋谷の街を舞台に、関係をふたたび見つめ直そうとする彼らを、普遍的な家族の風景から、都市の再開発がもたらす影響までを繊細に、そしてきわめて軽やかに、ただ、決して切実さは失わずに描き出した。
この度解禁された予告編では、海辺の別荘で過ごす家族4人の何気ない時間から始まる。主人公の少年・蓮はサッカーボールを追い、姉の恵美はソファで英単語をひたすら暗記している。
そんな中、ランドスケープデザイナーの父(遠藤憲一)にいつものように仕事での呼び出しの電話が入り、「東京に戻らなければならないかもしれない」と母・由美子(井川遥)に伝える。由美子は「この3日間は家族に集中してって言ったよね」と力無く呟くように訴えるが、その声には、家族の生活を一手に背負い、久しぶりに全員が揃った休暇を心待ちにしていた気持ちを裏切られた想いがいま、溢れたことが伺えるのだった。
何かが割れる音とともにシーンは暗転し、映し出されたのは、胡蝶蘭の配送ドライバーとして働く大人になった蓮(黒崎煌代)の姿。職場では些細なことで叱責される日常。そんな中、姉の恵美(木竜麻生)から、長年疎遠だった父が帰国していることを知らされる。やがて蓮は、花を届けに行った先で、思いもよらぬ“再会”を果たす。
「子供達とどうこうしたいって望む権利なんてとうに無くなってるよ」と語る父の胸中は? そして3人の家族が見つめ直す新たな景色とは…。
併せてメインビジュアルも解禁。胡蝶蘭を手にした蓮(黒崎煌代)が横向きに配置された、枠にとらわれない自由なデザインが目を引く一枚となっている。
『見はらし世代』は10月10日(金)よりBunkamuraル・シネマ渋谷宮下、新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開。